30分でできる「究極のカッテージチーズ」の作りかた。おいしさのコツは牛乳選びにあり!

「チーズ」といえば、ピザにたっぷりのとろけるピザチーズや、モチモチのモッツァレラチーズ、パスタに使われるゴルゴンゾーラなど、さまざまな種類がありますよね。なんとなく、家で作るのは難しそうだな、と思っていたのですが、種類によっては自宅でかなり簡単に作れるそうなのです。

そこで今回は、自宅でチーズ作りの入門編として、カッテージチーズを作ってみました。

目次

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究極の牛乳を購入

チーズは牛乳に含まれるタンパク質を凝集(凝乳)させることでできるものです。今回のカッテージチーズづくりで牛乳の他に使う材料は、凝乳のためのレモン汁だけです。

材料がシンプルなぶん、カッテージチーズづくりの成果を左右するのは、牛乳の質。一般的な牛乳でも作ることはできますが、原料の牛乳自体のおいしさが優れている牛乳を選びましょう。

ということで、今回使用したのは「なかほら牧場牛乳」。


岩手県のなかほら牧場・中洞正さんが、「山地酪農(やまちらくのう)」という希少な方法で育てている牛の牛乳です。その特長がこちら。

草食・自然放牧:牛本来の食性と行動を守ることで、母牛は健やかでおいしいミルクを出し、未来の母牛である仔牛は健康に育つ。

ジャージー牛:乳脂肪分が高く、乳も肉も味が良い。

ノンホモ・低温殺菌:乳の風味を損なわずに消費者に提供できる。

自家製造・直送:なかほら牧場自前の設備で殺菌・製造し、全国に直送している。

※ノンホモとは:一般的な牛乳にはホモジナイズという処理が施されています。ホモジナイズとは、牛乳の中に含まれる脂肪分のかたまり(脂肪球)を小さく、均一化するための処理で、これをしないと流通の間に脂肪分が分離してしまうため行われているものです。ホモジナイズ処理をしていない牛乳は「ノンホモジナイズド牛乳(ノンホモ牛乳)と呼ばれ、牛乳本来のコクや風味を強く感じることができます。

※低温殺菌とは:63〜65℃で30分間加熱する殺菌方法。現在の主流である超高温瞬間殺菌と比べて日持ちはしませんが、タンパク質の変性がおきない温度であり、加熱臭と呼ばれる臭みも生じません。


そして、2月のとある日、究極の牛乳が我が家にやってきました。

瓶にはひとつひとつに緩衝材が巻かれています。丁寧に作業する生産者さんの姿が想像できます。


牛乳単品だけでなく「ぷりん付き」も販売していたため、迷わずそちらを購入。やっぱり女子たるもの、甘いものに目がないのです。


牛乳は720ml入り。


フタを開けると、瓶の口のところに脂肪分が凝固したのか、少しクリームっぽいものがあります。これもノンホモならでは。


まずは牛乳を味見してみました。


普段飲んでいる牛乳よりまろやかです!

ほんのりとした甘みが口の中にふわっと広がり、あっという間に飲み干してしまいました。


そして、この子……


「なかほら牧場ぷりん」も、いただいてみましょう。


ものすごく濃厚です。

舌の上ですぐにとろけてしまい、こちらもあっという間に平らげてしまいました。


ドキドキのカッテージチーズづくり、結末は?

腹ごしらえが終わったところで、カッテージチーズづくりのスタートです!

材料は牛乳とレモン汁のみ。レモン汁にはたんぱく質を固める役割があります。米酢やリンゴ酢でも大丈夫だそうです。


①牛乳を温める

今回は「中洞牧場牛乳」1瓶720mlのうち、試飲分を除いた600mlを使用します。

計量した牛乳を鍋に入れ火にかけます。


ここで登場するのが、料理用の温度計です。


温度計を鍋に入れて、火を入れます。


45〜50℃になったら火を止めます。


②レモン汁を入れる

火を止めたら、レモン汁大さじ3を全体に回し入れるようにして加えます。


全体を十字に切るように混ぜます。


③蓋をして7~8分ほど置く

たんぱく質が無事に固まってくれることを祈りつつ蓋をして、7~8分ほど置きます。


無事にできているかドキドキしながら蓋を開けると、ちゃんと固まっていました!


拡大してみると、もう少し分かるでしょうか。


③水分と固形分を分ける

ボウルにガーゼを二重にしてのせ、鍋の中身をこちらに移し替えます。


ザバーッ! 移し替えた! なんか、中華料理店の卵スープみたいだな。


ボウルに移し替えた方が、たんぱく質が固まっている様子がよく分かります。


中身がこぼれないように注意しながら、ガーゼの口を絞ります。


タッパーに移し、自然に水分が切れるのを待ちます。


ボウルに残ったのは乳清。「ホエー」とも呼ばれています。ほぇー。


ホエーはミックスケーキなどに使う人もいるようですが、そのまま飲んでも、もちろん問題ありません。私は作業の合間に飲んでいました。


④完成

水切りが済んだようですので、ガーゼを広げてみましょう。


カッテージチーズができています!


味見してみましょう。


酸味があって、さわやかな味わいです。これは、おいしいぞ!


自家製カッテージチーズで常備菜を作ってみた

せっかくなので常備菜づくりに使ってみました。


*ほうれん草のお浸し カッテージチーズ和え

定番のほうれん草のお浸しに和えてみました。口あたりが少しなめらかになり、いつものお浸しよりも食べやすかったです。


*オクラのお浸し カッテージチーズ和え

茹でたオクラにも和えてみました。ネバネバ食材とカッテージチーズは意外に合うと分かりました。


*アボカドと生ハムのサラダ カッテージチーズ仕立て

こちらは、アボカドと生ハムにカッテージチーズを和えたもの。カッテージチーズがアボカドのまろやかさを引き立てて、相性ばっちり! ワインに合いそうです。


* * *


今回は600mlの牛乳から150g程度のカッテージチーズが作れました。

予想以上に簡単に作れて驚きました。チーズづくりはもっと手間がかかるものだと思い込んでいました。今回の作り方を応用すると、モッツァレラチーズも作れるのだそうです。

何より、なかほら牧場の「究極の牛乳」で作ったカッテージチーズは絶品の一言。今回のチャレンジ、大成功だったのではないでしょうか!次はモッツァレラチーズづくりにも挑戦してみたいです。


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宅野美穂

東京都生まれ。宣伝会議 編集・ライター養成講座32期受講。都内を中心にライターとして活動中。主な執筆ジャンルはグルメ、インテリアなど。趣味は読書と音楽鑑賞。ポルノグラフィティと推理小説があれば生きていける30代。飲食関連の仕事に関わったことがきっかけで興味がわき、今は料理や食材について勉強中。公式ブログ:「読書が趣味でもいいじゃない」


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