神奈川県横須賀市
長塚良治 | 丸良水産
海苔、ワカメ、昆布、あさり、あかもく、ひじき、天草
私は神奈川県横須賀市の走水という浜で海苔漁師をしています。神奈川ブランド100選にも選ばれている、『走水海苔』です。
【漁師になった経緯】
初代「和芳」は「(屋号)もといや」の次男であり、長男の「清」と五男「勝」と共に、東京湾内である走水で海苔の養殖を始めました。
各地を巡り、仲間と共に試行錯誤を重ね、海苔養殖は軌道に乗り始めました。しかしその矢先、和芳は志半ばで亡くなりました。
そのため、二代目である「良治」は若くして漁師になることになりました。和芳の仲間達に”漁”を教えて貰い、海苔養殖の事業を営むうちに、だんだんと「良いものを作りたい」と強く思う様になりました。今では海苔はもちろん、様々な海産物を販売しています。「良いものをコツコツと」という思いを忘れず、日々精進して参ります。
【走水という豊かな海】
東京湾内には千葉県の富津岬と走水の間から新しい潮が入って来ており、その潮は千葉側を通り利根川から流れ出る山の養分と湾内の養分を巻き上げ、反時計回りで走水に辿り着きます。
そのため、走水の海には豊富な栄養があります。
そんな浜で漁師となり、海苔の養殖を始めて41年になります。
養殖というのは海の農業の様なもので、こだわれば味や見た目、食感なども大きく変わってきます。
【こだわりの海苔養殖】
海苔養殖では干出という工程が海苔の甘さを左右します。細胞壁を厚くさせる事で旨味成分が増える為です。
海苔は不思議な海藻で、乾燥に耐えられ、むしろ乾燥によって強く丈夫な葉に育ちます。なので、人工的に海苔網を海面から上げて干したり、海に戻したりします。乾燥させ過ぎないタイミングや、回数など、海苔の様子を確認しながら行う、大切な工程なのです。
そして、干出という人の手と走水の養分豊かな海、そして浮き流しという養殖方法によって、甘くそして黒くて艶のある海苔に育てます。
また、海苔の葉を摘んで来た後の、成形の際にもこだわります。海苔の葉を細かく刻んで、薄く伸して、柔らかさを出すようにするのです。
『味が濃い海苔』と『口の中でほどける海苔』は相反しますが、絶妙なバランスを目指して日々、奮闘しています。
【こだわりの猿島ワカメ養殖】
猿島ワカメは、一般的なワカメに比べるとヒダの多い種です。茎に対して葉が多く、よく味が絡みます。
塩漬けにしてある『塩蔵ワカメ』は、綺麗な樽で塩を踏み馴染ませ、脱水をキツめにします。踏む事で柔らかくし、脱水をキツめにすることで、より長期保存が出来ます。
また、漁師の中で『ワカメは捨てるところがない』と言われています。メカブやワカメの葉はよく出回りますが、生の茎ワカメは漁師直販ならではの物だと思います。
【こだわりの真昆布養殖】
真昆布の養殖は北海道から譲り受けている種です。
数年物として売られると高級な分類になるものですが、昆布は水温が高いと溶けてしまいます。なので、走水の海では溶ける前の一年物を『早煮昆布』として養殖しています。
養殖の際は、昆布の株の間隔を広げて海の中でも沢山の光合成が出来るようにし、肉厚に育てます。そして陸では1枚1枚手で洗います。
また、干す際にも注意が必要です。粉がふくと見た目が悪いだけではなく、旨味成分が外に出てしまうため、昆布同士がくっつかないように気を配り、綺麗にあがるよう上手く干し上げます。
乾燥した昆布は割れやすいため、袋詰めする際も丁寧に扱い、製品にします。
真昆布は切り口が白く成ることが特徴ですが、肉厚にならないと、切り口が白くもなりません。
とことんこだわって、透明な出汁と、食べて美味しい昆布に育てています。
時期によっては、天然モノも採っています。
こちらも神奈川ブランドに指定されている『あさり』
ネバネバの『アカモク』
肉厚な『ひじき』
天が良く出る『天草』
等々…。
海が豊かなので、育ちが良く、味が濃い事が全ての海産物の特徴です。
ただ、その恵まれた海にあぐらを掻くことなく、自分達が『美味しい!』と思える様な製品を、コツコツと作っています。
長くこだわりを読んで頂き、ありがとうございました。
どうぞ、一度、手に取って食べてみてください
特定商取引法に基づく表記
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