一人暮らしを始めてもうじき一年。実家を離れて一番大きな変化は、「家に帰れば母親の料理が待っている」……なんてことがなくなったことかしら。
でもそのおかげで、「体にいい食事ってなんだろう?」と考え始めた。
日々の食事で人間の身体はつくられると思っているから、毎日コンビニ弁当は気がひける。そこで、ずっと前から興味があった「発酵生活」を始めてみることに。
発酵ブームということもあり、日々の生活に取り入れてみたいな~と思っていた。詳しいことはよくわからないけど、なんだか体によさそうだし。
我が家に発酵セットがやってきた

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ポケマル編集部員の筆者には、何か食べものを買おうと思ったらまずポケマルを見る癖がついてしまっている。「作り手から直接買える発酵食品はないかなあ」とポケマルを眺める。
とりあえず加工食品カテゴリーを選び、検索窓に「発酵」と打ち込んでみると、結果は72件。ありすぎるくらいたくさんの商品があるポケマルだけど、このくらいまで絞り込めていれば探せそうだ。
そんな風にして選んだのがこちら。
宮城県のカネサオーガニック味噌工房さんが販売している、3種類の発酵調味料と3種類の甘酒のセット。
これはもしかして、面倒臭がりの私にぴったりすぎる商品なのでは。我が家の生活の質を上げてくれるかも……そんな期待をこめて、ポチり。
そして数日後。

クール便で”上乗せ厳禁””割れ物注意”シールが貼られ、かなり慎重に扱われたであろうこちらの荷物。中にはプチプチに包まれた商品とパンフレットが入っていた。

パンフレットを開くと、作り手のみなさんの素敵な笑顔があった。思わず私もにっこり。食べる前からすでに、心がほっこり。
丁寧な包装を開け、発酵オールスターを並べてみる。

写真左から順に、①麹の甘酒 ②有機古代米甘酒 ③有機甘酒 ④味噌炒めの素 ⑤有機生塩麹 ⑥旨麹 の6種類。白っぽいのと茶色っぽいのとで、ちょうど色のバランスがとれた。これは偶然? それともわざと?
こういうパウチのって、立たせようと思ってもすぐ倒れたりしがちだけど、この子達はちゃんと自立してくれる。う〜ん、いい子達だ。
「〇〇だけ」でうまい。一人暮らしのズボラ料理

さて、さっそく今日から憧れの発酵生活の始まりだ。まずは3種類の調味料から使っていこう。
昨日までの私は「どうせ食べるの自分だけ」とワンパターンの味付けで満足していたけれど、今日からは違う。
レシピにも迷わない。なぜなら、それぞれの調味料の裏に使い方の例とおおよその使用量が書かれていたから。

旨麹のラベル裏面
根がズボラな私は「いかに楽しておいしく食べるか」を常に求めている。したがって、このシンプルなレシピにはなかなか惹かれる。
①旨麹で炒めるだけ

炒めるだけ。
「有機米糀と国産丸大豆醤油を贅沢に使った」という旨麹(醤油麹)でレンコンを炒めて、照り焼き風に。
結構唐辛子の香りがするけれど、食べてみるとそんなに辛くない。鷹の爪よりもマイルドな優しい辛みで、味が引き締まる。チーズと合わせたら最高だった。
②旨麹をかけるだけ

かけるだけ。
旨麹を酵素玄米の卵かけご飯に。卵のマイルドさと合う、濃いうまみだ。醤油だと思わずかけすぎてしまうことがあるけれど、これならその心配もあまりない。
茶色い旨麹の中にある粒々は発酵のもととなった米麹。

口のなかでほろほろと溶けていくのを感じる。優しさ溢れるご飯のお供って感じだな。
③味噌炒めの素で炒めるだけ

これも炒めるだけ。
味噌炒めの素で、回鍋肉。まさか自分で作る日がくるなんて、夢にも思わなかったよ。だって、レシピを調べると必要な調味料が多すぎるんだもの。
豆板醤のような中華ならではの調味料は、回鍋肉のために買っても使い切れる気がしなかった。

いくつもの調味料をいちいち計って事前に混ぜ合わせたりする手間がないのは良い。洗い物も少なく済むしね。
これはパウチタイプだから、スプーンすら使わずに味付けできる。
本当に味噌炒めの素だけでできちゃった。

これだけで十分美味しく感じるのは、きっと旨麹に旨みが詰まってるからなんだろうなあ。
たまに現れる米麹が愛おしくて、「おーい、麹くん、どこにいるんだ〜」なんて、ついつい探しながら食べてしまう。
④生塩麹を入れるだけ

スープには、生塩麹を入れるだけ。
このマイルドな旨みは、塩だけの味付けでは生み出せない。いつもは「〇〇の素」のような調味料に頼っていたけれど、生塩麹があれば一切いらない。
⑤生塩麹に漬けるだけ

生塩麹にお野菜を漬けるだけ。
今まで漬物はお酢とか塩とか砂糖とかいろいろ入れてつくるものだと思っていたけど、まさかの塩麹だけでおいしいものができちゃった。ジップロックで一晩漬けておくだけで、優しい味に。
本当にズボラな私にぴったり。面倒な工程なく「〇〇だけ」で、洗い物も少ない。楽しておいしい思いをしすぎたかしら。
甘酒で健康になった気分を味わう

調味料の次は、甘酒をたしなもう。甘酒は朝も昼も夜も大活躍。甘酒に始まり、甘酒に終わる生活をしてみた。
①麹の甘酒をそのまま飲む

朝にはストレートタイプでそのまま飲める「麹の甘酒」を。
甘酒は一般的に「飲む点滴」とも言われているよね。これにも栄養素がいろいろと入っているみたい。
冷蔵庫で立てて保管していたから、底に麹の粒がたまっていた。

砂糖不使用とは思えない甘みで、ゴクゴクと朝から一本、エネルギーチャージ。今日1日、元気でいられる気がする。
②濃縮タイプの2色の有機甘酒を飲む

発酵セットのラストは濃縮タイプの甘酒2種類。右の古代米甘酒には黒米が入っていて、紫っぽい色がかわいい。
濃縮タイプの甘酒は、1:1の割合で水と混ぜて飲む。

だいたい同じくらいの量を注げばいいから、わざわざ計量カップを出す必要もない。好みに合わせて甘さを調整できるのが濃縮タイプのいいところ。
紫色の古代米甘酒は牛乳で割ってみた。

ん、これは……
和のグラノーラだ!
飲むというより、食べる感覚。黒米の粒々食感で、まるでグラノーラを食べているかのよう。
グラノーラにはフルーツ入ってるよなあ〜と思って、私の大好きなブラッドオレンジのドライチップスを入れてみた。

甘酒の甘みと柑橘の酸味がとてもよく合った。他のフルーツでも合うのかな? 試してみよう。
③甘酒を料理にも使ってみる

甘酒を使いこなしている人はお砂糖代わりとしても使っているらしい。という情報を聞きつけて、お昼に甘酒入りの卵焼きをつくってみた。
いつもの卵焼きが、ちょっと上品な甘さになる。砂糖をガバガバ入れるのには抵抗があるようなとき、卵焼きに限らず他の料理にも、砂糖がわりに使うことができるよ。
④ヨーグルトと一緒に甘酒を食べる

夜のデザートにも甘酒。
黒米の甘酒をヨーグルトと交互に重ねてみた。簡単なのにパフェっぽくて可愛いでしょ?

この色、なんかに似てるなあと思ったら、イチゴジャムをヨーグルトに入れて混ぜた時の色にそっくり。甘酒はジャムよりもさっぱりとした甘みで、いくらでも食べられそう。
甘酒は飲むだけじゃなくて、食べるという表現もできるってこと、初めて知った。まだまだ知らないことだらけ、もっといろんな使い方を試してみたい。
ところでどんな人がつくっているの?

今まで紹介してきためちゃうま発酵食品をつくっているのは、宮城県遠田郡美里町カネサオーガニック味噌工房さん。
発酵食品に欠かせないお米や大豆を育て、加工までを一貫して行っている。
栽培だけじゃなくて、加工場まで有機JAS認定を取得したんだって。正真正銘の「オーガニック」だ。なんだかすごく安心感がある。

東京都世田谷区の松陰神社前駅の近くに、直営店もあるとのこと。発酵って昔ながらのイメージでなんとなく地味っぽいけど、ここはおしゃれな店内で親しみやすい。

直営店の店内(Facebookページより引用)
近くにいくことがあったら立ち寄って、ぜひいろいろお話したいな。つくっている人に会いに行ける場所があるって、とても嬉しい。

お店のブログより引用
お店のホームページには、とてもそそられるお料理のレシピも紹介されている。ちょっと凝った料理をつくりたいときには、これを参考にするのもいいね。
* * *
「良い素材はシンプルな味付けで十分」といわれるけれど、調味料にこだわることも、おいしい料理に欠かせないものなんだなって実感した。
甘酒だって、水さえあればいつでも簡単に飲めるから、毎日の習慣にするのも苦にならない。というか、おいしいから毎日飲みたくなっちゃうのよね。
発酵食品が身近にある生活をしていると、それだけでなんとなく健康な気分になれる。無理なく続けられる発酵食品生活、あなたも一緒にたしなみませんか?
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文=尾形希莉子