漁師直送「赤なまこ」を買って捌いてみた。お刺身が最高でした…

赤ナマコの捌き方(食べ方)をポケマルスタッフが解説

生れも育ちも北海道、捌けるライターのわたなべです。

「海産物が大好き!」と自負する方の間でも、好き嫌いが分かれるもののひとつといえばなまこではないでしょうか。

実際、我が家でも大好き派と絶対食べない派とにくっきり分かれ、絶対食べない派からは今回の企画にブーイングが起きました。

しかし、親の好物だったこともあり幼少の頃からなまこに親しむ大好き派としては、なまこの魅力をぜひとも知ってもらいたい!

と、いうことで今回は福井県の宮下純一さんの天然赤なまこを捌いてみます。

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今回この記事を見ながらナマコを捌いて食べてみたくなった人は、産地直送で漁師さんから購入できるポケマルで探してみてくださいね!

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目次

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4匹のなまこたちと対面

コンパクトな発泡スチロールケースで届きましたよ。ジッパー付きの袋に海水とともに赤なまこが入っています。

な、何かいる!?

袋を開けてみると……おお! 意外と大きい。

今回、宮下さんより「大きさの都合で通常3本のところを4本入れました」との連絡をいただいていたので、もう少し小ぶりなものを想像していました。でも、コレかなりの大きさですよ。

最近、札幌のスーパーや市場でなまこが売られているのを見かけることが少なくなり、しかも売っていたとしても10センチ前後の超小型サイズがほとんど。こんな大きさのなまこを見るのは久々で、大好き派の私でもさすがにちょっとビビるかも。

大きさのせいか、姿や肌の見た感じの水生生物っぽさが、強調されて……何とも言えません。例えるなら……サンショウウオとかそんな感じ? いやいや、これは私の大好きな、なまこ!

赤なまこを徹底観察。なまめかしい肢体をご覧あれ〜

なまこよ、さあ、その姿を我々に見せたまえ。

表(背中側?)

裏(お腹側?)

全体的に水っぽくて柔らかく、弱そうな見た目ではありますが、たくましさがあるのもなまこの特徴です。

こちらがお口

敵に捕まりそうになると、腸を消化管から切り離しておしりから吐き出して逃げるのだとか。しかも吐き出した腸はしばらくすると元通りになるというのですからさらにすごい。

参考:東京ズーネット>腸を出してしまって大丈夫? バイカナマコ(葛西2012/09/07)

おしり側

ちなみに体の一部を切り取られてもトカゲのしっぽのように再生するそうです。

改めてじっくり観察すると、なかなかなお姿です。やはり、「かわいい」とか「美味しそう」とは言いにくいかもしれません。

ぬるぬるのお肌

初めてなまこを食べようと考えた人には尊敬の念を感じずにはいられませんな。どうやって食べようとしたんだろう。すごくお腹がすいていたのかな。

1匹だいたい27センチほど

しかしながら、日本人となまこの関わりはとても古くからあったようです。

日本最古の歴史書である『古事記』の中にはすでに「海鼠」という表記でなまこに関する記述があるのだそうです。そんな昔からのお付き合いだったのですね。

江戸時代には食用とする他に乾燥したなまこを漢方薬として使ったり、中国へ大量に輸出していたりしたとか。

参考:平成28年度内閣府沖縄総合事務局調査 沖縄産ナマコの輸出と産業活用(PDF) |内閣府沖縄総合事務局

再生能力の高さや人類との歴史的に長い関わりについて知ってみると、「ちょっとグロイ……かな?」から一気に「なまこスゴイ!」へと見方が180度変わってきませんか?

今回、姿を現わした瞬間(実は結構)ビビったわたなべも改めてなまこを見直しました。本当にスゴイ。

なまこの捌き方を詳しく解説

それでは、捌いていきましょう。

なまこは柔らかいので、今回は刺身包丁1本で捌いていきます。

初めに頭とおしりを切り落とします。

頭はさすがに硬いですが、ぶつんと思い切りいきます。触ってみてゴリっとする部分があればそこも取り除きましょう。

おしり側もぶつん。

口とおしりを落としたところ

お腹の真ん中を頭からおしり側に向かって(逆からでもOK)包丁の先で線を引くように切り開きます。

腹を開くとオレンジ色の内臓が出てきます。

内臓には珍味"このわた"が含まれています。後ほど調理して食べるため、できるだけやさしく取り出します。

内臓……と言ってもお魚のような臓器らしい見た目ではありませんし、特に生臭さもありません。強いて言えば強めの磯の香りがする程度で、つるんと取れてしまいます。

魚介類を捌くというよりも野菜の下準備をしているみたい。例えるなら、ピーマンを切って中の種を取り出すような簡単さなのです。

なまこのヌメリをとろう

内臓を取り除けたらボールに入れて、ひと握りほどの塩を振り、がっしがしと揉みこんでいきます。

ある意味、捌くよりこちらの作業の方が大変かもしれません。

揉んでも揉んでも赤黒いヌメリが出てきます。

10分ほど揉んで表面がツルっとしてきたら、流水でしっかりとヌメリと塩を落とします。

なまこに限らず、魚介類を洗うときは基本的に冷たい流水で。洗っているうちに、だんだんとなまこの色が赤からグレーになってきました。

お刺身で程よい歯ごたえと磯の香りを堪能

塩もみ後のなまこは3分の2くらいの大きさになり、てろーんと柔らかかった身がカシっと引き締まりました。さて、新鮮なうちにお刺身でいただいてみましょう。


なまこを3~5ミリくらいの薄さに切ります。柔らかめが好きなら薄めに。私はなまこのコリコリ感が好きなので5ミリぐらいに切ります。

お魚の刺身を切る時ならば身が崩れてしまわないよう繊維の方向に気をつけなければならないところですが、なまこの場合はその必要はありません。

きゅうりをスライスするような気楽な気持ちで切っていきます。つるんつるんと面白いくらいによく切れます。


ツヤツヤのなまこ刺身ができました。

切ったばかりだとスライスした身の角がくっきりと出ています。

薄造りではないのに、向こうが透けて見えるような瑞々しい透明感がたまりません。

何もつけずに食べてみると磯の香りが口中にふわーっと広がり鼻へと抜けます。そしてかみしめた時のコリコリ感がたまりません。歯ごたえはあるのですが、コチコチに硬いわけではなく程よく噛み切れます。

噛み切る時にじんわりと出てくる旨味とともになんだか身体に良いもの食べてるような気がします……!


なまこの楽しみ方はもちろんお刺身だけではありません。

なまこの三杯酢に、

なまこの三杯酢レシピはこちら

なまこの炊き込みごはん

なまこの炊き込みごはんレシピはこちら

最後はコノワタの塩辛……!

コノワタの塩辛レシピはこちら

隅から隅まで堪能し尽くしました。詳しいレシピは<こちらのページ>をご覧ください。


* * *


もともと、なまこ大好き派であったわたなべですが、海から直接届く新鮮さならではのウマさは格が違いました。完全にやられました。なまこ、君はグロイなんかじゃないよ。スゴイよ。

このスゴさを味わうために、野菜を切るくらいの気軽さで、ぜひ赤なまこを捌いてみてください。

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Writer

わたなべひろみ

北海道生まれ北海道育ちのライター。宣伝会議 編集・ライター養成講座米光クラス第7期受講。Think School企画コース2期卒。クルマ・教育関連・北海道ネタなど多岐に渡り執筆中。たまにアート企画などにもたずさわる。各地で地元スーパー巡りをするのが好き。魚を捌くコツは祖母ゆずり。

編集=大城実結・中川葵

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