沼津の海の幸を知る
沼津の海の人を知る
風と塩で、旨くなる。
Numazu Dried Fish

沼津といえば、やっぱり干物。古くから続くこの港町の名物は、海の恵みと、土地の気候に育まれてきました。アジやサバを中心に、さまざまな魚を使った干物は、沼津の家庭でも食卓に並ぶ定番の味です。その美味しさの理由は、単なる保存食にとどまらない「技」と「環境」にあります。
沼津は、年間を通して日照時間が長く、雨が少ないという干物づくりに適した気候条件に恵まれています。さらに、駿河湾からの海風がよく吹く地形で、自然乾燥に最適な風通しの良さも特長です。また、仕込みには「富士山の伏流水」を使用した「塩汁(しおしる)」を使う工房も多く、このミネラル豊富な水が、まろやかで深みのある味を生み出しています。
定番のアジに加え、サバ、カマス、エボダイ、サンマ、金目鯛など、多様な魚が干物に加工されています。魚の旬や大きさに応じて、開き方や塩加減を変える技術も、地元ならでは。お土産用の真空パックから、朝食用の家庭向けパックまで、用途に応じた商品展開も豊富です。
干物は、焼くだけで簡単に楽しめるのが魅力ですが、実はアレンジレシピも豊富です。例えば、ほぐしてお茶漬けにしたり、マヨネーズと和えてパンに乗せたり。冷蔵・冷凍保存もきくので、忙しい毎日の「助っ人おかず」としても重宝します。