明日は十五夜🌕オンライン月見の予行演習をたしなんでみたよ

今年も実りの秋がやってきました。次々と舞い込む新米の知らせや、秋の味覚の収穫情報に胸を踊らせる”食欲の季節”の到来です。

秋の豊穣を語るに欠かせないのは、十五夜ことお月見。かつては収穫の喜びと自然への感謝を示す行事だったといいますが、今では家族や友人と月をゆっくり眺める日として、日本人の心を癒しています——!!

しかしコロナも一向に落ち着きませんな

ですな

ところで2020年10月1日『中秋の名月』に、部員のみなさんと月見がしたいのですが

しかしコロナですし、4都道県に散らばる部員が一堂に会するのは難しいのでは

たしかにリアル集合は難しいけれども、私たちには"オンライン"があるではないですか

まさかオンラインでお月見を……?

目次

     ここに目次が表示されます。    

オンライン月見を試してみた

9月某日の夜、大城は千葉県内の公園で空を眺めていた。2020年の中秋の名月は10月1日だが、中川の「心配だから予行演習しよう」の一声により、1ヶ月前の満月に合わせて"プレ月見"を行うことになったのだ。

あー準備するの大変だった……中川さん注文が細かいんだもん

プレ月見の幹事に抜擢されてしまった大城は、中川の指示に従い、この日までに入念な準備と根回しを行ってきたのであった。

おゝしろの回想

さて大城クン、お月見の幹事になったら何をしなければならないか、言ってごらん?

はあ、お月見団子の用意とかですかね

それも大切ですが、もっと重要なものがあるでしょう

……月?

正解です。月が見えなきゃ"いつものリモート飲み"になってしまいますよね

月くらいいつでも見られそうですけど

甘いな。月を甘く見ないでいただきたい

(この人、何者なんだ)

よく考えてごらん。今回は「満月」という特定の月齢の月を、皆が起きているまともな時間に、800km以上離れたところにいる部員と一緒に眺めるという極めて限定された状況なのだよ

なるほど、がんばります(なんかよくわからないけど大変なことになったぞ)

結局、いつもの取材並かそれ以上に準備した気がするけど、その甲斐はあったのかも

プレ月見開始時刻の18時30分が近づくとともに、大城のいる公園の東の空にかかっていた雲が晴れ、明るく輝くが顔を出していた。

やがて、オンライン会議ツールの画面に仲間たちが現れた。

やあこんばんは。そちらの天気はどうですか?

おがた 「ちょっと山梨は天気良くないですね」

わたなべ「う〜ん、北海道もちょっと厳しいかんじ」

がーん

東京もさきほどから雷雨になりました

オンライン月見のやることリスト

現実とは手厳しいものだった。この夜、月を観測できたのは幹事の大城だけ。「入念に準備をした」という自己申告も、こうなっては疑わしく感じるかもしれない。

しかし、ちょっと待ってほしい。「準備不足」の烙印を押すのは、大城らがツキを呼び寄せるために行った準備の数々をご覧いただいてからにしていただけないだろうか。

月見前にやったこと①

👉とにかく月と天気を調べた。


月が見える時刻や方角は、毎日少しずつ変化するのですね。日程を決める前に月齢月の出の時刻を調べておかねば

もちろん天気も重要です。こちらのサイトやアプリが便利ですよ👇

  1. 国立天文台 暦計算室:月の出入り時刻をシンプルに調べることができる。
  2. Planet Book:光学機器メーカーのビクセンによる惑星観察アプリ。特定の日付・時刻における太陽系惑星と月の方角と高度をビジュアル的に確認することができる。
  3. 気象庁ホームページ:天気のことなら気象庁。週間予報や天気図を見て、参加メンバーの住まい周辺の天気を確認しておこう。


月見前にやったこと②

👉柔軟に予定を組んだ


月齢や月の出入り時刻は確実ですが、天気だけはやっぱり不安です

天気だけはどうしようもありません。満月の前後数日も月が大きく明るく見えますので、満月にこだわりすぎないことも重要です。第一候補日が雨になりそうな場合に即リスケできるように、参加者に複数日程を空けておいてもらえるよう根回ししておきましょう


月見前にやったこと③

👉共通の月見アイテムを準備した


月見といえば月見団子。ですが、今回のように離ればなれで「各自用意せよ」となると、参加者のプレッシャーも大きいのでは

そんなとき〜
   あって良かった〜
      
ふところ餅〜

「ふところ餅」とは、愛知県の末松園子さんがポケマルで販売している農作業に必携のお餅のことです。参加者全員が予め購入しておくか、気前の良い幹事が全員に贈ってくれても良いでしょう

かつて農作業中にふところに入れて人肌で温め柔らかくし、おやつに食べたことが由来なのだとか

しかし中川パイセン、なぜ「ふところ餅」なのでしょうか?

理由は3つ。まず、①開封すればそのまま食べられる手軽さ

色づかいが可愛らしいし、積み上げるとお月見感がアップして良さそうです

そして、②ちょっと買いにちょうど良いお値段と、③ポストに配達してもらえる気軽さ

※注:今回のように特定の日に使用する場合は、前もって生産者さんに質問し、注文から発送までにかかる期間を確認しておきましょう。

おお、普通の郵便物のように茶封筒で届くんですね。受け取りのために在宅していなくても良いのは助かります

みんなで同じ時間同じ月を見て同じ「ふところ餅」を食べる。これがオンライン月見のゴールなのだ


月はなくとも「うまい」はあった

こうして、入念な準備にもかかわらず参加者4人のうち3人が月を見られなかったプレ月見であったが、全くの"大失敗"ではなかったようだ。天気に恵まれなかった参加者も、「ふところ餅」というお題があったおかげで、各々工夫を凝らして月見に挑んでくれたのである。

『これから、月を探しに行きます』というメッセージを残し、ふところ餅が入ったバスケットを抱え、マッチ売りの少女よろしく初秋の札幌の街を徘徊した者。

大城は心の中で「月探しのふところ餅姉御」と名付けた

早々にリアル月観望を諦め、モニターに大写しにした過去の月写真を眺める者。

撮影者によると「これは4月のピンクムーン」とのこと

業務終了後に急いで買い込んできた惣菜と酒で晩酌を始め、自宅のコンロで「炙りふところ餅」を作り満悦する者。

炙ると外はカリカリ、中はふんわりに

結果として、大城以外は液晶画面に映された月を見ながら「いただきます」を唱えることにはなったが、それなりに楽しい一夜となったのであった。

\いただきま〜す!/

いや〜…あれだけ準備しても、これだけ天気に恵まれないこともあるんですね……これはふところ餅がないとお蔵入りだったな…

本当に、今回はふところ餅に助けられましたよ

計画通りにいったのは、ふところ餅が予定日までに各家に届いたことだけですからね。生産者の末松さん、そして日本の物流網と配達員さん……本当に感謝です

リアル月は見られなかったとはいえ、雲の向こうに月があるのは間違いないし、画面越しにみんなで千葉の月を見られた

同じ「ふところ餅」を同時に食べて、"同じ「うまい」"を共有できましたし

予行演習としては及第点だったのでは

次は成功させるぞ……!

十五夜に、月を眺めませんか?

今夜は十五夜だから、一緒にお月見しない? ——という誘い文句ほどロマンティックな言葉は、そうそうありません。

仮に月が出ていたとしたら万々歳だし、月が見えずとも、"時間を共有している"という事実が、人々の心を丸くします。そこに、共通の「おいしい」があれば、もっと特別な夜になるのかも……。

令和2年の十五夜10月1日です。9月30日から10月4日頃までは、日没から22時頃の東の空に昇る月を眺めるチャンスがありますよ。

さて、あなたは誰と何を食べながら、一生に一度きりの中秋の名月を愛でましょうか?

関連商品

◎今回購入した商品
◎その他のお団子・お餅
◎ その他の末松園子さんの商品

末松園子さんの商品をもっとみる

文=大城実結・中川葵、編集=中川葵

Magazine

あわせて読みたい