殻も身も超特大!漁師直送の夜光貝を買って捌いて食べてみたよ

こんにちは。ポケマル編集部のおおしろです。

身は食用として、殻は装飾品の材料として、昔から人々に重宝されてきた夜光貝。スーパーや魚屋では滅多に出合えないレア食材のひとつです。

今回は鹿児島県徳之島の早川達也さんが獲った夜光貝を我が家にお招きしまして、実物を観察し、捌いて調理して、食べてみました。

目次

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我が家に夜光貝がやってきた

冷凍便で届いた小包を開けると、ウミガメのポストカードと可愛らしい包みがお目見え。どことなく漂う南国情緒が嬉しいですな。

ポストカードの裏にはメッセージがぎっしり。

あまり見慣れない食材だからこそ、夜光貝の知識や食べ方が書いてあるのはとても心強いです。

取り出してみましょう……って、うわ〜っ! これは!

見た目は「巨大サザエ」。広辞苑で調べてみるとサザエと夜光貝は近縁種。両者とも同じリュウテンサザエ科なのだそうです。

持ち上げるとずっしりとしています。今回購入したのは900gの夜光貝を2つ。

筆者のスマートフォン(iPhone SE2)とサイズを比較してみます。

重量感や大きさにも驚きですが、やはり目を引くのが貝殻内側の美しさ

乳白色のなかに虹色の光沢がきらきらと輝いています。

家にあるもので捌けます。夜光貝の捌き方

さて、夜光貝を捌いていきます。こんなに大きな貝を捌いたことがないので、内心どきどき。初心者でもうまく捌けるでしょうか。

<必要なもの>

  • 牡蠣ナイフ(マイナスドライバーでも可)
  • 包丁
  • 軍手

①夜光貝を殻ごと解凍する

冷凍状態で届くため、まずは解凍します。自然解凍でも流水解凍でもどちらでもOKとのこと。

今回は流水で約20分ほど放置します。10分を過ぎたころから、夜光貝の中から藻などがふわふわ出てきました。磯の香りも強くなったような気がします。

20分で取り上げてみました。どこまで解凍できたかわかりませんが、これで一旦捌いてみましょう。

②夜光貝の蓋を外す

最初に行うべきは、夜光貝の蓋を外す作業です。

生産者の早川さんはマイナスドライバーをおすすめしていましたが、筆者は自宅にあった牡蠣ナイフを使ってみました。

ステーキナイフのように、蓋と身の間に差し込めるような平たい道具であれば代用になりそうですよ。

なお、これからの工程は貝殻とナイフで手を切るおそれがあるため、必ず軍手を着用するようにしましょう。今回筆者は着用を忘れていますが、これは悪い例です。

グッグッと蓋の裏に牡蠣ナイフを押し込んでいきます。身がみっちり蓋にくっついているため、ナイフを入れる場所を変えながら、少しずつ剥がしていきました。

この間、蓋内側の様子は見えないため、牡蠣ナイフに伝わってくる感触だけが頼り。探りつつ剥がしていくと……

ポコッと取れました! 蓋に身が残ってしまったのがもったいないですが、次に進みましょう。

③殻の中から身を引き抜く

次は殻の中に牡蠣ナイフを差し込み、中身全体を引き抜いていきます。早川さんによると、身と貝殻がくっついているのは、赤く記した部分とのこと。

牡蠣ナイフを差し込んでみると、確かに赤く記した部分だけ身がくっついている感触がありました。貝殻の内側を傷つけないように剥がしていくのですが、これがなかなか難しい。

貝殻の外側は深緑と茶色、ほんのり紅色の野性味あふれる柄でした

牡蠣ナイフを差し込んでは中身をグイグイと引っ張る作業を黙々と続けます。数分間続け、果たしてこれで正しいのか不安になりかけた頃、ぐぐっと手応えが。

ずるずる……

にゅぽんっ

う、うわーっ!抜けたっ! 肝も破れずに出てきました。

引き抜く際はむやみに引っ張るのではなく、時計回りに身をねじりながら抜くとスムーズに取れるようです。

それにしても迫力のある見た目。こうして改めて見てみると、SF映画のクリーチャーとして登場しそうな生物ですね……。

④内臓と頭をを切り離す

巻貝のからだは、貝殻の奥にある内臓塊(いわゆる「キモ」の部分)と、殻口付近にある頭足塊とに分かれています。まずはこれらを切り離し、内臓を取り除きます

上の写真の緑色の部分が内臓塊。包丁できれいに取り除いていきます。

内臓塊の先端のクルクルしている部分(消化腺)は小さく切って食べられるとのことですので、皿に移して保管しておきましょう。

残った身(頭足塊)はこちら。

あれだけ巨大だった夜光貝も、内臓を外すとだいぶコンパクトに感じます。

⑤頭足塊から歯舌を取り外す

次は頭足塊から夜光貝の歯にあたる「歯舌(しぜつ)」と呼ばれる部分を取り除きます。

図鑑*によると、歯舌は二枚貝を除くすべての軟体動物がもっている器官。ヤスリのようになっており、ここでエサを削り取って食べているのだそうです。

*参考:小学館の図鑑NEO「水の生物」

歯を取り除くため、まずは上の写真の赤い線の部分を包丁で切ります。すると、断面に赤い点が現れました。

この赤い部分こそが夜光貝の歯舌なのだとか。固くて食べられないため、切り込みを入れて取り外します。

裏に返すと頭とおぼしき部分を発見。こ、これは確かに、いきものの頭っぽいぞ……!

図鑑と照らし合わせてみると……なになに、写真中央の茶色の物体から左右に飛び出しているのが触角。その付け根脇に目が付いているのだそうですよ。

⑥食べやすいようにカット

歯舌を除いた後の頭足塊ははすべて可食部ですが、部位によって柔らかさがかなり異なります。

それぞれの部位ごとに食べやすいよう切っていきます。

最終的に残った身(消化腺を除く)はぴったり100gでした。

夜光貝のお味は? あら、淡白で食べやす〜い

刺身や焼き、煮込みなど、夜光貝の食べ方は実にさまざま……とのことですが、筆者にとっては初めて食べる貝なので、いまいちイメージがわきません。

物怖じせず、いろいろ試して食べてみましょう!

柔らかい部分は刺身がぴったり

まずは、夜光貝の素の味を知るため、お刺身からいきます。

刺身に選んだのは、触ってみてふにゃっと柔らかな白い部位。見た目はどことなくツブ貝に似ています。

「夜光貝の貝殻をお皿にして盛り付けるのも素敵ですよ」という早川さんのアドバイス通り、貝殻を使って盛り付けてみました。それではひと口。

潮の香りを感じつつも、身は淡泊な味わいです。旨味というよりはまろやかさが強く、九州の甘口醤油が合いそうな気がします。

食感もツブ貝とホタテを足して2で割ったような独特なものでした。

せっかくなのでオリーブオイル、刻みニンニク、塩胡椒と和えて、夜光貝のカルパッチョも作ってみました。

身の味わいはスッキリとしているため、オリーブオイルともしっかり馴染みます。

夜光貝の肝はオトナの味

さて、肝(消化腺)は……どうしましょう。肝自体はサザエで見慣れているものの、夜光貝の肝はとにかく大きい。ここまで迫力があると、思わずたじろいでしまいます。

それにしてもこの肝はどんな味なのか……。物は試しと一口ぺろり。

濃厚な潮の香りと追いかけてくるような苦みと旨味。う〜ん……味が強すぎて、肝を肝のまま食べるのはちょっと難しいのかもしれません。

生産者早川さんのおすすめ料理は「肝バター炒め」。1cmだけ切り取った肝を、醤油、バター、にんにく、ぶつ切りした夜光貝の身と炒めます。

肝は具材としてではなく、風味付けとして使うと良いようです。おとな向けの旨味調味料として、早川さんの指南通り、少しだけ使いましょう。

こってり肝バター炒めができました。

あ〜、これはまさしく酒のアテですね。オトナ味です。

好みによりますが、肝はほんのちょっとでも大丈夫そうですよ。より濃厚な海の味を楽しみたい人は、肝の量を増やすか、良く刻んでから炒めると良いかもしれません。

固い部分は食感重視のぶつ切りで

蓋にくっついていた部分の身は、刺身で食べた部分よりもかなり固く、細かくカットしたほうが良さそうです。小さく角切りにしてスパイスのマリネや、アヒージョに入れてみました。

生でも火を通しても、しっかりとした食感があり食べ応えは十分。味わいはお刺身と同じく淡泊なので、どんな料理にも違和感なく溶け込みました。

夜光貝は見た目の迫力に反して上品なお味だった

捌き終えるまでは巨大な姿に圧倒されましたが、食べてみると素朴で優しい味わいにほっとしました。

丸ごとの魚に比べれば簡単に捌け、なおかつ捌き甲斐は抜群なので、手応えのあるものを捌いてみたい人にはぴったりと言えるでしょう。

食後は夜光貝の殻を観察してみよう

食後に残ったのは巨大な貝殻。改めて観察してみます。身がなくなると内側もよく見えるようになります。

わ〜、つやつやできれい。虹色の光沢はずっと眺めていたくなる美しさです。

太陽光を反射させるととてもきれい

図鑑で夜光貝の歴史を調べてみると、このように説明されていました。

夜光貝の内側には光沢のある真珠層があります。貝殻を薄く削り、工芸品などに貼り付けて模様をえがく螺鈿(らでん)細工の材料として、夜光貝は重宝されてきました。日本には奈良時代に大陸から伝わりました。

参考:小学館の図鑑NEO「水の生物」

遥か昔から、宝石のように大切にされてきた夜光貝。このまま飾っておくのも良いけれど、やっぱり磨いてみましょうか!

次回は夜光貝の貝殻磨きにチャレンジします! 

が、ピカピカへの道のりは長く……?

to be continued…

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取材・文・写真=大城実結/編集=中川葵

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