畑のロッカーで、ベーコンとタコの燻製をつくってきたよ。

今日はポケマル編集日のとある休日。相変わらず休みの日も畑に集合するわれわれでした……が、何やら不穏なものが立っているぞ? 

私あれ知っているよ、ロッ……

(♪〜たたたたーん)
\どこでもロッカ〜/


「なんだいポケえもん、どこでもロッカーって? 」

「うふふ、開けてごらん」

そっ開け……


「ワーッ! 肉とタコがぶら下がってる!

これ、巨大燻製機じゃないかァッ!」


というわけで、今回は巨大燻製機ことロッカー燻製機で、自家製ベーコン&タコ燻製をします。

 

目次

 
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ロッカーで燻製する食材の下ごしらえ

ひょんなこと(後述)から、ロッカー燻製機というソリューションに出会った我々。

せっかくロッカー燻製機を貸してもらえるとあらば、腕が鳴らないわけがありません! ということで、事前に2つの食材を仕込んでいきました。


①自家製ベーコン 〜乾塩法で仕込むよ〜

筆者は、最近個人的に熱をあげている自家製ベーコンをつくるため、豚バラブロック肉を仕込んでいきました。

今回は、肉に直接塩をすり込む"乾塩法"と呼ばれる方法を用います。燻製予定日の10日前につくりはじめ、満を持して持参した自慢のベーコンレシピは、こちら【レシピ編】自宅で自家製ベーコンつくったよ にて、詳しく紹介しています。


使用したのは、茨城県・山西牧場さんの豚バラブロック。濃厚ながらあっさりとした脂が自慢だというお肉、とことん味わい尽くしちゃいます。


②まるごとタコ燻製 〜湿塩法で仕込むよ〜

もうひとつの食材は江戸前タコです。


神奈川県の柴崎さんが東京湾で獲ったマダコ。下処理済みながら、いわゆるタコの完璧なフォルムで到着するのが嬉しい!

置物みたいでかわゆい


タコはソミュール液と呼ばれる塩水に漬け込む"湿塩法"で仕込みました。

ソミュール液は塩の分量が10%程度になるように作りました。味付けはお好みでアレンジ可能です。

水300mlに塩30g砂糖15g。その他は適当に、黒こしょう、ローリエ、醤油、みりん、料理酒を使用


仕込みは簡単。燻製予定日の前日の夕方頃、材料を鍋に入れ煮立たせ、冷まします。


ソミュール液が冷めたらタコを浸して冷蔵庫で3時間ほど漬けます。今回は密封袋を使用しましたが、タコ全体が浸っていれば容器は何でもOKです。


3時間経ったらタコの塩抜きをします。流水につけて1時間ほど放置です。


その後、水気を拭き取り、さらに放置してタコをよく乾かします。

今回は、タコにザルをかぶせて一晩冷蔵庫に入れておきました。扇風機で風を送れば、もっと短時間で乾くと思われます。


ロッカー燻製の会場はここ!

燻製当日がやってきました。

JR南武線・谷保駅から10分ほど歩くと、住宅街と幹線道路の隙間に田畑が残ったエリアが広がっています。ここが、冒頭のロッカーがある本日の会場【くにたち はたけんぼ】です。

画像引用:NPO法人くにたち農園の会ホームページより


ここでは貸し農園のほかにも、親子で楽しめる田植え体験や農業体験など、年間を通じて農業のイベントが開催されています。


\はい、どうもいらっしゃ〜い/


まず現れたのは、ヒツジ。

続いて、くにたちはたけんぼ代表の小野淳さん。彼こそが燻製ロッカーを世に布教する男です。

「いえーい」と常にゆるい雰囲気に包まれた小野さん


小野さんはこちらの記事でも登場している方。(関連記事:高橋博之×都市農業=エンタメだ!【東京農村イベントレポ】)

取材当時、屋外で心置きなく燻製できる場所を探していた筆者に、快く燻製ロッカーを使用することを了承してくださったのです。


そんな小野さんが燻製ロッカーを推すわけとは何なのでしょうか?

だって面白いじゃないですか。絵が

うむ、たしかに。……って、軽っ

もちろん機能面もばっちりなんですよ。でも、まずビジュアルが衝撃的で面白いって大切ですよね。おかげでイベントでは大好評です

この発想をどこで得たんですか?

いやいや、僕がはじめたわけじゃないんです。

もともと燻製をロッカーでやられている方がいて、僕が農業系のイベントを企画するときに、「面白いしやってみようか」とはじめたのがキッカケですかね

イベントに来てコレを一発目に見せられたら、そりゃ度肝を抜かれるでしょうねえ

昔、テレビの取材で来てくれた””#$%&’(※大人気アイドルグループ)さんや、&)’%$%%(有名音楽プロデューサー)さんもびっくりしてたよ。わはは


いよいよ燻製当日、食材を縛るよ

さっそく、ロッカー燻製機を使って燻製を……といきたいところですが、もう少し準備が必要です。

我々が持ち寄ったのはこちら。左からタコ・塩漬け処理済み豚バラブロック・チップ各種


畑でハーブを摘む

じゃあちょっと畑でハーブを調達してきましょうか

と、呼ばれて向かうは畑です。なになに、どこからか良い香りがしてくるんだけど……


食材と一緒にハーブ類を燻すと、風味がとても良くなるんだよね。ほら、これがローズマリー、タイム、セージ、オレガノ、こっちがレモングラス

両手いっぱいに抱える香草類。なんて贅沢な

香りもいつもの乾燥ハーブとは違う雰囲気。フレッシュな姿に感動を覚えます。


食材を縛って吊そう

摘んできた生ハーブと一緒に食材を縛っていきます。


はじめに、たこ糸を肉に結びつけます。


一周させたらたこ糸同士をクロスさせ、


紐と肉の隙間に好みのハーブを差し込んで


下まで結べば完成です。


形は違いますが、タコも自由な発想で結んでいきます。


足の対角線上をたこ糸で結び、

タコをたこ糸で吊る日が来るとは思っていなかった


紐とタコの間にハーブを差し込めば……


じゃーん、完成です!


燻製機に吊るし、食材は準備完了です。

筆者は時折ふと冷静になり、「現代芸術か……?」と思うのだった


遂に着火!じっくり燻製開始!

燻製チップに着火する前に、まずは種火となるを温めます。

要らない段ボールをちぎって、まずは炎を高く上げる


十分に炭が温まったら、チップを入れたアルミ皿へ移動させ、煙が立つまで空気を送り込みます。

実はチップはこの量では足りず、後ほどその辺に落ちていた桜の生木を足しました。


よしよし、だいぶ煙が立ってきました。この状態でロッカーを閉めます。

お分かりだろうか、ロッカーからモクモクと煙が吐き出されている。もはや召喚魔法だ


あとはじっくり待つのみ。ノンアルコールビールを片手に、原稿を執筆します。


待ち時間にミニチュアホースを眺めたりもできます。


この日は燃料が少なめだったので、頻繁に火力の様子見をして、適宜空気を送り込みます。

ちなみに小野さんは、園内にある桜の剪定枝をそのまま燃やしているのだとか。なんて潤沢な……!


火の確認と共に、肉とタコの様子も確認します。ハーブが茶色っぽく乾いてくる頃が、燻製完了の目安です。

香ばしい! 良い香り!


これはかなり期待できる出来映えだぞ〜!

そうしているうちに3時間が経ち……意気揚々とロッカーの扉を開けます。果たして……


大空のもと、ごちそうをいただきまーす

まずはご覧ください、こちらロッカー燻製機が生み出した珠玉の数々でございます。

草が生えたタコ燻製

テカテカ美しく光る脂が美しい山西牧場さんの豚バラブロック


それでは、いただきます! 


「香ばしい!」

「ハーブ類もばっちりですね。薫り高い〜」

「ひと手間でタコがこんなに化けるとは……」


ビジュアルはもちろん、燻製機としても大活躍のロッカーには筆者も驚きです。もしもロッカーを置ける庭があったのならば、毎週末は燻製祭りをしているはずです。

とっておきの食材片手に、思いっきり羽を伸ばしたポケマル編集部のとある休日でした。


※「くにたち はたけんぼ」は会員制の貸し農園ですが、イベントの相談などがあればくにたちはたけんぼ公式HPまでご連絡ください、とのことです。


関連出品

◎山西牧場 倉持さんの出品

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◎柴崎さんの出品

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Writer

大城実結/MIYU Oshiro

フリーランスライター・編集者。自転車や地域文化、一次産業、芸術が専門。紙雑誌やWeb媒体問わず執筆中。ポケマルでは農業初心者を生かし、わかりやすく愉快な記事の執筆を目指す。イラストや漫画も発表中。Webサイト:https://miyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro

編集・写真=中川葵

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