「新茶フィーバー」なのでお茶農家さんのオススメ茶を聞いてみた

1年で1番、お茶が脚光を浴びる季節がやってきました!

新茶のシーズンに突入し、「今年も無事にできあがった」とお祝いムードの生産地もあるようです。5月2日は「夏〜も近づ〜く♪」でお馴染みの八十八夜。まさに今が新茶の最需要期なんです。

日本人が1年中お世話になっているお茶。
なぜ、「今が1番」といわれているんでしょう?


「新茶ってどんなお茶?」

お茶は、年に4回収穫することができます。「新茶」とは、その年の最初に出てきた新芽を摘んでつくったのお茶のことです。一番最初に収穫するので「一番茶」とも呼ばれています。二番茶や三番茶に比べて苦味成分が少なく、旨味や甘味の成分が多い傾向にあり、味も香りも最高品質といわれます。


ー「八十八夜」と「お茶」の関係は?

立春(2月4日)から数えて88日目の日。新茶を摘みを始めるのに最もふさわしい時期とされています。この日に摘み採られたお茶を飲むと、無病息災で健康に過ごせると言い伝えられています。


古くから日本人にとって身近な存在である「お茶」ですが、「もっと奥深い世界があるのでは?」と考えたポケマルスタッフが、2人のお茶農家さんにお茶の魅力をたっぷりお聞きしてきました。


ソボクな疑問「かぶせ茶」って何をかぶせるの?

今回お話をお聞きしたのはこちらの2組です!


◆白井茶園愛知県内トップの煎茶生産量を誇る新城市で、親子3代にわたって経営している白井茶園さん。昨年、県の茶園品評会で1位を獲得しました。

「最後の仕上げ」に強いこだわりあり!できるだけ熟成させて旨味を最大限に引き出すために、注文を受けてから最後の仕上げを行うことを徹底しています。(今回のインタビューでは、写真のご夫婦の後継ぎ娘、3代目の山田(旧姓:白井)佑依さんにお話を伺いました。)


◆いしかわ製茶◆

トヨタ自動車のお膝元で、都市化の波に守れながら祖父の代から茶園を受け継いでいる石川龍樹さん。40年近く農薬不使用を貫いており、抹茶の原料農家として国内初の有機JAS認証を取得。親子3代にわたって農林水産大臣賞の受賞歴も。有機栽培の煎茶や抹茶のほかに、食べるお茶や抹茶グリーンティーなど、ユニークなオリジナル商品も数多く手がています。


この2人の生産者さんの共通点は、どちらもこだわりの「かぶせ茶」を栽培・販売していること。普通のお茶とは味は一変するそうですが・・・またもや素朴なギモンが。

「かぶせ茶」って、何をかぶせるんだろう?

その答えがこちらです! 

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かぶせるのは、遮光ネット。昔は藁(わら)をかぶせていたそうです。
こうして日光を遮断して育てた煎茶のことを「かぶせ茶」といいます。


太陽の光をあてずに新芽を育てると、茶葉の緑色が濃く・鮮やかになり、苦味が少なく、旨味が増すんです。「ダシみたいな味」が出るとも言われます。


しかし、ネットを「かぶせちゃえば万事OK!」というわけではないようで…


それぞれの茶園の気温風向きなどから、最適なタイミングを慎重に見極めています。少しのズレが味を大きく左右します。これは長年のノウハウ・勘がモノを言います。


なるほど!まさにお茶農家の熟練の技が詰まっているのが、「かぶせ茶」なんですね!


それぞれの「渾身のこだわり茶」!

今回インタビューしたお2人から、それぞれの自慢の一品を教えていただきました♪

渾身のお茶エピソードその1
消えかけた最高級品質「抹茶」がイギリスとの直接取引で大復活!

いしかわ製茶さんは、3つの抹茶を販売しています。
その中の最高級品が…こちら。

実はこの抹茶、栽培を断念しかけた時期があったそうなんです。

この抹茶は「関節被覆」という栽培方法で作ります。普通はかぶせ茶と同様に茶葉に直接遮光ネットをかけるのですが、それだとネットが新芽に触れてしまい、芽が傷んでしまいます。なのでポールを立てて、その上からネットを広げることで芽が痛むのを防ぎ、さらにその空間を利用して遮光率を高めています。風味や香りも格段に変わります。

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(左が関節被覆のお茶。茶葉の色にも注目です。)


ーー通常より手間がかかるのでは?

その通りです。ポールは風に煽られても抜けないように、地面にしっかり刺します。ネットも高く伸びたポールの上に広げるので、重労働ですね。翌日は必ず、筋肉痛になります…。

でも、日本ではテレビCMなどで華やかに紹介される低価格な商品に需要が集中しがちです。手間暇かけて育てた高品質のお茶が評価されない時期が続き、栽培をあきらめようと思いました。


ーー思いとどまったのは、なぜですか?

ブログを書き始めたところ、ロンドンのお茶専門店が興味をもってくれて、直接取引が始まったからです。世界に目を向ければ、手間暇かけた高級品の価値を分かっていただけるお客様がいることを知りました。

現在では当園の最高級抹茶と最高級煎茶(かぶせ茶)を、ロンドンのお店で販売しています。とくにかぶせ茶はロンドンにほぼ全量出荷しており、生産量の確保に追われています。

渾身のお茶エピソードその2
「ほうじ茶は品質が悪い」を覆す「うまい茶葉で作ったほうじ茶」

お茶の味と品質にとことんこだわる白井さんからは、衝撃の「お茶業界の常識」をお聞きしました。

ほうじ茶は一般的に「あまりおいしくない茶葉」を使っています。例えば前年のお茶を使ったりします。仕上げの際に葉と分かれる茎の部分を、そのまま飲むと青臭くてあまりおいしくないので、それを焙煎して、強めに香ばしい香りをつけて飲みやすくしているんです。

ーー白井茶園の茶葉はそれとは違うんですか?

新鮮な茶葉を使っているので、甘みが強く葉っぱ自体に力があります。二杯目・三杯目でも十分おいしく味わえます。一度買っていただいた人は、大抵リピーターになってくれますね。


【初心者にオススメ】絶対に失敗しないイチオシ商品は?

水や牛乳に溶かすだけ!子どもにも大人気の甘い抹茶グリーンティー

抹茶と砂糖を混ぜて飲みやすくしたグリーンティーがあります。牛乳と混ぜて抹茶オレにしたり、かき氷にかけたり。ホットとアイスのどちらでもいけます!

ーー歴史あるいしかわ製茶が、親しみやすい商品を出すことには理由があるんでしょうか?

お茶は手間がかかるとか、おいしく出せそうにないからといった理由で、入口でつまづく人も多いと思います。グリーンティーは水や牛乳にお好みの量を溶かすだけなので、手軽に味わえます。子ども向けグリーンティー作りの体験教室も開催しており、人気なんですよ。

”摘みたてほやほや”の極上新茶「さえみどり」

4月30日に摘み取ったばかりの新茶「さえみどり」を出品しました。今年の新茶は、特別においしいです。

ーー初心者でもおいしく飲める方法はありますか?

絶対失敗しないお茶の淹れ方」があります。急須に茶葉を大さじ1(10g)入れ、氷水を100ml注いでください。あとは5分待てば完成です。最後の1滴まで残さず注ぐのがポイントです。あとは、品質のいいお茶で試すのがおすすめです。

年に1度の新茶の季節。この時期にしか楽しめない味や香りを触れて、日本茶の奥深さを感じてみてください!

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