瀬戸内海のマッチョな生マダコを捌いてお刺身にしたよ

生まれも育ちも北海道のライターわたなべです。

「夏と言えば!」という食べものって、人それぞれありますよね。「ウナギ!」であったり、「スイカ!」であったり、「かき氷!」であったり、「ビール!」であったり……ん? 違う? (笑)。

わたなべはどちらかと言えば「ビール!」派ですが、もう1つ、気になるのが「タコ」。

夏は瀬戸内海のマダコが旬なのです。


今回は、こちらの瀬戸内海育ちのマダコを生のままで購入し、自分で捌いてみたいと思います。

 

目次

 
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マダコ、生のまま刺身にしても大丈夫なのか問題

いよいよ瀬戸内の海からマダコが到着!

「七福丸」シールがカッコいい!


生産者は、岡山県倉敷市のタコ専門漁師、山崎瑞基さん。漁港や市場に卸すのではなく、全てご自身の手で売り先を探し、出荷していらっしゃるとのこと。

島々に囲まれた瀬戸内海は潮の流れが速く、その流れに流されまいと踏ん張ろうとするため、足が太く短いタコというのが瀬戸内海のタコの特徴です。筋肉質なタコなので食感はプリプリで、吸盤はコリコリです^^

山崎さんのプロフィールページより引用

吸盤がたくさん……

真タコ証明書付き


さて、タコだって、生がいいのだろうなと何の根拠もなく思っていたわたなべですが、よく考えたら、スーパーや魚屋さんで見かけるタコは既に茹でられた状態で売られていたことに気づきました。


生のタコに触ったことってほとんどない。イカ以上にグネグネとした真タコ、どうやって捌くんだ!?

そして、茹でずに生の状態で刺身にしても大丈夫なのだろうか? タコの皮には雑菌が多いと聞くし……


ふと不安になり、ポケマルの問い合わせ機能を使って山崎さんにたずねてみたところ、このようなご回答をいただきました。

大丈夫ですよ。生の真タコを刺身にする場合、皮を全部剥いてしまうので、雑菌の心配などはありません。皮を剥くのは大変かもしれませんが、がんばってください!

皮さえ剥いてしまえばお刺身も大丈夫なのですね。


よし、山崎さんに励まされたし、がんばります。


生マダコの下処理

それでは、マダコに登場してもらいましょう。


35センチ幅のまな板を往復で、だいたい頭から一番長い足の先まで75センチというところでしょうか。袋に入っているとコンパクトに見えましたが、意外と大きい。

結構、目がコワイ


では、計量。

1.2㎏ほどですね


まずは内臓を取り除かねばと、頭をひっくり返してみると、既に内臓は取り外されていました


生タコを捌くという難行が、山崎さんの丁寧な心遣いで1つ軽いものになりました。ありがとう! 山崎さん。

微かに墨のあとが


目玉をはずします。

指でぐにーっとつかんで出っ張らせたところに


キッチンばさみで切れ目を入れて、目玉をつぶさないように取り出します。

こういう瞬間は申し訳ない気持ちになる


次はタコの口の部分を取ります。

タコのというと、にゅーっと飛び出した筒状の部分のように勘違いしがちですが、間違いです。あの部分は水管や漏斗と言って、呼吸する時に吸い込んだ水を排出したり、墨を出したり、排泄物を出したりするところ。

本当のタコの口足の根本にあるのです。


裏側から押し出すようにし、口の側から指を差し入れ、


これまた、ぐにーっと押し出すと外せます。

ハサミは使わずに、手で取れました。


「タコトンビ」とも呼ばれるだけあって、尖って硬いです。指を傷つけないように注意してください。

黒い嘴がトンビに似ていることから「タコトンビ」と呼ばれるそうです


まな板の左端、左上から、目玉、口、クチバシと並べてあります


生マダコの皮の剥き方

生で刺身にする用に、本体から足4本を切り分けました。

生のままだと身が傷みやすいので、さっと水洗いをしてまな板の上に置いたら、この状態のまま、皮を剥いていきます。


足先から3分の1ほどの細い部分は切り落とし、皮を剥きやすい太さの部分だけにします。切り落とした部分は別の料理に使用しましょう。


実は、先日とあるところで、料理人さんに生タコの皮むきのコツを伝授してもらってきたところなのです。

そのコツとは……

まな板に吸盤をくっつける

完璧に吸いつくわけではありませんが、まな板の上で踏ん張っている感はある


吸盤を吸いつけたところを根元に皮を引っぱって切れ目を入れていきます。


しかし、見学した時には簡単そうにスルスルと剥けていたのに……いざ自分でやってみると、ぐにぐに、ぬるぬると、なかなか切れ目が入ってくれません。

皮をググっと引っぱって


下手に包丁を持つ手に力を入れると、皮をつまんでいる手を切ってしまいそうになります。皮も油断すると、ぬるんと指から逃げてしまいます。

皮に多少身が残ってもドンマイ。皮もあとで食べちゃうし


押さえる方の手がどうしても滑る場合は、清潔な軍手や木綿の手袋をはめた方がいいかもしれません。

なんとか、1本剥けました。

身がデコボコ……(汗)


よし、あと3本! 少し要領がわかってきました。

包丁に無理に力をかけることなく、先端部分を使って線を引くように動かすと皮がツツ―っと切れるようです。

包丁の先端を使って力は入れすぎずに


生マダコの茹で方

次は、刺身にしなかった方のタコを茹でます。

生のまま刺身にする場合以外は、茹でる=下処理をした後に料理をするのがスタンダードです。


まずはぬめりを取るために塩揉みをします。

ボウルにタコを入れ、塩をひとつかみ入れます。

わたなべの手で塩ひとつかみは、およそ50g


ガッシガシとひたすら揉みます。手洗いで洗濯をしているような感じです。


だんだん、ぬめりが塩とともに泡状に固まってきます。汚れがたまりやすい吸盤は特に念入りに。

グレーっぽい泡になってくる


今回の山崎さんのマダコはかなりきれいな状態で届いているので、そんなに吸盤を意識しなくても大丈夫でした。

表面全体がツルっとした感触になったら、流水で洗い流します。

水洗いも思い切りザブザブ


大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩をひとつかみ入れます。

タコの頭を持って、足先を何度か出し入れします。最初に足だけを湯がくときれいに足がカールするのです。

入れたり

出したり

カールしてきました


足がカールしてきたら、そのまま頭までドボン。


全体を3分程茹でます。

まんべんなく茹で上がるように、時々上下を返します


茹で上がったら、皮を傷つけないように口の部分に菜箸を差し込むようにして引き上げます。


ザルにあげて、自然に冷ましましょう。

きれいな色に茹で上がりました


足はきれいにクルリと巻いています。


真タコが冷めたら、頭と足に切り分けておきましょう。


生マダコをお刺身に切る

さきほど皮を剥いたタコ足で、生真ダコの刺身をつくります。


薄造りもいいですが、今回は変わり切りで。

輪切りの要領で、なるべく身が薄くなるように2回切り目を入れて、


3回目で切り落とします。


お花っぽくてカワイイ見た目に。


薄い部分と根元の厚い部分で、食感の違いが楽しめます。




茹でタコのお料理いろいろ

茹でたマダコも、どんどん食べていきましょう。

※詳しいレシピは<こちらのページ>にあります。


コリコリとプニプニ食感のタコ飯に。レシピはこちら


皮と吸盤の酢味噌和えはコリコリ。レシピはこちら


頭の部分の柔らかさを活かしてカルパッチョ風に。レシピはこちら


同じ1匹のタコでも、下処理の仕方や部位の違いでさまざまな食感を楽しむことができます。料理のバリエーションも広がる真タコで、暑い夏を乗り切りましょう。

奥は茹でた方の足の皮を剥き、薄切りにしたもの


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Writer

わたなべひろみ

北海道生まれ北海道育ちのライター。宣伝会議 編集・ライター養成講座米光クラス第7期受講。Think School企画コース2期卒。クルマ・教育関連・北海道ネタなど多岐に渡り執筆中。たまにアート企画などにもたずさわる。各地で地元スーパー巡りをするのが好き。魚を捌くコツは祖母ゆずり。


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