沼津市の海を味わう水産ガイド | 富士のふもとの海と底

育てる海、届ける技。

養殖マアジ出荷量日本一を誇る
内浦の海で味わえる絶品「活アジ」

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内浦漁業協同組合

静岡県沼津市内浦三津88-34

駿河湾の最奥部に位置する「内浦漁協」。恵まれた自然環境を生かした養殖漁業が盛んで、主にマアジとマダイを取り扱っています。のどかな風景が広がる小さな港ながら、養殖マアジの生産出荷量は日本一。首都圏に近く、生産した漁獲物を活魚のまま出荷できる点も強みです。
栄養豊富な富士山の伏流水と黒潮に育まれたマアジは良質で身が締まっています。その美味しさを抜群の鮮度で堪能できるのが、内浦漁協直営「いけすや」です。特に人気が高いメニューは締めたばかりのマアジが乗った「活あじ丼」や、肉厚でジューシーな「活あじふらい」。熱心なファンが多く、開店前から長い行列ができることも珍しくありません。
内浦漁協は長年培ってきた養殖の技を生かしつつ、直営店やブランド魚の展開といった新たな取り組みによって、魚の価値を高めることに注力しています。その根底には、どのような思いがあるのか。内浦漁協の金指正和さんと、いけすやの店長を務める土屋真美さんにお話を伺い、内浦の魅力とともに掘り下げました。

お話をお聞きした、内浦漁協の金指さん(右)と内浦漁協直営「いけすや」の土屋店長(左)

地の利を生かして新鮮な養殖マアジを出荷

江戸時代より漁村として栄えたと伝わる内浦地区。かつてはマグロなどの大型回遊魚を網で囲い込んで漁獲する「建切網漁(たちきりあみりょう)」が盛んだった。やがて、現在も主幹産業の一つである「まき網漁業」が行われるように。昭和30年代には養殖業も本格化していく。
当初はマアジを中心に生産していたわけではない。取引先が養殖ブリに混じるマアジの幼魚を併せて買い取ったことから、その価値に目が向けられたという。アジの養殖地として北限にあたる沼津内浦は首都圏まで活魚のまま出荷できる唯一の場所であり、地理的優位性が高い。一部の生産者からマアジの出荷が始まると、注文が殺到するようになった。
マアジの成長という点においても内浦の地理環境は恵まれていた。富士山の伏流水がもたらす優れた水質はもちろん、夏場の水温変化によって引き起こされる早い潮流も、良質な魚を育むうえで欠かせない。そこに漁師たちの技が加わり、安全で美味しいマアジを新鮮なまま提供することが可能となる。日本一の称号に相応しいマアジは「とにかく臭みがなく、旨味が際立つ」と評判だ。

直営店やオンラインを軸に魚の魅力を発信

養殖マアジの生産出荷量日本一を誇る内浦地区だが、後継者不足などによってかつての活況は失われつつある。2009(平成21)年にはマアジの魅力を問題解決の糸口とすべく「活あじ祭」を開催。アジすくいや養殖場見学、旬の魚介類販売を実施するとともに、活あじ丼を格安で提供した。一連の試みは大いに話題を呼び、市場休業日限定の食堂を営むことに。これを前身として、2015(平成27)年に現在のいけすやがオープンすることとなる。
いけすやでは漁師たちの目利きにより、旨味がピークの漁獲物を使った絶品料理の数々を提供。美味しさに自信があるものだけを取り扱うため、数量限定だ。締めたばかりでプリプリのマアジと、あえて一日寝かせた熟成マアジの旨味を食べ比べる「二食感活あじ丼」はここでしか口にできない究極の丼。休日には遠方から足を運ぶ人も多い。
「この店を旅の目的地にしてくださる方が多いのは非常にうれしいし、ありがたいことですね」と目を細める金指さん。訪れる人々と店頭に立つ地元住民との何気ないコミュニケーションも生まれており、地域一帯が「アジの町」として盛り上がってほしいと願う。ほかの地域での多店舗展開などは視野に入れていないそうだ。内浦の穏やかな空気に身をゆだね、この地で育まれたマアジを生産者たちの息遣いを感じながら頂く。そこに特別感を見出す人が多いと考えているからこそ、地域社会に根差した取り組みを実直に進めていく。
同時に、物価高騰などで漁業を取り巻く環境が厳しさを増すなか、魚の価値をより広くアピールすることにも努めている。10年以上前から魚のブランド化に着手。熟練の漁師が丹精込めて育てたマアジから更に厳しい取扱基準を満たすものだけを選りすぐり「いけすやの活あじ」として打ち出した。一級品の味を知って食べて実感し、その価値に納得感を得てもらうことが目的という。
コロナ禍を一つのきっかけに、オンライン販売にも力を入れるようになった。「漁協の加工所で捌いた干物やマダイの味噌漬けなどさまざまなものを取り扱っていますが、特に人気が高いのは活あじふらいですね」と土屋さんはいう。冷蔵もしくは冷凍の状態で届くといえど、新鮮なマアジを使ったアジフライの美味しさはやはり別格。真空技術にもこだわっており、家庭で調理してもふっくら柔らかく仕上がる点が人気の理由だろう。リピーターが多く、オンライン販売を入り口にいけすやを訪れる人も見られるそうだ。

継続のための妥協なき歩み

内浦漁協のさまざまな取り組みを紹介したうえで「今はもう継続することが大変な時代ですから。生産者がいる限りはこの仕事が続いていくように、需要と供給の双方が高まるあり方を模索したいと考えています」と締めくくってくれた金指さん。既存の作業だけでも手一杯だが、提供する魚の質が落ちるような事態も避けねばならないと力を込める。なお、内浦の養殖マアジに旬はないのだとか。常に経験豊富な生産者が健康管理を徹底し、給餌調整にもこだわっているからこそ、いつでもベストな味が楽しめる。それこそが養殖魚最大のメリットという。
四季折々の雄姿を見せる霊峰富士を望む地で、一年をとおして妥協のない美味しさを届け続ける内浦漁協。同漁協が手掛ける商品はいけすやの売店ほか内浦漁協直営「いけすや」公式オンラインショップや日本最大級の産直通販「ポケットマルシェ(ポケマル)」などでも買い求めることできる。まずはご家庭にて内浦で育まれたマアジやマダイの味に、舌鼓を打ってはいかがだろうか。

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内浦漁協直営「いけすや」

住所/〒410-0222 
   静岡県沼津市内浦小海30-103地図を見る
TEL/055-943-2223
営業時間/11:00~15:00
店休日/水曜日、木曜日

https://ikesuya.com/

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