アローカナも烏骨鶏も!4色の卵セットを買ってみた

卵といえば、白か薄茶色の殻、割れば中から黄身と白身。

私たちが持つ卵のイメージなど、そのくらいのものでしょう。

しかし私たちポケマル編集部は、そんな卵の固定観念を覆す卵セットと出会ってしまいました。

その名も「にじたま」

4種類の卵を食べ比べできる商品で、中には謎の水色の卵も入っているみたいです。

想像すればするほど謎が深まる卵のセット。私たちは意を決して実物を購入し、観察することにしたのでした。

目次

ここに目次が表示されます。

これが「にじたま」か…!

ある春の日に、福島県田村市にある移(うつし)地区で、鶏やめん羊、ポニー、ウサギ等を育てる吉田睦美さんから届いた小包。

中には手書きのお手紙が入っており、とても優しい気持ちになりました。

購入したのは10個×2パック入りの商品。輸送中に割れてしまわないか心配でしたが、緩衝材でしっかりと梱包された状態で無事到着しました。

パックを開けるなり可愛い卵たちの登場です。

白、赤茶色、肌色、そして水色。眺めているだけで幸せな気分になるような色味ですね。

4種類の卵を観察してみよう

卵の色は産みの親の種類によって変わるとのこと。事前情報によると、にじたまに入っているのはこの4種の鶏の卵とのことです。

①白色:白色レグホン

②肌色:烏骨鶏

③水色:アローカナ

④赤茶色:会津地鶏


 外見 

それでは、4種の卵を観察していきましょう。まずは殻の色と形を比べてみます。

①白色レグホン

「白色レグホン」の卵は真っ白。いつも見かける卵と同じように見えますね。

②烏骨鶏

「烏骨鶏」の卵は綺麗な肌色をしています。白色レグホンよりもふた回りほど小さめです。

③アローカナ

お次は「アローカナ」。並べてみると一目瞭然、はっきりとした水色です。白色レグホンよりも一回りほど小さいようです。

④会津地鶏

会津地鶏の卵は赤茶色で、焦い茶色の小さな斑点模様が付いています。白色レグホンと同じくらいか、少し大きいようにみえます。


 割ってみた様子 

お次に割って中身を比べてみます。特に想像つかないのが水色の殻をしたアローカナですが、一体どのような結果になるのでしょう?

まずは白色レグホンから。

黄身がぷくっと盛りあがっていて美しいですね。

次に、今回の中では最も小ぶりな烏骨鶏。

白色レグホンと比べて黄身のサイズが小さめでしょうか。白身の量も控えめに感じます。

そしてお待ちかねのアローカナ。

黄身が青い……なんてことはなく、見た目は至って普通の白身と黄身です。

最後に会津地鶏。

写真ではわかりにくいですが、会津地鶏は白身の水分量が多く、黄身の色が少し濃いように見えます。

※一般的に、黄身の色味は鶏が食べている餌に含まれる成分に左右されるといいます。今回は同じ場所で育つ鶏の卵の比較なので、個体差はあれど餌は大きくは変わらないと思われます。もしかして、会津地鶏の食餌行動にこの差のヒントがあるのでは……(妄想)

最後にもう一度、4種類を比べてみましょう。

上から見比べる

あくまでも今回届いた卵での比較ですが、黄身のサイズは烏骨鶏が他より一回り小さいようでした。会津地鶏は4種の卵の中で最も白身が大きく広がっていますね。

横から見比べる

横から見ると、どの卵も黄身と白身がぷっくりとしていて、見るからに新鮮そうです。


 味わい 

お待ちかねのお味見です。

卵の味をダイレクトに感じるには、シンプルに生卵をいただくのが一番! ということで、卵かけご飯にしてみましょう。

卵かけご飯といえばお醤油……ですが、最近はオリーブオイル+塩+黒こしょうをかけていただくのがマイブーム。

卵の黄身のコクや白身の甘みを感じるには、醤油だと少し味が濃すぎると思いまして。

まずはご飯の中心にくぼみを作り、綺麗に黄身を落とし込んだあと、

岩塩→黒こしょう→エキストラバージンオリーブオイルの順にかけて……

準備完了です。

あとは頂くだけですが、卵かけご飯の食べ方にも、最初に黄身と白身を混ぜきってしまう派や、黄身をつつく程度であまり混ぜない派などさまざまな流派がありますよね。

今回は半混ぜでいただきます。

はぁ、至福……♡

ある程度白身の塊を残しながら、徐々に崩していきます。こうすることで黄身のコクや、白身の甘みも逃さず味わうことができる……と思うのです。


にじたまの謎、解明!

というわけで、4種類の卵が入った「にじたま」セットの謎がここに解明されました。観察結果に加えて、生産者の吉田さんから以前教えていただいた卵の特徴も挙げておきます。

吉田さんの解説引用元:卵の旬はいつ?品種による味の違いは? 養鶏家さんに教えてもらいました

にじたまはこんなセットだ

①白色レグホン

  • 殻の色:白
  • :さっぱり系
  • 吉田さんの解説:最もオーソドックスな品種。価格も手頃でどんな料理にも使いやすい。

②烏骨鶏

  • 殻の色:肌色
  • :栄養満点なちょっと不思議な味わい
  • 吉田さんの解説:鶏の体が小柄で卵も小ぶり。少しクセのある独特の味わいがある。産卵数が白色レグホンと比べて6割程度と少ないため、卵の中でも高級品。

③アローカナ

  • 殻の色:水色
  • :まろやか甘め系
  • 吉田さんの解説:アローカナはチリ原産の鶏。アローカナを扱う業者は少ないため、知る人ぞ知るマニアックな品種と言われている。甘みが強いのが特徴。

④会津地鶏

  • 殻の色:赤茶色
  • :こってり濃厚系
  • 吉田さんの解説:福島県会津地方のブランド鶏。他の鶏と比べると体が大きく、餌の量は白色レグホンの約2倍。鶏肉として出荷されるケースが多く、卵は珍しい。黄身が濃厚なので、卵をたっぷり使用する料理に合う。

普段は滅多にできない卵の食べ比べ。実際に観察してみると、同じ卵とはいえ色・形・味に違いが出るとは、とても興味深いものでした。


大量の卵を収納する方法

「たくさんの卵が集まって幸せ」と多幸感に浸っていたのも束の間、相反するように目の前の光景は卵だらけのシュールな絵となっていました。

吉田さんから卵20個を送っていただいた1週間後に、千葉県成田市の住田さんから届いた野菜セットの中にも卵が入っていたため、春の卵祭りです。

野菜セットが届くと冷蔵庫内は野菜で溢れかえってしまうため、卵3パックを冷蔵庫に収納するのはちょっと厳しい……。

しかし、そんな時でも慌てずどーんと構えましょう。

卵をコンパクトに収納する

こんなこともあろうかと、卵の保管にピッタリのアイテムを持っているのです。

\じゃーん/

こちらは100円ショップの整理整頓用品コーナーで売っていたプラスチックケース。2つの間仕切り(可動)が付いているところがポイントです。

紙パックからこの容器に卵を移すことで、収納スペースを小さくしてしまおうというわけです。

曖昧さが気になる性格なので、卵のとんがっている方を下にして、大きさのバランスを考えながら並べていきます。

容器を斜めにして、卵が転がらないよう丁寧に。色とりどりで楽しくなってしまいますね。

ちなみに、卵を保存するときは「とんがった方を下にしなくてはいけない」という話を聞いたことがあるかもしれません。

「卵はカーブの緩やかな方を上にした状態で輸送されるため、その状態を保つことが鮮度保持のために必要だ」という説や、「卵の中の気室と呼ばれるガスだまりがカーブの緩やかな方にあるので、上下を逆にすると中身の劣化が早くなる」という説などがありますが、日本養鶏協会さんのホームページには「実は保存する向きは鮮度と関係ない」というお話が掲載されていましたよ。

参考:日本養鶏協会のホームページ>たまごQ&A 


詰め替えるときに忘れがちなのが、保存期限のこと。

それぞれのパッケージに貼ってあった賞味期限のシールをケースから剥がし、それぞれの卵のもとへ入れておけば良いでしょう。

1段目には15個入りました。入りきらなかった卵をこの上に重ねてもOK.

卵の保存場所は?

卵は保存する温度によって、生で食べられる日数が変わります。常温で届いたものなら、涼しい季節は常温で保管してもNGではありませんが、長く保存したいならやはり冷蔵庫がおすすめです。

ちなみに、冷蔵せずに届いた有精卵は、孵卵器などで温めておくと雛が孵ることもあるそうです……。夏場は絶対に冷蔵庫に入れましょう。


冷蔵庫内の保管場所も重要です。冷蔵庫の扉部分に収納されている方も多いと思いますが、実は卵にとってベストな場所とはいえません。

卵を保管するときに大切になるのが、この3点。

  1. 4〜10℃の温度変化が少ない場所
  2. 衝撃を与えないこと
  3. 乾燥し過ぎない

卵は殻越しに呼吸をしているため、殻に水滴が付く「結露」が大敵です。冷蔵庫の扉は温度変化が激しい上に、衝撃も加わりやすいため避けた方が無難なのです。

また冷蔵庫の冷気の吹き出し口付近は冷えすぎて卵が凍ってしまうこともあるため、要注意です。

場所を選べるほど広い冷蔵庫では無い場合は、写真のように容器を紙などでくるんでおくと、何もしないよりは良いでしょう。

紙で巻いたのは、冷気が直接卵にあたるのを防ぎつつ、なるべく乾燥を防ぎたいというお気持ちからです。ご家庭の冷蔵庫の構造を確認した上で、卵にとってのベストポジションを探してあげてくださいね。


*   *   *


日常生活に欠かせない卵という食品。何気なく口にしてしまいがちですが、にじたまのおかげで改めて奥深さと面白さ、そしておいしさを感じることができました。

その日の気分や料理に合わせてどの卵にするかを選ぶのも素敵ですね。

ポケマル編集部ではこれからも興味深い食材を観察していきます。

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文=大城実結、編集・写真=中川葵

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