巨大な柑橘「ばんぺいゆ」と「チャンドラポメロ」を買って観察して皮まで食べてみたよ

みなさまこんにちは。大の柑橘好き編集部員、尾形です。

外出できないこの状況の中、自分を家にいさせる方法を日々模索しています。なにをすれば、おうち時間を楽しく有意義に過ごせるか……。

そんな時、ポケマルで出会ってしまったのです。

スーパーの果物売り場にどどーんと佇んでいるのを見た時からずっと憧れていたあの柑橘に。

大きくて、黄色くて、ボールのような柑橘。その名も「晩白柚」。読み方は「ばんぺいゆ」です。

1玉の値段もそこそこしますし、普段なかなか手に取る機会がなかったものの、中身はどうなっているのか、どんな味がするのか……とても気になっていました。

どうしても向き合ってみたかった晩白柚。おうち時間も長いことですし、出会ってしまったからには真剣に向き合う以外の選択肢はありません。

 

目次

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大きい黄色いボールみたいな柑橘たちがやってきた

さてさて、箱を開けると、そこには期待通りの大きな柑橘が3つ。

熊本県の前田恭孝さんの元から我が家まではるばるやってきました。

晩白柚を買おうと思ったら「チャンドラポメロ」という珍しい柑橘とのセットも見つけてしまい、迷わず2種類セットを購入したのです。

ぱっと見た感じ、チャンドラポメロも晩白柚と同じくらい大きいようですね。2種類の大きな黄色い柑橘との出会い、とてもわくわくします。

噂に違わずとても大きな晩白柚。その基本的な知識はこちら↓

晩白柚とは

「晩白柚(ばんぺいゆ)」は文旦の仲間の大型柑橘で、大きなものだと4kgを超えることもある。収穫時期は12月頃から4月頃まで。一般的には、お歳暮などの贈答用としてのニーズも大きい。

前田さんがお住まいの熊本県八代(やつしろ)地区では、昭和26年(1951年)から晩白柚栽培が始まったといいます。それから約70年をかけてこの地に根付き、今では晩白柚の全国生産量の9割が八代産となっています。

令和2年3月30日には「地理的表示(GI)保護制度(※)」に「八代特産晩白柚」として登録されました。

※地理的表示(GI)保護制度とは:地理的表示法に基づき、特定の産地と品質等の面で結び付きのある農林水産物・食品等の産品の名称を知的財産として保護するための制度。農林水産大臣が審査・登録する。(参考:農林水産省ホームページ>地理的表示(GI)保護制度八代特産晩白柚の登録の公示(登録番号第94号)

晩白柚を徹底観察

大きさは?

それでは、憧れの晩白柚をじっくり観察していきましょう。

手の平全体を使って支える感じで持ちます。顔もすっぽり隠れる大きさ。

小脇に抱えれば、しっかりと空気の入ったドッジボールのようです。

平均的な晩白柚のサイズは横縦20cmくらいとのことですが、この晩白柚はどうでしょう。

横幅は20.5cmくらい。

高さは18.5cmほど。

晩白柚にしてはすこし小ぶりかもしれませんが、それでも十分な大きさです。

試しに、我が家にあった他のフルーツたちと並べてみました。大きさの差は歴然としていますね。

左から、晩白柚、紅八朔、はるみ、キウイの順で並んでいます。

写真の中で2番目に大きい「紅八朔」は、八朔の皮が紅いものです。

紅八朔も大きめな柑橘の部類に入るはずなのですが、晩白柚の後では手にすっぽりと収まる大きさが可愛らしく見えます。


重さは?

晩白柚をずっと手に乗せて写真をとっていたら、だんだん疲れて来ました。それもそのはず、重さはゆうに1kgを超え、1127gでした。

一方、温州みかんと同程度の大きさの「はるみ」は79gでした。

同じ柑橘なのに10倍以上も違うなんて。人間と同じく、個性豊かなんですね。


木にぶら下がる晩白柚が見たい

さて、ふと疑問に思ったことがあります。

「晩白柚って、どうやって木になっているのかしら?」

1kgを超える実が木にぶらさがっている様子が想像できません。というわけで、生産者の前田さんに写真を送ってもらいました。

おお、ちゃんと木になっているではありませんか。太い枝に、ぶら〜んとぶらさがっています。重い実をいくつもつけた木はどんな気持ちなんでしょう。

人間でいうと、パンパンに詰まった買い物袋を両手に3つずつくらいぶらさげているような感じなのでしょうか。


果肉は?

ここからが本番です。ついに晩白柚の内側を覗きにいきます。

いつものみかんと同じように手で剥いてみようとしたところ、

ちょっと爪の跡がついたくらいで、皮をやぶることはできませんでした。あえなく退散。しかし、傷口から爽やかな香りがぷーんと漂ってきました。

中身とご対面するには、やはり包丁が必要ですね。

上下を、2cmずつくらい切り落とします。

ふかっとした感じの切り心地でした。

下の方は果肉に到達してしまいましたが、白いワタの部分の分厚いこと。この皮の分厚さのおかげで、晩白柚は12月〜4月の5ヶ月間もの長期スパンで収穫できるようです。

ここからは手でぐいぐいっと皮を外していきます。ワタは柔らかいので痛くはないですが、結構力が要ります。

「剥く」というよりは「むしり取る」と言ったほうが適切かもしれません。

すべてむき終えた皮の総量は、458g。

晩白柚全体の40%以上が皮ということになります。

ここまでくればもう安心かと思いきや、房同士も固くくっついていました。手で引き剥がそうものなら果肉が潰れて汁が滴りそうだったので……

こちらも包丁の力を借りて、2分割です。大きな種と、きれいに輝く黄色い果肉。

さすがに内皮は手で剥けました。水分量が多くないので手がびしょびしょにならず、剥きやすいです。

大きめの房を剥いて長さを測ってみたら、8.3cm。

1房の重量は58gでした。

はるみ1玉の可食部と晩白柚1房の重さがほぼ一緒。

……晩白柚の存在感、半端ありません。

きれいに剥いていたらあっという間に30分が経っていました。

全果肉の合計重量は、639g。

剥いた薄皮は量っていませんが、計算では合計30gくらい。(計算式:1127-458-639)

ここまでくると感覚が麻痺して、だんだんこれが当たり前の大きさに思えてきます。でも、比べるとやはり大きいんです。

果肉ひと粒同士も比べてみましょう。

↑この小さな粒のことを「さじょう」といいます

予想通り、晩白柚が圧倒的大きさを誇っていますね。なんだか、すべてが大きすぎて笑えちゃいました。


お味は?

肝心のお味はどのようなものでしょうか。

食感は、「サクッ、シャキシャキ」。まるで新鮮レタスを食べているかのようです。

鼻に抜ける香りは、グレープフルーツのよう。決して酸っぱいわけではありませんが、水分が多くないので、甘みが遅れてやってくる感じがします。

見た目のインパクトとは裏腹に、あまり主張してこない味。楽しい食感と嫌味のない爽やかさに、ついつい手が伸びてしまいます。

ここまでをまとめますと、

晩白柚は独特の香りで独特の食感で独特の味...グレープフルーツのようでありながら、確実に「はじめまして」の要素がたくさん詰まった柑橘

でした。

チャンドラポメロもたしなんでみる

せっかくですので、「チャンドラポメロ」もたしなんでみましょう。

「チャンドラポメロ」はグレープフルーツと文旦との交配で生まれた品種とのこと。

重さは1211g。大きさは晩白柚とあまり変わりませんが、皮を剥いてみると……

おやっ、ほのかにピンクがかった色をしています。

果肉は橙色とでもいいましょうか。

香りといい、色といい、まるでピンクグレープフルーツみたいです。

房単位で比べると、チャンドラポメロの方が晩白柚よりも長細い形をしています。

とてもきらびやかで美しく、可愛いですね。色がある分、晩白柚よりも映えます。

お味は、やはりピンクグレープフルーツに似ています。食感は「サクプチッ」としています。晩白柚よりもシャキシャキ感は少なく水分が多めで、こちらの方が甘いように感じました。味も香りも、よりグレープフルーツに近い気がします。

暑いところから帰ってきて喉が乾いているとき、冷蔵庫に入れておいたチャンドラポメロを頬張れば、一瞬にして生き返りそう……そんなジューシーでフレッシュな柑橘でした。

晩白柚の皮も食べてみよう

晩白柚とチャンドラポメロを半分ほど食べてお腹がいっぱいになって来た頃、ふと思いました。

厚さ2cmもある白いワタ。これ、どうしましょう。

晩白柚のワタの砂糖漬けを作ってみる

このまま捨てるのはもったいない気がしてきたので、ワタの砂糖漬けをつくってみることにしました。私はちょっと失敗してしまったので、レシピはぜひプロの方による情報をご参照ください。

※参考:JAやつしろ>かんたん レシピ>晩白柚の砂糖漬け

皮の表面の黄色い部分だけを包丁で削いで、ワタだけの総量を計ると、203gもありました。

そのまま食べてみると、「に、苦い……」。

"わたを鍋に入れ熱湯に浸けて5分置き、よく揉んで水洗い"を3回繰り返して、最後にワタの水分を良く絞ります。(ちなみに私はこの手順が甘かったようです)

鍋に砂糖と水を入れ火にかけて、ワタをいれて煮詰めて……皮が透き通って、鍋の中の水分がなくなったら火を止めます。

炊き上がったワタを広げて冷まし、グラニュー糖を振ります。

試食してみると、なんだかちょっと水っぽくて、苦味が残っていました。

反省点としましては、

①茹でこぼしが少なかった
②しっかり水気を絞らないと煮詰めるのに時間がかかる&水っぽい仕上がりになる

ということです。


* * *


晩白柚の大きさと重さに驚き、頑張って剥いて食べ、皮の活用を考え、ちょっと失敗して、学んで……なんていうことをしていたら、あっという間に1日が過ぎていました。

柑橘って、とても奥深いと思いませんか? 晩白柚のようにまだまだ知らない品種がたくさんあって、それらと出会うことでまた新たな柑橘の魅力に引き込まれていきます。

さあみなさんもようこそ、柑橘の世界へ。

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文=尾形希莉子、編集=中川葵

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