平成の百姓一揆イベントレポ① 高橋博之が語る「ポケマル国」とは?

去る2019年2月23日、東京・渋谷ヒカリエにて、【平成の百姓一揆 千秋楽】を行いました。その濃厚なイベントの全貌を、数回に分けてお届けします。

今回は第1弾。ポケマル代表高橋博之の演説ダイジェストです!

 

目次

 
     ここに目次が表示されます。    

これまでのあらすじ

みなさま、こちらの記事を覚えていらっしゃいますでしょうか。

▲画像をクリックすると記事が開きます


まだ読んでいない方のために要約しますと、このような内容です。

2018年に日本全国を駆け巡り平成の百姓一揆を行なっていたポケマル代表・高橋博之は、2019年2月23日、ついに47都道府県最後の地となる東京・渋谷で、【平成の百姓一揆 千秋楽】を開催することにしました。

ポケマル編集部では、謎に包まれた一揆の概要を探るべく高橋本人にインタビュー。意気込みを語ってもらい、やる気に満ち溢れていることは十分伝わって来ましたが、インタビュー中に「ポケマル国」という構想を漏らし、参加者が集まらなかったときの撤退宣言までしてしまいましたとさ。

ポケマル豆知識:「ポケマル国」とは?

生産者と消費者の距離が近く、1人ひとりが自分たちの「食」に対する当事者意識を持っている世界。高橋は国王として「世直しは、食直し」を提唱し、エンゲル係数が高い人が尊ばれる世界を目指している。……が、国王一人では達成できないため、国王を支える国民募集中!!


で、300人集まってもらえたの?

一揆参加者300人集められなかったらポケマル国をやめる!

そんな逆公約を掲げた以上、読者のみなさまが気にしているのはまず参加者数、そしてポケマル国の存続だと思います。当日も来場された方から「目標は達成したのか」という厳しい質問が飛びました。


では、当日の会場の様子をご覧いただきましょう。


\じゃん!/


\じゃん!/


\じゃん!/


✌️✌️✌️一揆ぎっしり✌️✌️✌️


ポケマル国は危機を脱したようです!

演説前に安堵の表情を浮かべる高橋を激写。めでたしめでたし。


逆公約は見事破られましたので、安心して一揆レポートをお読みくださいね~。


国王演説ダイジェスト

ラスト百姓一揆スタートを飾ったのは、一揆の首謀者の高橋博之の演説。全国各地で語り続けてきた熱い思いを、消費社会の中心地・渋谷で語りました。

当日は1時間を超える大ボリューム&熱量マシマシ演説でしたが、それを全て文字にするとすごく怖い文字量になってしまいますので、ここでは5つの要点にしぼって、首謀者の思いをお伝えします。


んな文字量どってこたぁねえよ! 全部聞かせてくれよ!

という高橋博之ファンの方は、ぜひ『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡(高橋博之著)』という新書が光文社さんから出版されていますので、図書館や本屋さんで探してみてくださいね。


①生産者と消費者の”ツルツル”な関係では、食べ物の価値が落ちていく。

世の中には食べ物があふれており、日本の生産現場が大変だと叫んでも消費者には伝わりません。人は誰もが食の当事者であるにも関わらず、生産現場に知り合いがいないから、都市と地方の関係性がツルツルしているから、共感できないんです。

食べ物をつくる世界の魅力が伝わらないと、食べ物の価値が落ちていきます。そこで語るべきは、商品そのものの魅力よりも、食べ物がつくられるプロセスです。それは農家漁師にしか語ることができないものです。


②自然の営みを排除してきた人間は、生と死の実感を失ってしまった。

食は本来、とても人間らしい文化的な営みです。食を通して関係性を育むのは人間だけとも言われていますが、今は単なる栄養補給をするだけの工業的なものになりつつあります。

人間は自然の営みを排除し続け快適性を手に入れました。しかし、大切なものがポッカリ抜け落ちてしまった感覚がないでしょうか。それは、生と死の実感です。


③消費社会に”被災”した都市住民が、地方で「生きること」を教わり、生を取り戻した。

お金を稼ぐために仕事をして、けれどなんのために生きているか分からない──生を持て余している人々が増えています。その背景は、死を考える機会が減少したからでしょう。締め切り(≒死)がない中で生きていては、生きる実感が持てません。

そんな中、2011年3月11日がやってきました。津波に襲われた被災地では、生と死が陸続きになりました。そしてそこに、生きることに悩みもだえていた都市住民がボランティアとしてやってきました。

僕はそこで、助けるつもりでやってきたはずの彼らが、被災した人々から「生きるのはそんなに難しいことではない」ということを教わり、価値観を大きく揺さぶられて帰って行くという現象を見ました。

都市住民が被災地で「生きること」を復興してもらったのです。


④都市と地方をかき混ぜ、両者融合の文化をつくりたい。

被災地で見たような価値観の揺さぶりを、震災の時だけでなく日常でも起こしたい。そんな想いから、私は生産と消費を繋げるために動き出しました。

自分が生産者になることはできなくても、都会にいながらでも、誰もができることを考え、「食べる通信」や「ポケットマルシェ」を始めたのです。

地縁血縁による都市と地方の繋がりはいずれ分断しますが、そこをかき混ぜることで両方の良いところを抱き合わせ、文化を形成していきたいです。片思いではなく、長続きする両思いの関係性を作り上げます。


⑤いざ行こう、ポケマル国へ。生産と消費が繋がる世界を作る仲間を募集。

食べ物を作っている人たちが食べられない世界は、とても情けないと思います。

私たちは「安ければ良い」という消費社会を作り上げた共犯者です。

この社会は、私ひとりで叫んでいても変えることができません。しかしたくさんの作り手・食べ手・関係者がグラウンドに立ち、みんなで前に進めば変えられるのではないでしょうか。

ぜひポケマルの船に乗って、一緒に生産と消費が繋がる世界を作る側に回って欲しいと思います。


一揆ははじまったばかりだ!

エンゲル係数が高い人が尊ばれ、生産者が子供達からエンターテイナーとして憧れられている……そんな経済圏に賛同する人たちと一緒に社会を作っていきたいです


このように語る高橋ですが、ではこれからポケマル国ではどのような社会が作り出されるのでしょうか。

その片鱗は、実はすでに存在しています。ポケマルがスタートしてから約2年半。その歴史の中で実際に生まれた具体例を次回公開します!

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文=尾形希莉子、編集=大城実結・中川葵、写真=中川葵


さあ、今日のポケマル最新出品をチェックしよう!


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