農家さんが作ったいちごバターを、某スーパーのと比較してみたよ。

ライターの大城です。突然ですが、「いちごバター」という食品をご存知でしょうか?

関東を中心に展開しているスーパーマーケット「成城石井」さんで2015年から販売され、この1〜2年で数回の完売・再販を繰り返している「スプレッド(塗る食品)」です。

先日再販された際には、開店前の行列の様子や店頭で山積みにされている様子などがTwitterでトレンド入りし、もはや国民的ヒット商品といっても過言はありません。


ところで。

成城石井さんのいちごバターが賑わいを見せる世間の片隅で、ポケマルにはいちご農家さんプロデュースオリジナルいちごバターが存在します。


成城石井さんのいちごバターと、ポケマルで買える市川農場さんのいちごバター。何がどう違うのでしょうか?

今回は、2種類を調達・徹底比較し、さらに、いちごバター最強においしく食べる実験をしました。

独断と偏見、されど「うまい」に最も近い(?)とっておきの食レポをお送りします。

 

目次

 
     ここに目次が表示されます。    

いちご農家のいちごバター?

はじめに言っておきます。「○○バター」がおいしくないわけないじゃないですか!

最近SNSで爆発的な流行をしたいちごバターを目にするたび、そう思うのです。

今回はそんな話題のいちごバター味わいつくし、いろいろな食べ方を試してみよう、というワケですが、ポケマルでいちごバターを購入した方の投稿を覗いてみると、そこには既に……

加奈さんのコミュニティ投稿より

フレッシュストロベリーさんのコミュニティ投稿より

misareonさんのコミュニティ投稿より


ハァ……眼福♡


はじめに断っておきます。

いちごバターには何をしても素敵なのです。とにかく幸福な味どうあがいてもおいしい。

つまり本記事は、起承転結もなく「いちごバターおいしい」で始まり、「いちごバターおいしい」で終わる運命にあります。

ピンク色の可愛いいちごバターと、罪深さを感じるカロリーたっぷりの写真を、心ゆくまでお楽しみくださりますよう……。


ふたつのいちごバターを比べてみる

成城石井さんのいちごバターの再入荷当日。

出勤前に立ち寄った店内で筆者が目にしたのは、いちごバターの山でした。ひとつを手に取り、意気揚々とポケマルオフィスへ持ち帰ります。

オフィスで待ち受けているのは、もうひとつのいちごバター。こちらは滋賀県のいちご農家:市川健治さんが、自身で育てたいちごを使用して作ったオリジナル商品です。


①成城石井さん いちごバター

こちらは、言わずと知れた成城石井さんのいちごバター。

原材料には、とちおとめ・あまおう・紅ほっぺの3種のイチゴと、バターを組み合わせ、多くの人々を悩殺している贅沢な甘味です。


②市川農場 いちごバター

こちらのいちごバターは、滋賀県・豊郷町でいちごと玉ねぎを栽培する市川さんの手によって作り上げられた至福の味。

イチゴは果肉が白い品種の章姫(あきひめ)を使用しており、バターは北海道バター。イチゴとバターの配合率が自慢なのだそう。元ブライダルプランナーのいちご農家さんが作る、こだわりの一品です。


さて両者が揃ったところで、比較検証していきます。

1,外見


同じ商品名でありながらも、成城石井さんのものは赤く、市川さんのものは薄桃色なのが印象的です。果たして色の違いが味わいに現れてくるのか、期待が高まります。


原材料表示を確かめたところ、使用されている原材料はよく似ています。


原材料表記の順番から、主要原材料の配合比率が異なっていることがわかります。

成城石井さん:いちご>糖類>バター

市川さん:糖類>いちご>バター


これが味の大きな違いとなろうとは、このときまで知るよしもありませんでした。


2,香り

さて、次に香りを嗅いでみます。

昔、理科の実験でならったかぎ方でクンクン


が、う〜ん……。なかなか大きな違いを感じられず。やっぱりここは味覚に頼るしかありません!


3,食味

それじゃあ大本命のテイスティング、いきます!


まず市川さんのいちごバターを食べてみることに。

わくわくを隠せない筆者おおしろ


「ほほう、なるほどゥ」


「これは、佐久●製菓いちごみるくキャンディーですね」

バターというよりもミルク、いやコンデンスミルク、練乳か。こっくり濃厚な乳製品のお味が口いっぱいに広がります。表現するならばかき氷のいちごミルク練乳かけ、佐●間製菓のいちごみるくドロップスでしょうか。とにかくミルク感の強い印象です。


一方、成城石井のいちごバターはというと……

「あ…れ? いちごジャム……っぽい」


正直に言います。

これはいちごジャムにバターが添えられているといった味でしょうか。いちごバターというよりも、「いちごジャムにバターをちょいと混ぜちゃいました」という商品名が正しい気がします。

しかしながら、確かにバター感も背後から援護射撃をしてくれます。これは酸味が好きな人に喜ばれそうないちごバターですね。


というわけで結論はこちら。

爽やかな酸味を味わいたい方は、成城石井さんのいちごバターを買うべし。

塗る「いちごみるくドロップス」をパンに塗りたい方は、市川さんのいちごバターを買うべし。


おそらく決め手はバターの配合率。

前述の通り、成城石井さんは「いちご>糖類>バター」となっており、市川さんは「糖類>いちご>バター」というような表記に。

実はここに作り手・市川さんのこだわりが光ります。

さまざま試作をしてみた結果、いちご:バター=1:1という黄金比に辿り着きました


あの濃厚なミルク感はこの黄金比によるものなのでしょう。

バター? いや、もはやバターの範疇を超えた圧倒的な牛乳本来の旨味は、市川さんのこだわりでした。


……と、そこに編集・中川が不適な笑みを浮かべてやってきます。

こんなにも贅沢ないちごバターを手にしたんだから、やるしかないじゃないのよ。大人にだけ許された”禁じられた遊び”ってやつをさ……

鬼に金棒、バニラアイスにメロンソーダ。それじゃあ、いちごバターには?

編集部内で贅の極みを追求する「市川さんのいちごバターを最強に味わう会」が突如勃発したのでした。


第1回 市川さんのいちごバターを最強に味わう会

ということで「第1回 市川さんのいちごバターを最高に味わう会」を開催します。この会を盛り上げてくれるイカしたメンバーを紹介するぜ!

\じゃ〜〜ん!!!/


現れたのは付近のコンビニで入手したいちごバターのお供たち。果たしてこの中で一番市川さんのいちごバターと相性が良いのはどれなのでしょうか?


①ブランパン

言わずと知れた糖質オフのブランパンは、若い女性から根強く支持されたダイエットパンです。そこに市川さんのいちごバターをオン。筆者は内心「これでカロリー±0やん……」と思いましたが、いいのです。おいしければ、実質ゼロkcal!

あっさりしたブランパンは筆者も大好物。さくっとちぎって、

た〜っぷりいちごバターを乗せてあげます。容赦はしません!


「これは、かなり良いです! いいかんじです!」

「ブランパンが質素なだけ、いちごバターの贅沢な風味が効いてます」

と、編集部内でも高評価でした。そのまま食べると少し淡泊なブランパンが、一気に贅沢なスイーツパンに早変わり。かなり嬉しいお味です。

編集部評:★★★(間違いない)


②ホワイトチョコチップスコーン

そのままでも立派なスイーツであるホワイトチョコチップスコーンに、いちごバターを塗ってみます。おいしいもの×おいしいもの=最強においしいものという図式は成立するのでしょうか……?

既にお菓子として完成形のホワイトチョコチップスコーンですが、

た〜っぷり塗って、いただきます


「あれ……甘さ同士が互いの良さを打ち消し合ってる気がします」

先ほどのブランパンとは違い、互いの甘さの主張が強いだけにパッとしない印象に。意見を総括すると「それはそれ、これはこれで食べた方が幸せなのでは?」というものになりました。

編集部評:★☆☆(とにかく甘い)


③ヨーグルト

ヨーグルトにジャムを入れる食べ方はとても一般的です。それじゃあいちごバターを入れたら、一体どうなっちゃうの? さっそく、やってみましょう。

このくらいかなあ、と試しに入れてみる

よく混ぜていただきます


「これはたくさん入れるべきです。たっぷり入れれば入れるだけおいしくなりますね」

「たくさん入れても全く脂っこく感じないです」

こってり濃厚なデザートに早変わり。コツは”たっぷり入れる”ことでしょうか。ヨーグルト(乳)とバター(乳)のバランスをどうするかがポイントです。

でもたくさん入れると、すぐなくなっちゃうよね……。あれ、そしたらジャムで良くない?

とはいえ、お味はピカイチ。なので編集部の評価は上々です。

編集部評:★★★(至福の朝食)


④パ●の実

パイ生地といえば何重にもバターを練り込んで作り上げたサクサクの食感、そこにいちごバターを加えちゃうわけです。想像するまでもなく贅の極み、カロリーonカロリーの権化というわけ。

先ほどのチョコチップスコーンのように打ち消し合ってしまうのでしょうか。それとも……?

国民的菓子パ●の実 季節限定のクリームブリュレ味

いちごバターを挟んじゃいました♡


「パ●の実うま」

「これはパ●の実ですね」

いちごバターを塗っても全く衰えないパ●の実のサックサク感バターの香りが、最高に美味しいいちごバターの個性を打ち消している……季節限定のクリームブリュレ味はとってもおいしいすばらしいお菓子だがしかし、いちごバターと合わせるのは欲をかきすぎたかもしれない

別々に食べたら2回幸せ

編集部評:☆☆☆(贅沢は罪)


食パンはもちろん、パン各種やクラッカーなどさまざまな味わいを楽しめるいちごバターは、確かに一世を風靡しただけのポテンシャルがありました。筆者はここで改めて主張したい。市川さんのいちごバターは「塗る佐久●製菓いちごみるくドロップス」であると。


しかし編集中川はまだ物足りないご様子で……

ちょっとさ、私もいちごバター作ってみようかな?

何を言ってるんだ編集、気を確かに編集。

——しかし、この何気ない呟きが大きな発見と感動を生み出そうとは、当時の私は知るよしもありませんでした。

次回:いちごバターを自作する の巻


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Writer

大城実結/MIYU Oshiro

フリーランスライター・編集者。自転車や地域文化、一次産業、芸術が専門。紙雑誌やWeb媒体問わず執筆中。ポケマルでは農業初心者を生かし、わかりやすく愉快な記事の執筆を目指す。イラストや漫画も発表中。Webサイト:https://miyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro

写真=中川葵

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