みなさまこんにちは。ポケマル編集部のおおしろです。
今回はポケマルの「花・観葉植物」カテゴリの中から、気になる商品を購入し、自宅で寄せ植えに挑戦してみました。
毎年花が咲く「宿根草」とは?
今回購入したのは、兵庫県・吉本康二さんの【宿根12品種12苗入り】の商品。
商品説明に
毎年開花してくれる手間いらずの宿根ばかりを集めました。年々大きく成長し、お花も元気に開花してくれるものばかりです。
とあり、ガーデニングに挑戦してみたいと思っていた初心者の筆者でも、どうにか育てることができそうな気がしました。
でも……「宿根」って、どんな植物なのでしょう?
宿根・宿根草とは
「宿根・宿根草(しゅっこん・しゅっこんそう)」はガーデニング初心者には聞き慣れない単語です。まずは家にある植物図鑑で調べてみることに。
冬になると地上部は枯死するが、地下部は休眠状態で越冬し、春になると芽を出し、地上部を生育させることを繰り返す草本植物をいう。
参考文献:土橋豊『園芸有毒植物図鑑』淡交社 2015年
繰り返し開花する宿根草に対して、一年生植物(一年草)は発芽して1年以内に開花・結実し枯れてしまう植物です。
身近な宿根草としては、スズランやナデシコ、アスパラガスなどが、一年生植物としてはパンジーやコスモス、ひまわりなどが挙げられます。
なお、宿根草の中でも、冬でも茎や葉が枯れずに残る常緑の種類があり、吉本さんの宿根草セットにもセレクトされているそうです。
調べていくと、ガーデニングが趣味の方にとって、宿根草は庭作りに欠かせない植物なのだとか。宿根草と一年草を組み合わせ、四季に応じて美しく変化するお庭を作るのだそうです。
季節を先読みして、彩りを組み合わせるとは……時間を操る魔法使いのようですね。
花農家さんに宿根草の育て方を教えてもらった
花壇があれば本格的なガーデニングが楽しめますが、残念ながら筆者の家にはないため、手軽に始められる植木鉢での栽培に挑戦してみます。
事前準備をする中で、初心者の筆者にはよくわからないことがいくつか出てきました。
- 植え方について
- 事前準備が必要なもの
- 来年も花を咲かせるためには?
ポケマルでお花農家さんから直接購入する利点のひとつが、"わからないことを直接聞ける"こと。さっそく、ポケマルのメッセージ機能を利用して吉本さんに質問してみましょう。
──今回は植木鉢での栽培に挑戦するつもりなのですが、どんな鉢などを準備したら良いでしょうか?
──来年も花を咲かせるために、どんなことに気を付けて栽培をすれば良いでしょうか?
今回、吉本さんのおかげで事前準備と心構えをしっかりできたため、ガーデニング初心者として心強く感じました。
丁寧な梱包で苗たちが到着
とある日の午前中、とうとう我が家へ宿根草セットがやってきました。
段ボールに貼ってある「お花が入っています」のステッカーに胸をときめかせながら、いざ開封!
\ ばーん /
蓋の裏には、濡れないように包まれたお花の解説書が貼り付けてあり、苗たちもシャキッと元気そう。
段ボールの中は4つに仕切られ、それぞれの区画に3つずつの苗が所狭しと梱包してありました。
苗が中で暴れたり倒れないように、苗ポット底面はテープで留められ、水が染み出ないためにビニールを貼る工夫も。
吉本さんの丁寧な梱包のおかげで、苗にも傷なく元気な姿で我が家に到着。これからよろしくね!
個性派揃いの宿根草12品種をご紹介
吉本さんの宿根草セットは季節によってお花の種類が変わるそうです。
今回は「夏の暑さも乗り越えて秋まで開花の丈夫な品種12品種」が入っていました。
同梱されていたお花の解説書と照合しながら、12種類の様子を観察していきましょう。
リシマキア・ヌンムラリア・オーレア地表を這うように伸びていく這性植物(はいせいしょくぶつ)で常緑。5月頃から黄色い花を開花させる。グラウンドカバーにも向くので難しい管も不要。夏の室内の緑にも涼しげ。 |
ベロニカロニカ耐寒性・耐暑性の宿根。春から秋に開花する。グランドカバーにも向いている。 |
シレネ・ユニフローラ寒さに強く常緑。春と秋に開花し、夏は小休憩する。多湿が苦手なので散水は控えめに。 地表を這うように伸びるため、グランドカバーにも、ハンギングにも。花の咲かない時期も、葉が斑入りなので観賞価値も高く人気。 |
チェリーセージ耐寒性・耐暑性ともに優れた植物で常緑。春から秋にかけて開花する。 |
アルメリア到着時にはすでにツボミをつけていました 耐寒性・耐暑性ともに優れており、春になると花を咲かせ、株を大きく広げて育つ。石垣の上や乾燥した土地でもグングン育つ。 |
ブランパゴ・ルリマツリ春から秋にかけて青い花を咲かせる低花木。年々成長するため、庭木としても重宝される。 |
姫ツル ニチニチ草ブルーダブル蔓を伸ばしながら3cmほどのブルーの八重咲きの花を通年開花させる。 |
ランタナピンクやオレンジの花が色を変化させながら開花する低木。耐寒性・耐暑性の宿根で春から晩秋まで開花する。 |
スカビオサチクチクの葉が特徴的でかわいらしかったです 春と秋にブルーの可愛い花が開花。草丈はコンパクトで、毎年横に広がるように成長する。 |
ペンステモン・ハスカーレッド初めはサニーレタスかと思いました 紫がかった葉っぱが特徴的で、観賞価値のある植物。。草丈は50cmほどになるが、茎は堅く倒れない。夏から冬まで開花し、葉は常緑。 |
ニチニチ草ニルバーナ春から秋まで大ぶりなピンク色の花が咲く。這うように生育し、横に広がる。冬は風雨の当たらない場所での越冬がおすすめ。 |
ガーデンアスターサファイア到着時には開花しており、チアリーディングのポンポンのようなお花を見せてくれました 春から秋にかけて紫の花が開花し、屋外での越冬がおすすめ。耐寒性・耐暑性宿根。 |
宿根草の寄せ植えを作ってみよう
こうして集めて見てみると、12苗はなかなかボリューミーです。
何をどう寄せ植えすべきか悩ましいところですが、組み合わせで考慮したほうが良さそうなことを自分なりに書き出してみました。
- 常緑かどうか(冬に地表部がすべて枯れてしまったら悲しい鉢植えになりそう)
- 這うように伸びるかどうか(ハンギングという選択肢も)
- 花の色の組み合わせ(できるだけ寒色・暖色ごとに植えたい)
今回は吉本さんに教えてもらったように、秋に植えかえをする予定なので、1は考えずに作ってみます。
寄せ植えをするために準備したのはこちらの道具たち。
- 培養土(25kg)
- 鉢底石(5kg)
- 浅めの10号鉢(2個)
- ハンギングできる8号鉢(1個)
- スコップ
すべて近所のホームセンターで調達しました
鉢底石を入れよう
まずは鉢の底に鉢底石を敷いていきます。排水性や通気性を高め、植物の根腐れを防いでくれるのだそうです。
袋の裏に「鉢の1/4まで入れる」と説明がありました。
鉢底石は土を被せると見えなくなりますが、底から植物の生育を支える縁の下の力持ちなんですね。
バランスを考えながら植えてみよう
まずは這性のリシマキア・ヌンムラリア・オーレアと姫ツルニチニチ草ブルーダブルを組み合わせたハンギングタイプの寄せ植えを作ってみます。
鉢の半分ほどまで土を入れてから、
ポットから苗を取り出します。
根っこがかなりぎゅうぎゅうに詰まっていたため、底面に少し切り込みを入れて根をほぐしました。
あとはプランターに置き、場所を決めたら隙間を埋めるように土をいれます。
植え込みが完了したらお水をたっぷりかけて完成です!
多品種の寄せ植えはバランスが難しい
この調子で続々と寄せ植えを作ろうと思っていたものの、ふと振り返って急停車。
10品種を2つの鉢、つまり鉢ひとつにつき5種類を寄せ植えするのですが、どう組み合わせましょうか……?
まだ咲いていない花の彩りも考えないといけませんし、植物の高さも考慮しないとちぐはぐになってしまうかもしれません。
吉本さんから頂いた植物の解説書を熟読しつつ、実際の雰囲気をよく観察し、
まずはひとつめのメンバーを決めました。
お次は配置を考えます。苗の高さやバランスを考慮して、何度も入れ替えてリハーサルです。
最終案はこちら
あとはハンギング同様、鉢に土を半分まで入れ苗をそっと置き、土を被せていきます。
完成しました。
まだお花が咲いていないため、開花時にどんな彩りになるか不安ですが、それもお楽しみということにしましょう。
もうひとつの寄せ植えも作ってみます。シレネ・ユニフローラのクリーム色の葉とガーデンアスターサファイアの紫の花で清涼感を演出したいな、と集めてみました。
最後にお水をたっぷりあげてこの日の作業、終了です。
これからどんな風に育っていくのかが楽しみです。綺麗にお花も咲いてくれたら嬉しいのですが、内心ドキドキです。
次々と咲く宿根草たち
寄せ植えをした翌日、さっそく変化が。
ニチニチ草ブルーダブルが一輪開花していたのです。先端に小さくぽつんと咲く青い花弁が印象的。植え付けた翌朝に反応してくれるのが、なんともいじらしく感じました。
その翌日にはアルメニアやランタナが色づいていたり、
ニチニチソウニルバーナの蕾が徐々にほどけていったり。
私がしているのは毎日の水やりだけなのに、確実に変化してくれることが嬉しく、同時に植物の底知れぬパワーを感じました。
そして1週間も経たぬうちに、寄せ植え全体が花盛りに。
時折、蝶まで来てくれるようになりました。
自宅の庭に花を植えることで、虫たちが立ち寄るようになり、気付けば自然の生態系のサイクルに参入していく……。
私がしたことといえば、ただ植物を植えた、それだけでした。が、庭にとっては小さな革命だったのかもしれません。
もっと身近にお花を
ガーデニング用の台も設置しました
最後に、吉本さんに「なぜこのお花セットを作ったのですか」と尋ねると、こんな答えが返ってきました。
寄せ植えをしてから、私は朝目を覚ましてカーテンを開けるのが楽しみになりました。そして仕事や家事に煮詰まれば、なんとなく花を眺め、あれこれ悩んだり、閃いたり、癒されたりしています。
また来年、この花たちを咲かせることができますように。
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文・写真=大城実結、編集=中川葵