【つながるポケ○(マル)日記】苦戦を強いられた今季、注文してくれたユーザーさんに提案された、3つの選択肢。 ー海苔漁師・藤川さんー

※こちらではポケットマルシェ公式noteにて2022年11月に公開した記事を再掲載しています。



平年よりも高い気温が続いた今年の秋を経て、東京ではようやく寒さを感じるようになってきました。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

ポケマルでも、冬の訪れを感じる生産物が続々と出ていますが、今のこの時期、実は海苔の旬でもあります。

中でも、有明海に面する佐賀県で藤川直樹さんが作る佐賀海苔は、口溶けが最高の絶品!

全て漁協に出荷しているけれど、特別に「我が家の焼き海苔をお裾分け」という名目で出品していただいている、ポケマルの大人気商品です。


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藤川さんは18歳から海苔養殖業を始めて37年目とのこと!
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佐賀海苔の一番摘みの絶品焼き海苔


過去の藤川さん紹介記事はこちら↓

「海苔師に生まれて良かった」佐賀海苔ブランドは今日もこうして守られている | 農家漁師から産地直送の通販 ポケットマルシェ2019年3月27日、ポケマルで販売されていたとある出品がひっそりと販売終了となりました。その商品は、ポケマルではそんなにpoke-m.com


毎年、10月下旬頃に種付けを行ってから、11月に収穫される秋海苔。
12月中旬から始まる発送に先立って、注文ページが立ち上がりました。


「暑い秋が続き、夏日の中の支柱建てから種付け前の準備中も暑いまま! 10月になっても水温はなかなか下がらず『このまま本当に種付けできる日が来るのか?』と思う毎日でした。

もちろん今年採れた海苔の中から一番美味しいと思う海苔を厳選して食べよるけん、味は保証付きばい!

毎年のようにお待ちのお客様、まだ食べた事ないけどちょっと気になっておられるお客様、 出品しました!」

商品ページより

今年もこの季節がきたか!チャンスを逃すまい!と、多くのユーザーさんから注文が続々と入ります。


しかし、状況は一転。11月末、皆さんに届いた藤川さんからの連絡には、このような内容が綴られていました。

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藤川さんから購入者の方に向けて送られたメッセージ
佐賀海苔は季節相応の冷え込みと山・川から流れてくる栄養分のもと美味しく柔らかい海苔になる。
今年は種付けまで順調に冷え込んでいい海況で養殖ができそうだったが、その後の晴天続きと11月らしからぬ高気温のため水温が下がらなかった。
また有明海の栄養塩が非常に少なく、海苔の成長途中で栄養失調になってしまった。寒波を待っていたが、自然には勝てなかった。
例年のような柔らかく口溶けの良い海苔が採れていない。
ご注文いただいているお客様に今年の秋海苔を提供するのには正直物足りなさを感じている。


と、非常に丁寧な状況説明。そして藤川さんからの3つの提案が提示されます。

①今年の季節・自然のママに育てられた秋海苔をそのままご購入いただいてもらう
②一旦キャンセルしていただいて年明けてからの冬海苔に変更する
③キャンセルする

このメッセージを受けたユーザーの方々からはどのような答えが返ってきたのでしょうか?

ドキドキして待っていた藤川さんのもとには、たった半日経った頃には、既に多くの返信が返ってきていました。


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「ご丁寧に今年の状況をお知らせ頂きありがとうございます。
冬に良い海苔が出来上がるようでしたら、そちらは別途注文させて頂きたいと思います。」


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「九州出身で有明は近くではありませんが、幼い頃から馴染みのある場所。今年の味を楽しめればそれで結構です。楽しみにしております。」


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「この前外食したときに、今年の海苔は苦戦しているという会話が耳に入ってきて、心配していました。やはり苦労されていたんですね。」


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「気候変動と関係があるのでしょうか、とても残念ですね。
そして、藤川さんの海苔への厳しいこだわりを改めて確認でき、益々、安心して手に入れたいと思いました。」

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「自然相手、その年の出来ってことでワイン等も同じ、正直さが佐賀の海苔が美味しく永く愛されてる理由なんですね。
今後もこだわりの商品が出来ましたら購入させていただきますので楽しみにしております。」


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「こういう気候だと海苔がどうなるのか、それを知ってみたい気持ちもありますし、それらも全部含めて『今年の海苔』だと理解しているところもあります。

・・・

『今年もいい出来!』って藤川さんが胸を張れる時に『美味しい!』っていっていただくだけではない、そういう経験もわたしにとっては興味深く、とても意味のあることです。

必ずうまくいくこと、決まって絶対に思ったようにできるもの、そういうものを知りたくてポケマル生活をしているわけではないなぁ、と改めて、そんなふうに思うので。」


他にも、

「どんな違いがあるか気になるので、秋海苔を買ってみます!」

「心苦しいですが、藤川さんの納得いく海苔が冬にできるかもしれないことに期待と応援を添えて、②の一旦キャンセルします。」

とさまざまな声があったようです。

また、藤川さんの丁寧な説明に感謝し、遠く離れた生産現場を想うメッセージも多く見られます。

全国各地の一次産業の現場が、それぞれ異なる影響を受けていること。
環境の変化に対して、大事に育ててきた食べものを私たちの食卓まで届けられるよう、生産者さんが日々懸命に対応していること。

こういった点を理解し、想いを馳せることができるのは、生産者さんとの継続的な関係性あってこその所産なのかもしれません。


藤川さんご本人は、これを受けて、以下のようにおっしゃっていました。


発足時からポケマルに出品してきて、今回初めてこういう対応をとって見ました。
励ましの言葉や温かい言葉をもらって、お客様、特にリピーター様との関係性がより深まったように思いました。



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今回は、藤川さんと、藤川さんが作る焼き海苔のお裾分けを心待ちにするユーザーさんとの双方向のやり取りから、なんとも”ポケマルらしい”関係性を紹介しました。

藤川さんの冬海苔出品は、12月中旬を予定されているとのこと。
冬のお供にぜひご検討されてはいかがでしょうか。


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海苔養殖の様子



 

Producer

 


藤川直樹 海苔養殖|佐賀県佐賀市

   

佐賀県の佐賀市川副町で海苔の養殖をしてます。
佐賀有明漁協・南川副支所に所属する藤川直樹です。
18歳から海苔養殖業を始めて37年目となります。
平成11年、個人経営から4世帯による共同事業(昇海水産)に切り替え現在に至ります。

   

「海苔師に生まれて良かった」佐賀海苔ブランドは今日もこうして守られている 
   

 

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