岩手県下閉伊郡岩泉町
牧原 亨 | なかほら牧場
牛乳 ヨーグルト バター プリン アイス
なかほら牧場の中洞正です。岩手県岩泉町の中山間に牧場を開いて30年。
通年昼夜の自然放牧で牛を飼っています。“牛舎のない広々とした牧場”が自慢です。
◆牛飼いになったわけ◆
4~5頭の乳牛を飼う宮古の家に生まれ、子供の頃から牛飼いになろうと思っていました。
東京農大在校中にドキュメンタリー映画『山地酪農に挑む』に出合って35度を超える斜面を悠々と歩きまわる牛の姿や野芝に覆われた山の映像に衝撃を受け、故郷岩手での営農をめざして、映画を監修した東北大植物社会生態学・猶原(なおはら)博士の教え請いながら山地酪農をめざすようになりました。
◆自由に生きる牛のミルクをそのまま◆
農業のたいせつな目的は、人びとに健康な食材を提供すること。なかほら牧場では、畜産動物を健やかに育てるため、ひいてはその乳や肉を口にする人間の健康をまもるため、草食と自然放牧によって牛の食性と本来行動の維持に努めています。
牛は牛舎で輸入トウモロコシ主体の配合飼料を食べるのではなく、太陽と月と雨だけで育つ野シバ・野草・木の葉を食(は)み、通年・昼夜を山(約130 ha)で自由にすごします(搾乳小屋はありますが、いわゆる牛舎はありません)。草食である牛の飼料は粗飼料(植物)、繁殖は『自然交配・自然分娩・生後2ヵ月程度の母乳哺育』です。
製品の特徴は、牛の飼養管理から製造・仕上げに至るまで農薬・化学肥料・化学的添加物を使っていない点です。牛乳はもちろんのこと、アイスクリーム・ヨーグルトなどの乳製品もすべて化学成分を使わずに仕上げているため、安心の食・本来の食を求める方々に買っていただいています。
◆山地酪農のすゝめ◆
用地の問題もありますので日本の酪農がすべて山地酪農になるというのも難しいと思いますが、化学肥料を使うことの多い外来牧草に頼らずできる山地酪農が少しでも広まればいいなと思っています。
山地酪農では、採食・排泄・運動・休息・繁殖がすべて牛たちの思うまま。排泄物は広い山野に点々と存在し風化によって土に戻るだけですから、河川の糞害汚染も発生しません(糞尿処理施設も不要)。農薬・化学肥料は使わないため、土・川・海の汚染にもつながりません。
また日本では、管理放棄の針葉樹林が増えて山の集中豪雨耐性が落ちてしまいましたが、山地酪農や林間放牧によって適切に管理された斜面は、野シバと広葉樹の根に覆われ、ちょっとやそっとの雨では崩れません。2016年8月30日に岩泉を襲った豪雨でも、牧場の土砂被害や土壌流出はほとんどありませんでした。このように、草食動物である牛の食性維持は、結果的に水害につよい山をつくることに繋がります。山地酪農や林間放牧の普及を図ることで、林業地の活用の途を拡げ(育成中の林業地に放牧をしている当牧場の“混牧林”で実践中)、山林の回復・保全にも貢献します。
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