群馬県の北西部、中山盆地に位置する高山村。
豊かな自然に囲まれたこの小さな村で、有機農業に取り組む5人の農業者がいます。
それぞれの考え方や生き方は違っていても、共通しているのは、「この村で農業を続けていく」という意志と、「誰かにちゃんと届いてほしい」という思い。
この座談会では、「なぜ高山村で農業をするのか」「有機という選択に何を託しているのか」「つくる野菜にどんな思いを込めているのか」などを通して、日々の暮らしと、これからのことを語り合いました。
個々の営みを超えて交わされた言葉から、高山村という場所に根づく「人と農と未来」の輪郭が、少しずつ浮かび上がってきます。
座談会参加者


土に触れ、空を見上げ、季節の変化を肌で感じながら営まれている、高山村の有機農業。
それは、ただ作物を育てることではなく、この土地に生き、この土地をつないでいくという意志の表れでもあります。語られた言葉のひとつひとつから伝わってくるのは、「農業をする」という行為の中に込められた、それぞれの思いと覚悟。そして、農という営みが、個々の人生を支え、村という共同体を支え、やがて次の世代へと受け継がれていくものだということ。
「有機」を選んだ5人の農業者たちが、高山村で耕しているのは、野菜だけではありません。この村の未来そのものを、丁寧に、誠実に、手のひらで耕し続けているのです。