ポケマルオフィスでの何気ない会話から始まった山形VS宮城の芋煮バトル。
前半では、こだわりの食材、作り方、ベストシーズンを聞いていく中で、それぞれの芋煮愛を思う存分ぶつけ合ってもらいました。
みなさん、前半の戦いの様子はもうチェックして頂けたでしょうか?
前編はこちら:山形VS宮城 仁義なき芋煮バトル!東北出身者が芋煮を語り尽くしたよ
「芋煮はコミュニケーションでありエンターテインメント」
と話す二人の熱量に圧倒され、「あれ?芋煮って想像していたよりも奥が深いのかもしれない」なんて思ったりもしましたが、やはり聞いただけではよくわかりませんでした。
関東出身で本当の芋煮を経験したことがない私には、山形内陸風はちょっと田舎っぽい鍋のようなもの、宮城風は豚汁というイメージです。
東北のソウルフードと呼ぶに相応しく、お料理としてより美味しい芋煮はどっちなんでしょう?私はこの秋、どっちの芋煮を作ればいいんでしょう?
これは実際に食べてみないと決められない。
ということで、山形と宮城、どっちの芋煮が本当に美味しいのか、実食をして決着をつけることにしました!
みなさんもご一緒に最後までこの戦いを見届けてください。いざ、実食編スタート!!!
芋煮ができるまで。
1. 今回の芋煮の主役

まずは美味しい里芋が無ければ戦いは始まらない!ということで、今回は千葉県の古内さんの里芋を使用しました。
一つ一つ丁寧に皮を剥いていきます。

2. 山形・宮城の食材比較

これだけは絶対外せない、仙台味噌と味マルジュウ。
東北のソウルフード芋煮には、東北地方内でも地域によって様々な味付けがあります。だから、味の決め手になる調味料はとても重要なのだそうです。
仙台風には仙台味噌を、山形内陸風には出汁醤油の「味マルジュウ」です。それにしても、二人ともいったいどこで手に入れてきたのでしょうか?
里芋と味噌・醤油以外の材料は近所のスーパーで調達してきました。ここは仲良く分け合います。

ネギが被ってるよ!!と大人げない山形代表と余裕そうな宮城代表。
今回の芋煮の材料を紹介します。まずは山形。やはりシンプル。

お次は宮城。やはり豚汁感は拭い去れないか……。

3. 芋煮の調理風景ダイジェスト
ではさっそく作っていきましょう! なお、屋外でざっくりと作る芋煮ですので、分量はきちっと量りません。
まずは山形チームから。
牛肉をさっと炒め、味マルジュウと砂糖で味付けします。すき焼きのようにするのだそうです。

肉の色が変わったくらいで、一旦牛肉を引き上げます。

次にささがきにしたゴボウを炒めます。ささがきがとても細かいのは本人の性格によるものだそうです。

先ほど皮を剥いた里芋をぶつ切りにします。里芋の繊維方向に対して垂直に切るのがポイントだそうです。

切ったら牛蒡を炒めた鍋に入れ、水を足して煮込み開始!
対する仙台チームは山形のような難しいことをしません。鍋に大きめに切った里芋とささがきにしたごぼうと水を入れ、火にかけ煮込み開始!

人参と手でちぎったコンニャクも投入します。

両者の鍋が並んで煮込まれています。

里芋に火が通るまで煮込んだらふたを開け、その他の材料を投入していきます。
宮城チームは、バラしたしめじ、包丁で切ったネギをどさっといれます。

さらに、鍋の上で白菜を手で大胆にちぎっていれます。サバイバル感がキッチンに漂います。
おおっと、山形はマイタケをバラしてから、結んであるしらたきもバラしはじめた!
なぜせっかく結んであるのにほどくのかと尋ねると、ほどいてあるのが山形内陸風だからとのお答え。

現時点で、両者の鍋の中身はこうなっています。

再び煮込みます。

山形の鍋からみてみましょう。

宮城に比べると具の種類が少ないですが……この鍋に豆腐を基本に忠実に、手の上で切って入れます。

一方宮城は、具材の火の入り具合を確認しながら残りの具材を足していきます。
豚肉を投入!

豆腐も手でむしり取って投入!

隣では山形が味付けをはじめた……! 宮城、おいて行かれるのか!?

酒を入れてから、砂糖をいれます。本当に量らないんですね……。

そしてついに……!

味マルジュウだーーーー!

そして……仙台味噌だーーーーー!

仙台は味噌を溶いてから、お砂糖を袋から直に投入!!

山形は最後にネギを入れて……

はい! ここでコンロの火が消えました! 作業開始から約1時間です。

芋煮ができあがった!

左:山形内陸風、右:仙台風
完成〜!!!
さて、どんな仕上がりになっているのでしょうか。やはりお互いの芋煮が気になる様子。

——実食の前にそれぞれから一言ずつお願いします
強気の宮城と、冷静を装う山形。さて、勝利はどちらの手に?
実食!
具だくさん宮城。ご飯に合いそうですね〜!

シンプルな山形。見た目はなんだかすき焼き風?

審査員として、ポケマルスタッフが集結しました。山形内陸風と宮城風、どっちの芋煮がより美味しいのか……ついに結論が出ます!

審査員に渡す芋煮を器に盛る二人。力を出し切ったすがすがしい表情です。


それではみんなで手を合わせて〜いただきます!!!

勝利はどちらの手に?結果発表。
——全員の投票が終わりましたので、さっそく開票していきたいと思います。

気になる一票目は〜
山形!!!
宮城代表、動揺が隠せません。このまま山形に試合の流れを取られてしまうのか……

と思いきや……あれ?

わーい!

……と思いきや次の瞬間には、えぇええええええ〜!?

その後も一進一退を繰り返し、なんと最後の一票を残し、同点に!! なんだかドラマチックな展開になってきました〜!

と、いうことで勝敗を分ける最後の一票を岩手県出身ポケマル代表の高橋が開票します!

このなんともいえない表情にみんなそわそわ。勝者は……

山形〜!!!

ということで今回のポケマル芋煮対決は、山形が勝利しました〜!

ポケマルスタッフに感想を聞いてみました。
——なかなか素晴らしい戦いでしたね〜。ちなみにみなさんどっちに入れたんですか?

ヌノイ「私は山形です。実は1, 2年前にカタギリさんが芋煮を作ってくれたんですけど、それがほんっっとに美味しくて。あの味をもう一度食べたいな〜ってずっと思っていたから、今日やっと食べれました」
マルヤマ「私は仙台に一票。仙台の味はほっとするんだよね。寒い日に毎日食べたいなぁって思った」
——確かに仙台風は豚汁感強いから、朝ご飯とかにも食べたいですよね。山形はすきやきっぽくてちょっとご褒美感がある芋煮でした。
ホソゴエ「僕は山形派ですね。仙台は味噌味だから食べ慣れた味だったんだよね。僕も関東出身で、芋煮に対する期待感があったからこそ、やっぱ仙台風って豚汁じゃん?って思いました」

ナカヤマ「ぼ、ぼくはイシカワさんが同じチームで働いているから仙台にしました」
タカハシ「おい!それは芋煮忖度だ〜〜〜〜〜〜!!!」

ナカヤマ「い、いやっ、も、もちろん具だくさんがすきだからですよ!」

スタッフ一同「でも正直両方めちゃくちゃ美味しくて、どっちにしようか最後まで迷ったよね〜」
* * *
というわけで!
芋煮バトルはわずか1票差、山形の勝利で幕を閉じました。最後まで見届けて頂いたみなさま、ありがとうございました。
わたしは芋煮バトルを見届ける間、自分の地元のソウルフードってなんだろうなと考えていました。しかしいくら考えても芋煮に匹敵するものは思い浮かびません。
そんな私はふと芋煮バトルのことを忘れ、2人がこれほどまで真剣に、熱く、地元のソウルフードについて語る姿に正直とても羨ましくなっていました。
でも……たとえソウルフードがなかったとしても、生まれ育った地元の味・家庭の味というのはきっといつまでも変わらず私たちをほっとさせてくれるものだと思います。
たまには仲間と地元の料理を持ち寄って、地元自慢をするのも楽しそうですよね😊
みなさんのソウルフードはなんでしょうか? 地元の生産者さんの食材を使ったごちそうさま投稿も、お待ちしております。
せっかく秋も深まってきましたし、来週末は仲間と集まって芋煮会でもしてみませんか?

「ごちそうさまでした〜!!!」
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文=日野原有紗