粉と水を混ぜてこねこね。自宅でこんにゃく作りをたしなんでみたよ

普段、何気なく食べているもの。

それがどのようにして作られているのか、知ることができたら楽しいにちがいない。

ポケマルには最近、自宅で手作りできるキットが増えて来た。味噌の手作りキットや煎餅を焼く体験キットなどがある中で、私が気になったのは「こんにゃくづくり体験キット」だ。

自粛解禁ムードになってはきたものの、できることならまだおうちで過ごしたい今の時期、自宅で楽しむのにぴったりかもしれない。

目次

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こんにゃくキットがポストに届く

注文をした2日後、ポストを覗くと1通の封筒が入っていた。下の方に目をやると「こんにゃく手作りキット在中」の文字。

群馬県の石井邦彦さんから届いたこんにゃくキットは、予想していたよりもスリムな形でやって来た。

封筒を開けると、コンパクトにまとまった材料が入っている。

石井さんが栽培しているこんにゃく芋の紹介やこんにゃくの作り方・レシピが書かれている紙と、こんにゃく粉50g、凝固剤貝殻焼成カルシウム)3g、2セットのゴム手袋

ほほう、これだけで、こんにゃくができるのか。早速作り方を見て、イメージを膨らませる。2時間くらいあれば完成まで辿り着けそうだから、今週末にでも作ってみよう。ワクワクだ。

こんにゃくづくりに初挑戦

石井さんのコミュニティを覗くと、「半量でも大量になった!」という感想がちらほらと寄せられていたので、今回は半量でつくることに。残った粉は密閉して1年保存できるので、焦って使う必要もない。

①こんにゃく粉をふやかす

さて、最初は「こんにゃく粉」をぬるま湯でふやかす作業だ。

一般的に「こんにゃく粉」という場合、こんにゃく芋からこんにゃくの主成分となる「グルコマンナン」という水溶性食物繊維を分離した「精粉(せいこ)」を指すようだ。もし生芋からつくろうと思うと、芋をすったりしないといけないからとても大変みたい。

今回届いたこんにゃく粉の半量25gに対して、40℃くらいのぬるま湯750mLを用意。

泡立て器で湯をくるくる回しながら、サラサラと粉を入れていく。

シャカシャカとかき混ぜること3分。少し白く濁ってはきたものの、まだシャバシャバしている。

粘度が増すにつれて、だんだんと混ぜるのが大変になってきた。粉を入れてから5分経過すると、泡立て器ですくえるくらいのゼリー状に。

なんだろう、この感覚は。そうだ、ゼラチンをふやかしたときの様子に似ている。においもなんだか、それっぽい。

この状態になったら、10分くらい放置する。

②凝固剤を溶かす

ふやかしたこんにゃく粉を寝かせている間に、凝固剤(貝殻焼成カルシウム)の準備をする。

こんにゃく粉25gに対して使用する凝固剤は1.5g、秤で小数点以下を量れない場合は、小さじ1.5杯分を取り分ければ大丈夫。

粉を入れた器に熱湯を入れてかき混ぜる。何も難しいことはない。ただダマがなくなるまで、サラサラ混ぜるだけ。

放置しておくとすぐ粉が沈殿してしまうけれど、使う直前に再度かき混ぜれば問題なかった。

③ふやかしたこんにゃく粉をこねてこねてこねまくる

凝固剤をつくっている間に10分経過したので、こねる作業へ。ここからは手荒れの可能性があるので「必ず手袋をしてください」とのこと。

最初はポロポロの状態だけど、3分くらいこねると糸を引くくらいねっとりしてくる。

ハンバーグをつくるときもそうだけれど、日常的にこねる作業はあまりしないから、結構手が疲れる。

④凝固剤を加えてまだまだこねる

しっかりこね終わったら、次は凝固剤を入れてさらにこねる!  説明書によると、「ためらわずにパッ! と入れてガッ! と混ぜる」のがポイントらしい。

パッ! と入れると、かいだことのあるあのこんにゃくのにおいになった。

入れた直後はパラパラして混ざりにくい。でも、こね続ければ底からすくいあげられるくらいにまとまってくる。

ここからのこねる時間で、出来上がるこんにゃくの硬さが決まるんだって。ならば……30秒こねたものと、2分こねたものの2種類をつくって、あとで食べ比べしてみよう。

銀色のボールで30秒こねたのち、半分ほどを赤いボールに移してさらに1分30秒、計2分間こね続けた。

⑤成形する

こね終えたこんにゃく種を、好きな形に成形していく。

▲30秒こねた種

色々な形にしようとたくらんでいたものの、ゆっくりやっていたらあっという間に固まってきて、特に2分こねた硬めこんにゃく種の方はポロポロがいっぱいできてしまった。

▲2分こねた種はまとまりにくい

最後の方はちぎるしかなかったので、不格好なこんにゃくたちになってしまった。

型を使わずに手でやる場合、柔らかめにこねた方がいろいろな形にしやすいかもしれない。

タッパーに押し込んだものは、うまく四角く固まってくれた。

こね終わってから10分くらいを目安に、大人数でババーっと成形しちゃうのがいいんだろうな。

写真を撮りつつゆっくりやって、ここまでの所要時間、1時間ちょっと。

⑥茹でる

鍋にたっぷりの水とこんにゃくを入れ、沸騰してから45分くらい茹でる。

規定時間が経ったら、水にあげて一つ食べてみる。苦かったらもう一度茹でるとのことだけれど、今回はうまくいったみたいだ。

できあがったこんにゃくは、671g。大きさにもよるけれど、スーパーなどで売られているこんにゃく3パック分くらいになるのかしら。

こんにゃくは水を張ったタッパーなどに入れて冷蔵庫に入れ、時々水を変えてあげると3週間くらい保存できるらしい。我が家の場合は、1週間に1回の水交換で、最後までおいしく食べきることができた。

食べる時まで、冷蔵庫で待っててね。

あらゆる場面で楽しむこんにゃく七変化

こんにゃくカフェオレ

しっかり食べる時間のない朝は、同封されていたレシピに書いてある「こんにゃくカフェオレ」で手軽にお腹を満たす。

ここで、成形がうまくいかずボロボロになってしまったこんにゃくが役に立つ。

前の晩からコーヒーに漬けておいて、茶色く染まったこんにゃくをカフェオレに入れて飲む。

これはまるで「飲むコーヒーゼリー」。弾力があってよく噛むから、普通にゼリーを食べるよりも満腹感がある。

こんにゃくサラダ

お昼はヘルシーランチ。

たっぷりのレタスにまっしろこんにゃく、トマトも乗せれば彩り豊か。

「さすがにサラダだけじゃな……」ってときは、パンを添えれば立派なお昼ご飯になる。

こんにゃくヨーグルト

3時のおやつには、こんにゃくを乗せたヨーグルトを。新食感のナタデココみたいで面白い。

こんにゃくそのものには味がないから、無糖ヨーグルトにハチミツをかけて甘さをプラスしてみた。もしくは、最初から加糖ヨーグルトを使ってもいいかもね。

こんにゃく田楽

夜ご飯の一品に、濃いめのお味噌を乗せて食べたらご飯が進む。

丸いこんにゃくを3つ並べて”団子3兄弟”ならぬ”こんにゃく3兄弟”にしたら、なんだか可愛いらしい。

こんにゃくの煮物

こちらも夜ご飯に。タッパーでつくった四角いこんにゃくをサイコロ状にして、コロコロ煮物。

こねる時間を変えてつくった2種類のこんにゃくを、どのくらい硬さが違うのか、煮物で食べ比べてみた。

ハート形が柔らかめ、右のちぎったやつが硬め

かみごたえが全然違う。

短くこねた方が柔らかくて、舌触りも滑らか。長めにこねた方は、とてもムチっとしていて、ゴツゴツとした舌触りだ。

好みにもよるけれど、私は柔らかめに一票。

こんにゃくフルーツポンチ

デザートには、たっぷりのフルーツとこんにゃくを入れたフルーツポンチを楽しむ。

フルーツはパイナップル・マンゴー・さくらんぼの3種類。

パイナップルみたいに、果汁が多くて甘いフルーツとこんにゃくがとても合うことがわかった

色はあまりつかなかったけれど、一晩オレンジジュースにつけておいたこんにゃくを使ったら、ちょっとオレンジの風味が感じられてこれまたよし。

こんにゃくピザ

おつまみにはトマトソースとチーズを乗せて、ピザ風のこんにゃくに。

濃いめに味をつけたトマトソースが、こんにゃくにもビールにも合う。ピザ生地よりもヘルシーに、ちょちょっとつまめるのが嬉しい。

こんなにいろんなアレンジができるのも、こんにゃく自体に変なクセがないおかげ。どんなシーンにも溶け込める、万能こんにゃくなのである。


* * *


こんにゃくづくりは意外と腕の力を使うし、家の中でいい運動をしながら、出来上がった暁にはおいしい思いもできるという嬉しい体験になった。

粉からつくったこんにゃくをたんまり堪能した後は、生芋からつくったこんにゃくも気になってくる。

石井さんが加工してくれている生芋こんにゃくも購入できるから、違いを楽しみながら食べ比べてみるのもいいかもしれないね。

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文=尾形希莉子、編集=中川葵

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