農業の現場にも!新たな道を切り拓く女性生産者。彼女たちを突き動かしたのは…

「女性の活躍」が叫ばれる昨今ですが、農業の現場でも、パワフルでこだわりの食材づくりに励む女性生産者さんが静かなブームを湧き起こしているんです。今回は、女性ならではの視点で、新しい風を吹かす生産者さんを特集します。

彼女たちは、なぜ農業に心を奪われたのか。過酷な重労働を乗り越えてでも、私たちに伝えたいことは何なのか。実際に食材を味わって、彼女たちに思いを巡らせてみてください!

 

弓手(ゆんで)ひろみさん(奈良県桜井市)

夫と二人で小さな農園「ゆるり畑」を運営している弓手ひろみさんは、今から20年ほど前に奈良県の棚田オーナー制度に参加。週末は決まって大阪から通ううち、「農」の魅力に引き寄せられるように移住を決断しました。

 

その後、職業訓練学校で本格的に農業を学び、遂に自ら畑を耕すようになりました。農薬や化学肥料を使用しない農業を掲げ、野沢菜パクチーヤーコンなど、オリジナリティ溢れる野菜を生産しています。

 

くわの真光さん(福岡県福津市)

 「夢は、たくさんの人のかかりつけ農家になること」。そう元気いっぱいに話すのが、くわのさんです。地域の医者のように「この人の育てるものを買いたい、食べたい」と思われる農家を目指しています。

 

お米やキャベツ、いちごなどを栽培しています。さらに、いちごの収穫体験も開催中!ただ収穫するだけでなく、参加者と交流することを意識しているそうで「日本一おしゃべりの上手な農家さん」と呼ばれるほど明るい性格なんです!

 

島津緑さん(高知県高岡郡四万十町)

清流・四万十川の流れる静かな町で、オリジナルの落花生を栽培する島津さんも、農業に魅せられて移住した新規就農者の1人です。関東出身で、デザインの仕事をしていましたが、あるとき「生産する側と企画する側を両方やってみれば面白い」と思いついたそうです。

 

島津さん自慢の品は、通常の2〜3倍の大きさを誇る「ジャンボ落花生」。さらに、これまでのスキルを活かして、栽培から加工、デザイン、販売まですべてを手掛けているんです!

 

江口啓子さん(佐賀県佐賀市)

 飲食関係の仕事をしていた江口さん。夫も料理人で、普段から「食」に囲まれた生活を送っていました。2011年に「えがちゃん農園」の開園を決意したのは、今生産している「はねにんにく」が「とにかく純粋においしかったから!」だそうです。

 

「好き」が昇華して「生業」にしてしまう、なんとも大胆な性格で、栽培にも妥協は一切ありません。理想の味を追求し、難易度の高い栽培方法にチャレンジ。においの気にならない「はねにんにく」。是非味わってみてください!

  

齋藤幸江さん(福島県郡山市)

「子供たちの未来に残せる農業をしたい」。齋藤さんはそんな思いで、風評被害に苦しむ逆境の地・福島県でお米などを栽培しています。こだわっているのは、循環型農業です。自家製堆肥に挑戦し、できる限り農薬を使わずに栽培しています。

 

もちもち・ツヤツヤ感が売りの「あきたこまち」や、ケーキやパン用に加工した微細製粉などを販売しています。放射能に関しては、県の全量全袋検査後に出荷しています。

 

大東多美子さん(三重県志摩市)

 まさか自分が農家になるとは…。歯科衛生士やケアマネージャーと、医療介護の現場一筋だった大東さん。しかし、嫁ぎ先は畑が広がる自然豊かな土地でした。3人の子育てが一段落すると、夫とともに休耕田を利用し、野菜作りを始めたのです。

 

すると、その野菜が思いも寄らず「とっても美味しかったんです」。それ以来、農業に熱中する日々を送ることに。現在、ロメインレタスラディッシュ・大根正月菜(もち菜)など、数多くの無農薬野菜を生産しています。

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