この記事では、自宅で簡単・手軽ににできる干し芋の作り方をご紹介しています。筆者は札幌在住。冬の氷点下のベランダでも、1週間ほど干して美味しくできました。
ライターのわたなべです。ラジオを聴いていると、筋トレに励むマッチョな方々は干し芋を好んで食べるらしいとの話題が。
調べてみると、サツマイモから作る干し芋は糖質を多く含む食品ではあるものの、食後の糖質の吸収が穏やかで余計な体脂肪がつきにくく、脂質も少なく、食物繊維が豊富で腹持ちもよいので、ダイエット中の方に好まれているお菓子…なのだそうです。
そういえば、我が家の19歳まで生きた先代の犬は、テーブルの上にお肉があっても知らんぷりでしたが、干し芋には手を出してしまうほどの干し芋好きでした。
そんな干し芋を今回は自宅で作ってみます。
購入したのは三重県志摩市の田保二郎さんが出品している【さつまいも1㎏ 干し芋を作ろう!!】セット。
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商品説明文には「三重県志摩市にて古くから食されている干し芋(きんこ芋)に適したさつまいもです」とあります。
きんこ芋干しの様子(田保さんのコミュニティ投稿より)
きんこ芋の原料「ハヤトイモ」とご対面
「きんこ芋」とは、伊勢志摩地方にてハヤトイモ(隼人芋)というサツマイモから作られている干し芋の呼び名。海辺の痩せた土地でもよく育つハヤトイモは、昔からこの地の人々の食を支えてきたそうです。
冬になると各家庭できんこ芋が作られ、子供のおやつはもちろん、海女さんや漁師さんのスタミナ食として愛されてきたのだとか。(参考:志摩市ホームページ )
田保さんの【干し芋をつくろう!!】セットは、その伝統の味をご家庭で再現することができる商品…というわけです。
さっそく開封してみましょう。
お手紙つきです。生産者さんからのお手紙はポケマルの楽しみのひとつです。
詳しい作り方が書かれています。安心しました。やっぱり、干し芋って作れるんだ!
1㎏のハヤトイモはこのくらいの量です。
長さ15㎝強のハヤトイモがゴロゴロと5個。普段スーパーで見かけるさつまいもに比べて皮の色が少し地味かな?
作り方①水からまるごと芋を茹でる
さっそく干し芋作りにとりかかります。
まずは、水から茹でます。
竹串をさしてスッと通るぐらいまで茹でて、湯きりをしたあと、すぐに冷ますのではなく30分蒸らすよう指令が!
イモを鍋に戻してふたをして30分待ちます。このひと手間で甘味が増すそうです。
生の時よりも皮の赤みが増している気がします。
作り方②厚めに皮をむく
ひと皮むくと……
なんと鮮やかな黄色でしょう。地味なんて言ってすみません。中身がこんなに美しいとは。
田保さんからのアドバイスには「皮は厚めにむくべし」とありましたが、なんだかもったいない気がします。でも、皮むきが薄いと黒ずんだり硬くなりやすいそうなので、涙をのんで厚めに厚めに。
この鮮やかなオレンジ色はカロテンの色。ハヤトイモには「にんじんいも」という別名もあるのだそうです。
両端も切り落とします。
ここで、横で虎視眈々とさつまいもを狙っていたムスメ&犬に、この端っこを持っていかれました。筋はあるけど、十分に甘くておいしかったそうです。
だんだんいもには見えなくなってきました。
この時点では、もうマンゴーにしか見えないくらいオレンジがかった黄色です。こんなにきれいな、さつまいもは初めてです。
作り方③干す!室内/屋外で両方試してみた
さて、ここから干す工程にはいるわけですが、実のところ筆者は札幌在住。そして現在は1月で、窓の外は最低気温マイナス10℃前後の真っ白な雪景色です。
それに対して、このレシピは三重県の田保さんが志摩の温和な気候の中でつくっている干し芋のレシピ。
「…いも、干せるのか?」
不安になりいくつかの作り方サイトを見たところ、「日の当たる風通しの良い場所で干す」「霜が降りるくらいの寒い時期に干す」と書いてあるのですが、やはりこの極寒の北の大地で干せるのかどうかは不明です。
……ということで、念のため①室内と②室外の2箇所で干してみることにしました。
①室内干しパターン
室内パターンはストーブから遠い部屋の窓際へ。
ストーブ近くは22℃くらいになりますが、こちらの部屋は18℃程度でしょうか。
②室外干しパターン
室外パターンは、ベランダへ。
雪が降っても、干します。
このふたつの干し方、一体どうなることやら……。
まるでキャラメル!? 干し芋ができあがった
2~3日で表面が乾いてくるとのことなので、まずは3日目に取り出してみました。
写真の左が室内、右が室外です。
左:室内干し/右:屋外干し
どちらも表面は軽く乾いている程度ですが、①室内干しパターンは若干の歯ごたえが出てきています。一方、②室外干しパターンは水分が多く残っており柔らかいです。
そして、7日目。
左:室内干し/右:屋外干し
①室内干しパターンは表面はしっかりカリカリに乾いています。中はもっちリむちっと、まるでキャラメルっぽく粘るような食感をしています。保存食として日持ちしそうなのはこちらでしょう。
一方、②室外干しパターンは表面はさらっとしていて、噛むと羊羹くらいの硬さでした。室内は暖房を常につけていることで湿度が低く、外は雪があるので湿度が高いのでしょう。環境の違いが干し芋の出来に影響を与えていることがしっかりわかりました。
両方ともに共通しているのは、3日目よりも甘味が強くなっているということです。好きずきはあるかもしれませんが、②室外干しパターンの方がいもの旨味を感じやすいかもしれません。
干し芋をリメイク!簡単スイートポテト
さて、室内干しパターンのやわらかさにひらめきました!
荒くみじん切りにして
溶かしバターを入れて、グニグニと混ぜて
シナモンを軽くふって、オーブントースターで温める程度に焼きます。
超簡単スイートポテトのできあがり。
砂糖を加えなくても、満足できる甘さです。
* * *
北海道でも甘くてきれいな干し芋が出来ました。お店で売っているものを自分の家で作れてしまうのはおもしろいですね。
室内と室外の違いで仕上がりにこれだけ差ができるということは、作る地域の気候によっても違いが出るということでしょう。
ぜひ、みなさんもご自宅で作ってみてくださいね。
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- - writer - -
わたなべひろみ
1968年、北海道生まれ。設計デザイン、商品開発などに携わったのち、宣伝会議 編集・ライター養成講座 上級コース 米光クラス第7期受講。修了後ライターとして活動。現在、札幌国際芸術祭2017【大風呂敷プロジェクト】に運営サポートとして参加中。