ライターのわたなべです。実は数年前、ぬか床をダメにしたことがあります。3年ほどかけて育ててきたのに、忙しさにかまけて、気を抜いた途端にぬか床はズブズブのドボドボの見るも無残な姿に。
それ以来手を出せずにいたのですが、そろそろぬか床もいいなあと思い始めたところに、石川県の西田栄喜さんによる「ぬか漬けセット」の出品が…! わたしの心の声が聞こえたのでしょうか(笑)。
お野菜のリアルタイム出品一覧をチェック!
ぬか床初心者にやさしいセット
こちらがその出品。西田さんが大切に育ててきた15年モノの「ぬか床のタネ」も同梱されています。
左は記事制作当時、右が最新の出品
購入すると程なくして石川県の西田さんよりセット到着。もちろん詳しい作り方つきです。※セットの内容は記事制作当時2017年9月のものです。現在の内容とは異なる場合があります。


段ボールを開くとき、ふわっといい香りがしました。なんだろう??

ミントを摘んだものでした。手描きの『風来の畑MAP』も可愛い!ちょっと葉っぱを拝借してフレッシュミントティーにしてみました。

このあと、ミントにはしっかり水が上がりすくすくと育っています。
中身を取り出して、驚いたのは水までセットされていること!

しかも、「名水100選」にも選ばれた観音水に、計量した自然塩がすでに入っているって、親切すぎませんか?
ぬか、水、ぬか床の種、そこに漬け込むナス。これほど完璧な、ぬか床スターターセットはありません。

キュウリとナスのぬか漬けが2パック。こちらは、すぐに食べられます。

ぬか床作りのコツは?
添付の作り方も読んで、いよいよ、ぬか床作りに取りかかります…といきたいところですが、一度ぬか床をダメにした初心者以下のわたしには、やはり、不安。そこで、風来さんにいくつか質問をしてみました。
わたなべ:ぬかを空炒りする時、焦がさないようにとのことですが、火はどのくらいが(とろ火とか中火とか)いいですか?

熱を通して殺菌するのが目的ですので中火ぐらいでさっとで大丈夫です。

わたなべ:ぬか床を作ってすぐに野菜を入れてよいこととなっています。よくあるぬか床の作り方だと、1週間くらい発酵させる、野菜くずを漬けるなどあります。どうして、すぐに漬けこむことができるのですか?

風来のぬか床の場合はぬか床の種の乳酸菌が元気なので、養生や捨て漬けの必要なく漬けることができます。

わたなべ:塩もみしたあとは水洗いしたほうがよいですか?

水洗いしないでください。

わたなべ:ぬか床というと、台所の流しの下に甕が入っていて…みたいなイメージがありますが、なぜ保存は冷蔵庫の方がよいのでしょうか。
今の日本の住宅は以前と比べ機密性が高いので、湿度が高くなりすぎてしまうこともあります。また風のとおる冷暗所も少なくなり、夏の気温も以前と比べ高すぎるというのがあります。
冷蔵庫ですと乳酸菌もゆっくり発酵するので腐敗方向に進みづらく長持ちします。

なるほど。これだけ教えていただけたら、心強い!
タネから育てるぬか床のつくりかた
では、取りかかります。
中火で空炒りします。空入りとは他に何も入れないで、ぬかだけに火を通すことです。

お?結構熱くなってきた。

沸騰させた観音水を加え、ぬか床の種を投入。

こねるこねる…これ楽しいです。

ぬか床完成。「唐辛子、昆布などを加えるとよりおいしくなります」とあったので、入れてみました。よりおいしい方向にいきたい所存です。

切り目を入れたナスを塩もみ。塩を洗い流してはいけません。

ナスを漬け込みます。おいしくできますように。

空気を抜いて、冷蔵庫へ。

プロと再挑戦者の食べ比べ
「ひと晩で食べられます」とのことでしたが、ふた晩寝かせたものを取り出します。ドキドキ。
左が西田さんから送られてきたぬか漬け。右が我が家のぬか漬け。

西田さんのキュウリとナスと

我が家のナス第一号。

西田さんのぬか漬けは酸味のバランスもよく、上品な味。
再挑戦した我が家のナスは塩もみの塩の量が少し多かったのか、塩分強めでしたが、ちゃんとぬか漬けの味わい。自分で漬けると一層おいしく感じるのはなぜでしょう。
まあ、西田さんのぬか床の子どもなので、当たり前なのですが(笑)
これからは、大事に育てます。
ぬか床は水分に弱い!
さらにおいしくぬか床とお付合いしていくためのアドバイスを西田さんにいただきました。
わたなべ:漬けこむ野菜はどんなものがおすすめですか?逆に、これはやめておいたほうがよいというものはありますか?

野菜ならどんなものでも漬けることができます。セロリやにんにく、またミニトマトなどもおいしいですよ。
夏場はなんといってもきゅうり、冬は蕪(かぶ)がお薦めです。
水分が多すぎるとぬか床が腐敗方向にすすみますのでミニトマトなど漬ける時は丸ごと漬けてください。

わたなべ:もし、ぬか床の様子がおかしくなった場合、まず何をしたらよいですか?

水分が多いと発酵から腐敗に向かうので米ぬかを足してください。
最初のレシピは米ぬか500gに対して、水500ml+塩60gですが、追加するとき、またはぬか床の水分が多いと感じたら、米ぬか500gに対して 水を400mlから450mlにおさえてください(塩の量は変わりません)

にんにくは思ってもみませんでした。そして、ポイントは水分なのですね。マメにようすを見て、おいしいぬか床ライフを続けていきたいと思います。
関連出品
西田栄喜さんの出品をもっとみる
漬ける用の野菜はこちらからチェック!
1968年、北海道生まれ。設計デザイン、商品開発などに携わったのち、宣伝会議 編集・ライター養成講座 上級コース 米光クラス第7期受講。修了後ライターとして活動。現在、札幌国際芸術祭2017【大風呂敷プロジェクト】に運営サポートとして参加中。