「冷蔵庫の中みせてください」ポケマルMGUの茶太郎さんに会ってきました!
公開日:2018.04.10.更新日:2020.08.19.
作り手と食べ手を結びつけるポケマルには、食べ手になった人々のポケマル生活の様子が、「ごちそうさまでした」の文字と共に投稿というかたちで寄せられています。
食べた人たちからの「ごちそうさま」は、生産者さんにとって何よりうれしいもの。そこで、ポケマルでは、多くのごちそうさまを投稿してくださった食べ手の方を、「Most Gochi-ed User(MGU)」と呼んで、毎月勝手に表彰しています。
実は昨年、そのMGUを発表する記事の中で、”ある騒動”が起きていたのをご存知でしょうか。
それは2017年10月にはじまった…
事の発端は2017年10月のMGU記事でした。
10月度に見事第1位にランクインした茶太郎さん。なんと10月だけで28ものゴチ投稿をしているという驚きの事実に、ポケマルオフィス内もどよめきました。
しかし我々は知らなかったのです。これはまだ伝説の序章にすぎないということを……!
翌月度のMGU記事がこちら。
おおおっ……!? 先月よりも投稿数が増えている!
まさかの記録更新。この後、ポケマルスタッフの間で「茶太郎さん」の名前が度々話題に上がるようになりました。
しかし、彼女の大躍進はとどまることを知りませんでした。
翌月、12月度のMGUランキングでは……
51ゴチ、とは一体何事なのでしょうか。
ゴチ投稿が増えるにつれて、比例するように増す「茶太郎さん」という神秘。
日々をどういう風に過ごせば、ここまでのゴチ投稿ができるのだろう。果たしてどんな人柄なのか。もしかすると彼女の周りだけ時間の流れ方が違うのかもしれないぞ……?
ポケマルスタッフで話し合った結果、茶太郎さんは1月度のMGUで『殿堂入り』していただくことに決定しました。おめでとうございます!
茶太郎さんのポケマル開始から2018年3月24日までのごちそうさま投稿数をグラフにしたものがこちらの図です。
さらに、茶太郎烈伝は投稿数だけではありません。彼女の手から生み出される、美しいお料理たちにも魅了されてしまいます。
この料理の手の込み方と頻度……ある意味、ポケマルスタッフよりもポケマルの達人であることは確実です。
もはや神秘。どんな生活をしているの? 冷蔵庫の中はどうなっているの? 1ヶ月の食費ってどうなっているの……?
モクモクと湧き続ける疑問。これはもう、実際にお会いするしかない!!
というわけで、お待たせしました。好奇心でいっぱいのみなさんを代表して、ポケマル編集部が茶太郎さんに突撃取材してきました!
ポケマルの神秘、茶太郎さんと接触!
取材場所として茶太郎さんが指定したのは、ご自身の職場からほど近いという都内のオフィス街。そう、茶太郎さんは週5で会社に勤めるバリバリのキャリアウーマンなのです。
颯爽と現れたのは、パンツスーツとベリーショートヘアがキリリと素敵な女性。彼女が茶太郎さんです。
旦那さんと今年8歳になる息子さん、2匹のネコと一緒に暮らす茶太郎さん。そんな彼女に、さっそく疑問の数々をぶつけていきます!
「冷蔵庫の中、見せてください!!」
時間の使い方も気になるけれど、いちばん見てみたいのが冷蔵庫の中身でしょう。どれだけポケマル食材が占めているのか、どんなふうにやりくりしているのか、スタッフ一同気になっていたのです。
そう言って見せてくださったのがこちらの写真。
すっきりキレイに食材が保管されています。
しかしこれだけだと、どれがポケマルのものなのかよくわかりません。ということで、その場で印をつけていただきました。
それがこちら。青で囲んだものがポケマルで買ったもの、緑がポケマル以外のマルシェで買ったものです。
なんと、冷蔵庫の中の7割がポケマル食材で埋められています。生のものもあれば、保存がきくように加工して瓶やタッパーに詰められているものも。
茶太郎さんの、きちんとしていて丁寧な生活ぶりが伝わってきます。
さらに気になっていたこの質問もぶつけてみます。
「日々の生活のタイムスケジュールを教えてください!」
ただならぬ発言から始まった茶太郎的日常トーク。なにやらここでも凄まじいことが起こっているようです。
というわけで茶太郎さんの1日を円グラフにしてみました。
主に通勤時間でポケマルをチェックして注文。帰宅後、18時半から約1時間で夕飯の支度をしているそうです。
調理時間〜夕食の時間帯に商品が届くよう、【19〜21時】の配達時間指定をするのがポイントなのだとか。
ちなみに週末もポケマル達人ならではの1日を過ごしていると教えてくれました。
旦那さんもマイ出刃包丁を握りしめ、毎週届く魚介類に胸を踊らせているそうなのです。
さらに深くツッコんでいく編集部員。
「食費の支出でポケマルが占める割合を教えてください!」
どよめき立つ編集部員。「ポケマルだけで生活したい!」そんなポケマル愛好家の夢のライフスタイルを実現した人が、今、目の前に……。
さらに鋭く切り込んでいきます。
「ぶっちゃけ、ポケマルって高くないですか?」
茶太郎さんは少し考えたあとで、スパッと返答してくれました。
思いっきり拳を握りしめて立ち向かったのにも関わらず、ひらりと可憐にかわされてしまったような感覚に陥ります。
彼女の語る”ポケマルが高くない理由”。それは、金額だけを指した言葉ではありませんでした。
1,時間的コストの削減
2,調理時間が減った
3,家族の時間が濃厚になった
茶太郎家にポケマルが浸透するまで
はじめて購入したのは山菜セットでした。
山菜セットを満喫した後、ふとポケマルマガジンである記事を目にしたといいます。
それが【67歳はじめてのスマートフォン】生産者だって頑張ります!
この記事はポケマルをはじめるために、はじめてスマートフォンを手にした農家・大久保守さんの奮闘記です。
食材の魅力ももちろんのこと、記事で書かれている「問い合わせへの返信に時間がかかったり、融通がきかない点もある」というのが本当なのか、興味が湧いてしまったと茶太郎さん。
何度も発送完了連絡のメールが送られてきたり、変換ミスであろう誤字脱字もちゃんとある……。茶太郎さんはそこに生産者のぬくもりを感じたのだとか。
小学生の息子さんは、それまで野菜やお魚などはあまり口にしなかったといいます。そんな彼が野菜を食べられるようになったのは、大久保さんがキッカケだったのだとか。
決定的瞬間を見逃さなかった茶太郎さんは、この後、妙案を思いつきます。
なんという策士! よくわかってらっしゃる!!
こうして茶太郎さん一家のスタイルが確立されました。ちなみに息子さんの将来の夢は、今のところ「お寿司屋さんかカニ漁師」なのだそう。完全にポケマル的英才教育のたまものですね。
ごちそうさま投稿=食べ手の責任
あたり前だと思っていたことが実はあたり前じゃないと気づかせてくれた、作り手さんの言葉たち。その経験を通じて、茶太郎さんは食べ手としての責任を感じていると話してくれました。
——たかがごちそうさま、されどごちそうさま。
そう。あの驚異的な投稿数は、茶太郎さんの想いそのものだったのです。
美味しく食べてもらえるように、一生懸命届けた食材。生産者さんから受け取った、”食べ物となった命を全うさせる”という使命。
命のタスキは、食べ手が作り手にごちそうさまを伝えたときに、ようやくゴールまでつながります。
謎のヴェールに包まれた茶太郎さんの人物像。紐解いていくと、そこには、家族で過ごす時間を大切にする、ひとりの母親の姿がありました。
茶太郎さん、ありがとうございました!
Writer
おゝしろ実結
writer&editor&illustrator 自転車や地域文化、芸術を専門に執筆。東西奔走、自転車に荷物を積み離島へひっそり渡航するのが生きがい。2012年に短編小説『常套的ノスタルジック』が筑波学生文学賞 大賞を受賞。2016年執筆のルポルタージュ『ワニ族の棲む混浴温泉』が宣伝会議 編集ライター講座大賞を受賞。他、自転車雑誌やグルメ系Web媒体など幅広い分野で執筆を行っている。旅のイラストなども随時発表中。公式サイトmiyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro