みなさまこんにちは。ポケマル編集部インターンの日野原です。
いつものようにポケマルの出品を眺めていたある日、気になる出品を見つけました。
ん? 世界一美しい野菜だと……?
商品紹介ページには「幾何学模様のような渦巻きが素敵です」との文字が。
幾何学模様って……たしか、こんな感じよね?↓

幾何学模様代表、蜂の巣のハニカム構造(写真引用元:写真AC)
ふ〜ん、こんな感じか。
って、一体どんな野菜なんだろう? 全く想像がつきません。
これはやはり実際に見て、触れて、観察してみるしかありません。ということで、今回は未知のお野菜「ロマネスコ」をじっくり観察してみることにしました。
これがロマネスコだ!

段ボール箱を開けるとひょっこり顔を出した「ロマネスコ」と思われる野菜たち。
こちらは茨城県つくば市にお住まいの川上和浩さんから、ポケマルで直接購入したものです。
ひとつひとつ丁寧に梱包されていて、川上さんのあたたかい思いが伝わってきました。
しかし、取り出してみてびっくり。この姿形……小さな恐竜の置物のように見えませんか?

色味はブロッコリーの緑とカリフラワーの白のちょうど間くらいの淡いグリーンカラーをしています。
とても鮮やかでかわいらしいのですが、なんだか想像以上にガッシリゴツゴツとしています。

その堅さ、ツボ押しできそうなくらい
- ロマネスコとは? - 「ロマネスコ」はヨーロッパから来たアブラナ科のお野菜で、カリフラワーの変種。黄緑色で尖った形状をした花蕾をもつ。日本では複数の種苗会社から様々な名称でロマネスコ系列の種が発売されている。 |
ブロッコリーやカリフラワーの仲間とのことですが、ロマネスコの方が複雑な構造をしているように見えます。

この不思議な形、ずっと眺めていられる気がします。
縦半分に切ってみると、断面はクリスマスツリーのような美しいシルエット。

ふと、幼い頃に野菜の切り口でスタンプアートを作ったことがあるのを思い出しました。
個性的な姿を見れば見るほど、あの頃の知的好奇心がどんどん蘇えってきます。ロマネスコでもスタンプしてみたいな…。
ロマネスコを分解して構造を調べてみる

ゴツゴツとした特徴的な見た目のロマネスコですが、いちばん気になるのは薄緑色でツンツンとしている部分。一体どのような構造になっているのでしょうか。
ということで、まずひと山摘み取ってみることに。

芯が折れた瞬間、「バキっ」と音がします。硬くしっかりとしていて、素手ではかなり力を入れないと折れませんでした。
「むむむ? これって、ミニロマネスコでは?」

外した房は、本体と同じような構造をしています。まさに"ロマネスコのミニチュア"です。
「まだ分解できそうだぞ……」
童心に火がついた私。気がつけば自然と手が動き、さらなる分解を進めていました。
すると……

おや?

おやおや?

分解前のロマネスコを1段階目とすると、なんと5段階目まで分解することができました。最後はボールペンの先よりも小さなピースに。

素手での分解はここで限界でしたが、顕微鏡と精密ピンセットがあればもしかしたらもう1段階くらいはいけたかもしれません。
よく見てみると、ひとつひとつは針葉樹のような形をしています。

ということは、ロマネスコは樹が少しずつ重なってできた大きな森………やはり不思議な野菜です。
後日調べてみたところ、この不思議な房の構造は「フラクタル構造」と呼ばれているそうです。
簡単にいうと「どんなに小さな一部分をとっても、全体の形状と同じ形になるもののこと」を指すそうです。
参考:フラクタル(ふらくたる)とは|コトバンク
畑でできたものなのに、ここまで規則性の高い構造になるとは、自然は不思議ですね。
ロマネスコはどんな味がするの?

ここまで外観ばかりに注目してきましたが、一体ロマネスコはどんな味がするのでしょうか。
見た目はブロッコリーとカリフラワーの間のようなので、2つに近い味がするのかな? なんて思いつつ、実食してみることに。
- 生のままで食べてみる -

記事を執筆しつつ、ボリボリとロマネスコを食べます
まずは生のまま食べてみましたが、ブロッコリーのような青臭さはほとんどなく、とてもマイルドな味わいがしました。
- 蒸して食べてみる -

ラップをかけて700wの電子レンジで1〜2分温めると、黄緑色がさらに鮮やかに、深い色味になりました。
生の時とは味わいが変わり、なんだかお芋を食べているような感じ。形が個性的なせいか、ホクホク感がありおいしかったです。
あまり加熱しすぎると、せっかくの食感が失われてしまうような気がします。新鮮なロマネスコは生でも甘くて美味しいので、加熱も軽めがちょうどいいかもしれません。
ロマネスコの謎、解明!

と、いうことでロマネスコの謎が解明しました!
ーロマネスコはこんな野菜だ!ー 外見:ひとつひとつのピースが規則的に連なっており、まるでプラモデルのよう 断面:クリスマスツリーのようで美しい 香り:それほど強くなく、ブロッコリーとカリフワーのちょうど中間を取るマイルドな風味がある 総合的な味わい:食感がとても個性的で、飽きない。火を入れると芋のようなホクホク感があり、ブロッコリーとカリフラワーのいいとこ取りをしたような味わいが楽しめる
|
あまりにも見た目が不思議すぎて、はじめは「小さな恐竜みたい」なんて言っていましたが、見た目の美しさも個性的な食感も楽しめるステキな野菜に出会ったのでした〜。
ロマネスコの食べ方アイデア

美しすぎる見た目のあまり、どうやって調理するのが正解なんだろうと悩む方もいらっしゃるかと思いますが、筆者のイチオシはやはり「シンプルにいただく」です。
- レンチン&マヨネーズで -
ロマネスコの親戚であるブロッコリーやカリフラワーはマヨネーズと相性抜群。ということで、まずは王道のマヨネーズで楽しんでみることに。

レンチンしたロマネスコにマヨネーズを直接のせちゃいます。

クリスマスツリーのような形に触発されて、マヨネーズの付け方をデザインしたくなってきます。

ん〜! やっぱりロマネスコはマヨネーズと相性抜群だなあ!

お子さまと一緒に食べたら盛り上がりそうですね〜もぐもぐ。

あっという間に試食分完食。ごちそうさまでした。

塩やオリーブオイルをつけて食べてもとってもおいしかったです。
- お鍋やスープで -
彩り豊かな野菜と合わせれば、いつもより華やかな洋風お鍋も楽しめますよ。

火を通してもべちゃっとなりにくいため、スープ類に入れて食べるのもおすすめです。
筆者個人としては、ブロッコリーやカリフラワー以上にスープ類との親和性が高いように感じました。ロマネスコの先端部分からじゅわっとスープが染み出てくるのがたまりません。
- サラダでも揚げ物でも -
もっとロマネスコのおいしい食べ方が知りたいと思い、購入された方の投稿を覗いてみました。
すると、おもしろい見た目を活かしお料理のデコレーションにしたり、

はつみんさんの投稿より
サッと揚げてコリコリ感を楽しんだり。ん〜これはお酒も進みます。

はつみんさんの投稿より
とってもおいしそうなお料理にして召し上がっていますね。他にも様々なアレンジレシピが生まれちゃいそうです。
* * *
今回は不思議なお野菜「ロマネスコ」をとことん観察してみました。
しか〜し! この世界にはまだまだ知らない食材がたくさんあるはず。これからもポケマル編集部は未知の食材の謎を解明するため、観察を続けていこうと思います。
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2020年12月11日現在のロマネスコたち
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文=日野原有紗、写真・編集=中川葵