プロなら野菜セットをどう使う?ある日の献立と、野菜を長持ちさせる保存方法までを野菜ソムリエが実践



一番美味しい「旬」の野菜を味わおう

今は一年中出回っている野菜も多いですが、旬のものを味わうことは最高の贅沢!

旬の野菜は最も栄養価が高く、収穫量が多いので安く、そして何よりも一番美味しい時期。

生産者さんから直送の野菜セットであれば、いま一番美味しい野菜が届き、最高品質のタイミングで食べる事ができます。


でも、実は旬の野菜セットは、いわば何が入ってくるかわからない「お楽しみボックス」でもあります。一度にたくさん届く野菜をどのように使っていけばいいかわからない、どうやって保存すれば長持ちするのかわからない・・・そんな悩みの声もよく聞きます。


そこで、ポケットマルシェ(ポケマル)で実際に購入した野菜セットで、実際に献立を考え、保存も含めて実践してみることにしました!


今回注文したのは、徳島県・阿波ツクヨミファームさん自然農野菜BOX(Mサイズ)

ダンボールいっぱいの新鮮なお野菜が届きました。



かぶ

かぶは、根の部分だけで販売している事も多いですが、根から葉まで余すところなく食べられる野菜。かぶの葉は、緑黄色野菜で強い抗酸化力を持つβカロテン、ビタミン C やカルシウムなど、栄養も豊富。シャキシャキとした歯ざわりが特徴です。

葉がいきいきとした濃いグリーン色のかぶは、採りたて新鮮な証拠!実は根よりも栄養価が高いので、是非葉っぱまで活用しましょう。かぶの葉は根と一緒に煮たり、お味噌汁やスープに加えたり、お漬物に。

調理方法を工夫して無駄なく、美味しくいただきます。


かぶの保存方法


かぶを保存する際は、葉っぱ付きのままおくと水分の蒸発が早くなります。かぶは、根と葉っぱは切り分けて別々に保存しましょう。葉は霧吹きをして濡らしたペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室へ保存。根も同様に野菜室で保存しましょう。


「小かぶ」のレシピ

一品目は、可愛らしい「小かぶ」を使ったお料理をご紹介致します。煮るととろーりやわらかな食感が美味しいかぶ。この小かぶの中身をくり抜き、鶏ひき肉のタネを詰めて煮込みました。やさしい生姜あんをからめると、かぶの甘味もしっかり味わえます。


まず最初に、かぶの中身を包丁でくり抜きましょう。

ファルシはフランス語で「詰め物」のこと


<小かぶのファルシ>

【材料:2人分】
・小かぶ 4個

・鶏ひき肉 100g

・生姜 1片
・塩

・胡椒
・〇だし汁 200cc

・〇薄口醤油 小さじ1

・〇みりん 大さじ1

・〇酒 大さじ1
・〇塩 少々

・生姜のみじん切り 適量

・水溶き片栗粉 適量

・刻み柚子 適宜


【作り方】

1. かぶは茎を2cm 残して切り落とし、皮を剥いて、かぶの上部1cmの所を横に切る。かぶの周りを包丁で一周し、中身をくり抜く。

2. ボウルに鶏ひき肉、生姜のみじん切り、塩・胡椒を入れてよく混ぜ合わせる。1の中に詰め込む。

3. 鍋に〇、かぶの上部と2を入れ、蓋をして約10分煮込む。
4. かぶがやらかくなったら、生姜、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。5 器に盛りつけ、生姜あんをかけ、刻み柚子を散らす。


【コメント】
お好みで生姜の量を調整ください。


ヤーコン

ヤーコンのレシピ

注目の野菜!オリゴ糖の王様「ヤーコン」


<ヤーコンのキンピラ>

【材料:2人分】
・ヤーコン 小2本
・にんじん 1/2本

・赤唐辛子の輪切り 1/2本分

・〇醤油 大さじ1

・〇みりん 大さじ1

・〇砂糖 大さじ1/2

・ごま油 小さじ1

・いりごま 少々


【作り方】

1. ヤーコンは皮をむいて千切りしてさっと水にさらしてザルにあげる。にんじんは千切りする。

2. フライパンにごま油と赤唐辛子を熱し、1を炒める。ヤーコンが透き通ってきたら、〇を絡めていりごまを加える。


【ヤーコンの特徴&栄養】

ヤーコンは南米のアンデス地方原産の野菜で、外見はサツマイモに似ていますが、梨のようなシャキシャキした歯ごたえとほんのり甘味があるのが特徴です。生でも食べる事ができます。

ヤーコンはフラクトオリゴ糖が豊富。フラクトオリゴ糖には、腸の中にある善玉菌を増やし、悪玉菌を減らして腸内環境を整える作用があります。主成分の食物繊維も同じく腸をキレイにする効果があります。また、抗酸化作用が強く、老化防止が期待できるポリフェノールも含みます。



※くり抜いたかぶの中身、葉っぱは味噌汁に活用


<本日の献立>

・主菜:かぶのファルシ
・副菜:ヤーコンのキンピラ

・副菜:スティックセニョールとラディッシュのヨーグルトサラダ

・汁物:かぶの葉と根のお味噌汁
・主食:玄米ごはん


レタス

レタスの保存方法

採れ立てのレタスはみずみずしく、シャキシャキとした食感。サラダやサンドウィッチなど、様々な料理に大活躍のお野菜ですよね!しかし、レタスは水分量が多く、傷みが早い野菜でもあります。

今回は、レタスの鮮度を驚くほど長持ちさせる方法をご紹介します。準備するものは「つまようじ 3 本」。

レタスは芯の部分から傷んできますが、芯の先端には生長点の細胞があり、収穫後もレタスの栄養分を使って成長し続ける為、劣化してしまいます。そのレタスの生長点に爪楊枝を3本奥まで差し込むと、芯にある生長点がほどよく破壊され、成長を遅らせる為、劣化しにくくなります。

レタスの芯に爪楊枝を刺した後は、濡らした新聞紙やペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存。是非、お試しください!

※この方法はキャベツや白菜でも可能。


ドラゴンレッド

ドラゴンレッドのレシピ


表皮の色、中まで赤いじゃがいも!


<ドラゴンレッドのアヒージョ>

【材料:2人分】
・ドラゴンレッド 1個
・海老 8尾
・〇にんにくのみじん切り 2片分
・〇ローズマリー 1本
・〇赤唐辛子 1本
・〇粒黒胡椒 適量
・オリーブオイル 適量


【作り方】

1. ドラゴンレッドは表面を水で濡らし、ラップで包んで電子レンジで加熱する。

やわらかくなったら、皮をむき、食べやすい大きさに切る。
2. 小さめの鍋にオリーブオイル、〇を入れて弱火で熱し、1、海老を加える。

バケットを添えていただきましょう!


【ドラゴンレッドの特徴&栄養】

ドランゴンレッドは、ホクホク系の肉質。ポテトサラダやポタージュ、揚げ物に向いています。

赤い色素はポリフェノールの一種であるアントシアニン成分。アントシアニンには「活性酸素」の生成を抑制する働きがあると言われています。



生産者さんから直送された旬のこだわり野菜は、野菜本来の味がしっかりしているので、シンプルな調理方法で美味しくいただけます。何が入っているかを楽しみに、届いた野菜を手に取りながら美味しいうちにいただきましょう!


久保 ゆりか
野菜ソムリエ上級プロ / 腸美人コンシェルジュ プロ
2011 年 九州初最高峰の野菜ソムリエ資格を取得。日本料理や製パンに関する専門知識と技術を持ち、書籍や WEB 等へ掲載する料理のフードコーディネートやレシピ提供、料理教室・セミナー講師、各種メディアへの出演のほか、企業のレシピ・商品開発も手掛ける。野菜、果物、素材を大切にした季節感のある料理が得意。カラダの中からキレイになること、発酵食品の研究も行っている。BLOG:http://yuririn0124.blog.bbiq.jp/


今回使用した野菜セット

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