
年々深刻化している気候変動。みなさんは、何か環境の変化を感じているでしょうか?
私たちの食べものをつくってくれている生産者さんたちは、自然と向き合う中で日々環境の変化を感じ、また、すでに生産活動において様々な影響を受けています。
そんな生産者さんたちの状況を、少しでもみなさんに知ってもらいたい。そして、私たちにできることを一緒に考えていきたい。
ポケマルでは、自然環境の変化に直面する生産者さんたちの声をお手紙の形にして、連載形式でご紹介していきます。自然からの警告を「炭鉱のカナリア」のように私たちに伝えてくれている生産者さんの声を、まずは知ることから、一緒にはじめませんか?

佐賀県唐津市の松島で海士をしている宗秀明です。素潜りで主にサザエとアワビを採っています。
近年は磯焼けの影響が大きくなっています。磯焼けとは、海藻がなくなって岩がゴロゴロしているだけの状態になることをいいます。5年前から海藻が減ってきているのをなんとなく感じていましたが、ここ2年ぐらいで急激になくなっています。
磯焼けの原因は、アイゴや黒ウニが海藻を食べてしまうことです。これまで、アイゴや黒ウニは冬になると海藻をあまり食べなかったのですが、近年は地球温暖化で海水温が高いため、冬でも動き回って海藻を食べ尽くしてしまっています。
磯焼けによって、海藻を餌とするサザエやアワビが減っていて、それを採る僕たち海士の収入も減ってしまっているのが現状です。

磯焼けへの対策として、黒ウニの駆除をしています。採って陸にあげ、中身は瓶に詰めて商品化し、貝殻は畑にまいたりしています。
アイゴの駆除も考えています。アイゴの稚魚であるスクガラスは、沖縄ではよく食べられていて、高く買い取ってもらえます。なので、アイゴも商品化して駆除を進める計画を立てています。
また、漁に出る日を減らしたり、潜る時間を短くしたりして、海を休ませています。松島は小さいので、漁業だけで生活しようとすると魚をとり尽くしてしまいます。そうならないように、山を開拓して畑をつくったり、塩づくりや養蜂などをしたりと、漁業だけに頼らないようにしています。

僕は、毎日海で働いているので、地球温暖化の影響を一番感じていると思っています。なので、消費者の方にそれをしっかり伝えていきたいです。
自分自身がものを買うときにも意識しているのですが、値段だけではなく、どのような生産者なのかということや、そのこだわりや想いを知って、環境に配慮している生産者を応援する気持ちで買ってもらえたら嬉しいです。

生産者さんは、経営も海も持続可能であるように、直面している自然環境の変化に対して徐々に適応しています。
自然との接点が少ない私たちは、それを自分ごととして捉えることがなかなか難しいかもしれません。でも、生産者さんを通して、変化について知ること、理解すること、心を寄せることはできると思います。
生産現場の変化は、やがて私たちの食卓の変化にもつながります。生産者さんの「カナリアの声」が、みなさんの食に対するあり方や暮らしそのものについて、改めて考えるきっかけになれば何よりです。
まだまだ知られていない、生産現場の変化のお話。生産者さんの「カナリアの声」を、ぜひ周りの方にも届けてください。
今回お話をお聞きした生産者さん
Producer

前回・次回の記事はこちらから
生産者さんからみなさんへ 〜自然環境の変化と向き合う #カナリアの声 〜 vol.6 養豚を営む佐藤裕美さんより

生産者さんからみなさんへ 〜自然環境の変化と向き合う #カナリアの声 〜 vol.8 ぶどう農家・育種家の林慎悟さんより
