最高級「白山のだだちゃ豆」はガチで美味しいよ! その理由を農家さんに聞いてみた。

スナック菓子がテーブルの上に並んだ途端、子どもたちは一斉に歓声を上げて夢中で食べ続けてしまう……。

そんな光景に頭を悩ますお母さん・お父さんは少なくないのではないでしょうか?


一方、山形県庄内地方のとある農家さんの家庭では、スナック菓子ではなく一風変わった食材が子どもたちを虜にしています。

子どもたちがおいしそうに頬張っているのは、なんと豆。それも、「だだちゃ豆」と呼ばれる枝豆の一種です。

それを口の中に運ぶ手は、もう誰にも止められません!


独特な香りコク強い甘みなどが特徴の「だだちゃ豆」。昨年購入した方からも、「濃厚!」「甘い!」との声がコミュニティに続々寄せられました。

最もおいしく味わえる時期は8〜9月……!そう、旬のスタートが間近に迫っているのです!


と、いうわけで、昨年8月に公開しただだちゃ豆インタビュー記事を再掲載。だだちゃ豆の本場、山形県鶴岡市の渡部康貴さん に聞く、だだちゃ豆のイロハをお送りします♪

Producer

渡部康貴(與惣兵衛)|山形県鶴岡市

「與惣兵衛(よそべい)」は江戸時代から続く屋号で、代々農業を営んでいます。土と触れ合い、自然と寄り添い、命を創る。 工業製品のような生産効率などでは図れない、コントロール出来ない大自然の中で作った「だだちゃ豆」を、是非価値のわかる方に食べて頂きたいです。

「だだちゃ」って何?

「だだちゃ豆」とは枝豆用に栽培される大豆の一種で、山形県庄内地方の特産品です。

「だだちゃ」は庄内地方の方言で「おやじ」「お父さん」を意味し、江戸時代に庄内藩の殿様が「この枝豆は、どこのだだちゃの作った豆だ?」と尋ねたことが由来とされています。


——他の枝豆と何が違うんでしょう?


一般的な枝豆は、1つのさやに3〜4粒の豆がついていますが、だだちゃ豆はなぜか2粒のものが多いんです。

あと、枝豆はさやの表面に白い産毛を生やしていますが、だだちゃ豆の場合は産毛が茶色っぽい。だから、決して見栄えはいいとは言えませんね(笑)。


——味にも特徴があるんでしょうか?


茹でるとトウモロコシのような甘い香りが一気に広がります。

お客さんからは「味が濃い」「風味がいい」などとよく言われますね。「これを知っちゃうと、他の枝豆は食べられない」という声もよく聞きますよ。


渡部さん家の食卓に現れた「だだちゃ豆」


だだちゃ豆は、山形県の庄内地方特有の気候だからこそおいしく育つと言われています。

他の地域で同じような味を出そうとしても、なかなかうまくいかないんだそう……。

その中でも、渡部さんが生産する鶴岡市白山地区は本場として知られています! しかも、渡部さんが育てる品種は江戸時代から先祖代々、受け継いできた伝統の味なんです。

——江戸時代から受け継いできたとは驚きです!


毎年種を採取しては植える作業を繰り返し、しかも他のものと交配しないように注意しながら、先祖代々受け継いできました。

現代は品種改良の技術が向上していますが、その逆を走り続けています(笑)。


——白山地区はなぜ「本場」と言われているんでしょうか?


江戸時代にこの地区で栽培されていたことから、発祥の地とされています。

庄内地方特有の気候に加え、白山地区の多くの農家はそれぞれ先祖代々、その家だけの種をずっと継承しています。つまり、一軒一軒がブランドになってるんです。

それと、近くに温泉が溶け込んだ湯尻川が流れていて、朝方、その川の水が霧になって畑に降り注ぐことから極上の味になるとも言われています。



だだちゃ豆は「お盆すぎてから」が狙い目

そんな渡部さんが江戸時代から受け継ぐ伝統の味は、8月のお盆のあたりから数週間が最もおいしく食べられる時期なんだそう!

だだちゃ豆は収穫時期が短いこともあり、渡部さんは「毎年この旬の時期を狙って、注文する人も多い」と言います。


——8月のお盆の時期が最もおいしいと聞きましたが……。


お盆のあたりから8月いっぱいくらいまでの期間に収穫したものが、1年の中で最もおいしいです。

それをよく知っている人は、毎年「8月15日以降の豆をください」などと収穫時期を指定して注文してきますよ。


——おすすめの食べ方はありますか?


シンプルに、茹でてそのまま食べてもらうのが、僕の一番のおすすめです。味噌汁に入れる人もいるらしいですが、我が家ではやりません(笑)。

調理をするとどうしても他の風味と混ざってしまうので、豆そのものの味や香りが薄くなってしまいます。


——「食べ始めると止まらなくなる」って本当ですか?


はまってしまうと止まりません、要注意です(笑)。我が家では、子どもがずっと食べ続けるので困ってます。

食べやすいのも理由でしょうね。お客さんの中には、10kgや20kg単位で注文してくれたり、1人で2kgをぺろっと食べちゃう人もいます。


だだちゃ豆を前に手が止まらない渡部さんのお子様たち


——「レンジパック」も販売してますね?


今年から販売を始めた新作です。レンジで蒸すと風味がさらに立つので、個人的には茹でるよりも好きです。


——調理が簡単そうですね!


パックに入っている豆を軽く水で洗ってもらい、レンジにかけるだけです。そのときに残った水分によって、うまい具合に蒸し上がります

熱いうちにパックの中に塩を入れてシャカシャカ振ったり、冷やして食べてもおいしいですよ!


——それは便利ですね!ありがたいです!


現代の生活スタイルは、どんどん変化しています。若い人が手軽に食べられるように、忙しい主婦でも手に取りやすいように。そんな思いで開発しました。


人の命を背負う、農業という職業

江戸時代から先祖の味を長く受け継いできた與惣兵衛ですが、渡部さんが実家に戻ったのは今から数年前のこと。

それまでは、東京でエンジニアをしていました。何がきっかけで農家に? そして、これからどんな農業を目指すのでしょう?


——故郷に戻り、農業を始めた理由は?


実際に戻る少し前から「農業やってみたいな」「経営や個人事業もおもしろそう」などと思っていました。

だんだん両親も病気がちになってきたので、親父たちと相談して決めました。


——奥さんの反応が気になります(笑)。


最初は猛反対されましたね(笑)。 でもあきらめずに説明を続けるうちに、なんとか納得してもらえました。


——これからいよいよ、伝統を受け継ぐ立場になるわけですね。


守るべきもの・変えない方がいいものは大事にしながらも、時代の変化に合わせて柔軟に変えるべきことにはチャレンジしていきたいです。

エンジニアとは違って、農業は自然を相手にしています。少し大げさかもしれませんが、人の命を背負っています。もっと農業の価値が認められるように、頑張りますよ。


江戸時代から、先祖代々受け継いできた味というだけでも驚きなのに、それが全国でも限られた地域でしか栽培されていないという、実に希少な「だだちゃ豆」。

渡部さんは、収穫時期によって香りや味わいが微妙に異なる計10品種の中から、そのときにおいしい品種を届けてくれます。

このタイミングを見逃さず、この機会にぜひ味わってみてください! あ、食べ過ぎには要注意ですよ!


渡部さんのだだちゃ豆の出品はこちら

◎畑からそのまんま! 枝付きだだちゃ豆


◎扱いやすいバラ詰め


◎レンジでチン♪ がはかどるレンジパック付き


ギフトにも。




文=ポケマル編集部

※この記事は2017年8月2日に公開した記事を加筆修正したものです。

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