
年々深刻化している気候変動。みなさんは、何か環境の変化を感じているでしょうか?
私たちの食べものをつくってくれている生産者さんたちは、自然と向き合う中で日々環境の変化を感じ、また、すでに生産活動において様々な影響を受けています。
そんな生産者さんたちの状況を、少しでもみなさんに知ってもらいたい。そして、私たちにできることを一緒に考えていきたい。
ポケマルでは、自然環境の変化に直面する生産者さんたちの声をお手紙の形にして、連載形式でご紹介していきます。自然からの警告を「炭鉱のカナリア」のように私たちに伝えてくれている生産者さんの声を、まずは知ることから、一緒にはじめませんか?

石川県金沢市で野菜を栽培している鍋嶋亜由美です。
農業に携わって15年が経ちますが、10年ほど前から天候の変化をじわじわと感じています。特にここ5年は変化が大きく、「例年」という言葉が使えないぐらい天候が読みづらくなっています。
播種の時期や収穫の時期も読みづらいため、やるべきときにやるべき作業ができません。また、夏野菜ですら暑さについていけずに弱ってしまったり、春に董立ちしてしまったりするなど、ロスが出やすくなりました。
以前は年間80〜100品目の野菜を栽培していましたが、今は品目数を減らして野菜セットの出荷に特化することで、経営への影響を小さくしています。

やるだけやっても手に負えないこと、自分の力ではどうしようもないことが増えてきています。SNSなどでいつも私たちの取り組みを見ている方は、こうした状況を理解して買ってくれます。ですが、産直ECを使われている方が全員、生産現場のことを理解してくださっているかというと、そうではありません。
なので、自然環境の変化も含めた生産現場のことを、より広く知ってもらえるように活動しています。
たとえば、農業体験の企画や、収穫したての野菜をレストランで調理して振る舞う企画をしている方と組んで、直接お客さんに生産現場について伝える機会を持っています。また、環境活動をされている方をお呼びして、私たち農家が感じている環境変化と合わせて、私たちの健康や命をまもっていく上での環境の大事さをお客さんへ伝えるイベントを行っています。
日々の暮らしの中で、生産現場や環境のことまで意識する方が増えるとうれしいです。


自然環境の変化を含む、生産現場でのさまざまな変化について、私たち消費者の理解も必要だということを、生産者さんはよくお話しされます。
生産現場との接点が少ない私たちは、それを自分ごととして捉えることがなかなか難しいかもしれません。でも、生産者さんを通して、変化について知ること、理解すること、心を寄せることはできると思います。
生産現場の変化は、やがて私たちの食卓の変化にもつながります。生産者さんの「カナリアの声」が、みなさんの食に対するあり方や暮らしそのものについて、改めて考えるきっかけになれば何よりです。
まだまだ知られていない、生産現場の変化のお話。生産者さんの「カナリアの声」を、ぜひ周りの方にも届けてください。
今回お話をお聞きした生産者さん
Producer

※2021年8月時点での取材内容です。
前回・次回の記事はこちらから
生産者さんからみなさんへ 〜自然環境の変化と向き合う#カナリアの声〜 vol.9 酪農を営む宮嶋望さんより

生産者さんからみなさんへ 〜自然環境の変化と向き合う #カナリアの声〜 vol.11 延縄漁師の鈴木重作さんより
