【3.11から、能登とつながる】「明日は我が身」震災の経験を次に繋いでいく—三重県南伊勢町・橋本純さん

※こちらではポケットマルシェ公式noteにて2024年3月に公開した記事を再掲載しています。


雨風太陽は、2011年3月11日に起こった東日本大震災をきっかけに生まれました。

東北3県を中心に多大な被害をもたらした天災は都市と地方の分断を浮き彫りにし、その大きな社会課題を解決するために私達は挑戦を続けています。

そして2024年1月1日、能登半島地震が発生。石川県能登地方を最大震度7の地震が襲いました。

高橋は発災直後に現地入りをし、当社はこの度の震災に対して炊き出し支援プロジェクト、そして応援商品・炊き出し応援チケットの販売を実施しました。

令和6年能登半島地震を受け、雨風太陽が生産者を金銭面で支援可能な応援商品と、「ポケマル炊き出し支援プロジェクト」をサポートできる応援チケットの販売を開始

そして今年も、私達の原点である3月11日を迎えました。

今回は3月11日よりポケマル公式noteにて、当社代表の高橋と生産者が震災と復旧・復興を語る連載企画を開始します。復旧・復興に取り組む石川県の生産者の声と、炊き出し支援に駆けつけた生産者の声をご紹介し、被災地の現状、生産現場のリアルをお伝えしていきます。

これからも当社は「生産者と消費者」「つくるとたべる」「都市と地方」の分断をつなぎ、かきまぜ、その境目をなくすことで、地方の持続可能性に貢献していきます。

現地への食材提供、そして炊き出し実施。被災地への支援活動を行っている橋本純さん

能登半島地震の発生から2ヶ月以上が経った今でも、1万人以上の方々が避難所生活を送っています。不安な日々を送る方々を「食」で支援したい。そんな思いから始まったのが、ポケマル炊き出し支援プロジェクトです。

本プロジェクトを通して現地に食材を提供くださった生産者は現時点で80名以上、重量にして1.5t以上の食材が炊き出しに活用されています。

この支援活動に賛同してくれた生産者の一人が、三重県南伊勢町で漁業を営む橋本純さん。食材の提供に加え、継続的に現地の避難所にて炊き出しを実施されています。

現地の人との交流が「心の安らぎに繋がっていれば」

1月19日に現地入りをした橋本さんは、輪島市内の避難所へ。持参した鯛めしの素を使って、約100名の被災者に鯛めしを提供しました。2週間以上避難所での生活を送る人たちはかなりストレスが溜まっている様子で、橋本さんと話をするうちに涙が溢れ出す人もいたそうです。

外部から来た人だからこそ話せることも多分あって。ただただ話を聞いて、肩を貸してあげて、それが心の安らぎにもし繋がっていたら、本当に行った甲斐があったなと思っています

翌月の2月25日には輪島市、七尾市にて炊き出しを実施。「両市の被害に違いはあっても、まだまだ復興までの道のりは遠いと痛感した」といいます。

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   2月に実施した炊き出しの様子
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   避難所で生活を送る方々に温かい食事を提供しました

さらに炊き出し実施団体への食材提供にもご協力をいただき、現地では橋本さんの鯛めしの素を使った鯛めし220合が各地の避難所で提供されています。橋本さんのもとには感謝のメッセージが届くこともあり、その活動が被災された方々の支えとなっていることがよく分かります。

鯛めし具材もありがとうございます。水が使えない場所でお米と水と合わせるだけの具材、本当に助かりました。
皆さん、哀しみと震災の辛さで沈んだ心に沁みたようで、皆さんから盛大なお礼を後日、言われました。本当にありがとうございます。たくさんたくさん、助けられました。ありがとうございます。

炊き出し担当の方から届いたメッセージの一部

今後は炊き出しだけでなく、建築関係の分野でも支援を続けていく予定だそう。

「明日は我が身」。いざという時のために自分にできることを

橋本さんが現地へと向かった理由は、被災地、被災者の力になりたいということだけではありませんでした。

橋本さんの中には常に「明日は我が身」という意識があるといいます。

1995年、当時大学生だった橋本さんは大阪府内で阪神淡路大震災を経験。当時は「ボランティア」という言葉も浸透しておらず、統制も取れていないまま、壊れかけた建物の補修などの活動を行っていたそう。2011年の東日本大震災では南伊勢町にも津波が到達。1メートルの津波は養殖業に大きなダメージを与え、5000万円以上の損害が出たといいます。「たった1メートルの津波の脅威を知った」と当時のことを振り返りました。

橋本さんにとって震災は、決して他人事ではありません。

南海トラフ地震もいつか必ず来ると言われている。心構えをしておかないといけない

今回の能登訪問は、いざという時どうやって自分達の身を守るか、どのように地域を守っていくか、それを自分の目で見て学ぶ機会でもありました。災害時の現地のニーズ、必要なオペレーションなど、初めて気づけた部分、学べたことはたくさんあるそう。

第一次産業に関わっている以上、いつだって自然との知恵比べ。震災においては、ものすごい課題を突き付けられてると思ってる

都市部を襲った阪神淡路大震災。漁業にダメージを与えた東日本大震災。そして南伊勢町とよく似た海沿いの地域で起こった、今回の能登半島地震。震災はその時々の課題を生み、同時に橋本さんに教訓を与えてきました。

学びを得て、備えること。避けられない自然災害が起こったその時のために、私達自身も主体的に考えて行動していかなくてはいけないことを改めて思い知らされます。過去の出来事を、これまでの経験を、次に繋げていきましょう。

(取材・執筆:PR 西宮)

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三重県度会郡南伊勢町|友栄水産|橋本 純さんの生産者プロフィール|ポケットマルシェ|産直(産地直送)通販 - 旬の果物・野菜・魚介をお取り寄せ三重県度会郡南伊勢町の友栄水産の橋本 純さんが出品している生産者プロフィールです。日本最大級の産直(産地直送)通販「ポケッpoke-m.com


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