沼津市の海を味わう水産ガイド | 富士のふもとの海と底

深海の恵みは、ここにある。

「本エビ」や「タカアシガニ」そして多彩な魚種
戸田港に水揚げされる極上の深海魚

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戸田漁業協同組合

静岡県沼津市戸田523-9

沼津市の最南端に位置し、日本最深の海である駿河湾に臨む「戸田漁協(へだぎょきょう)」。底引き網船(トロール船)による深海魚漁が盛んに行われています。しずおか食セレクションに認定された「戸田の本エビ」は特に人気が高い深海魚で、しっかりとした甘味と旨味が特徴。世界最大級のカニ「タカアシガニ」も全国的に知られる戸田地区の特産品です。
戸田漁協直売所「へだのすけ市場」は2024(令和6)年5月にオープンしました。店内には新鮮な海の幸が直売所価格にて並んでおり、漁具や日用品なども併せて買い求めることができます。生け簀で動く巨大なタカアシガニの姿は圧巻。底引き網によってまとめて水揚げされる魚は多種多様で、一期一会の美味しさを求めて遠方から訪れる人も少なくありません。
「目一杯漁獲して数多く販売するのではなく、丁寧に処理したよいものを安定的に供給できるよう取り決めています」と説明してくれたのは水口敬三さん。漁師家系の三代目で、水八丸の船長を務めています。ここに暮らす人たちが見据える、戸田漁協の現在地と今後の展望とは。「深海魚の聖地」として名高い町の魅力とともに、詳しく伺いました。

お話をお聞きした、水八丸の水口さん

底引き網漁がもたらす幅広い魚種

「底引き網漁(深海トロール漁)」とは片側1,500m前後、両側合わせると3,000mにも及ぶロープの先に袋状の網を付けて、海の底を引っ張りながら魚を獲る漁法のことだ。普段歩くよりも遅いスピードの船で30分ほど網を引き、更に30分弱掛けて深海300m付近からロープを巻き上げていく。船内に入れた漁獲物は種類やサイズごとに手作業で仕分けせねばならず、かなりの時間と労力を要する。一連の作業が済めば再び網のセッティングに取り掛かり、これを1日に4回繰り返す。かつては回数制限がないうえに今よりも多く魚が獲れたため、1日10回ほど網入れを行っていたという。
底引き網漁では実にさまざまな深海魚が獲れる。戸田漁協が誇る本エビは刺身で堪能するのがおすすめだが、天ぷらや塩焼きにしても抜群に美味い。戸田の顔ともいえるタカアシガニは蒸し上げ、焼き、しゃぶしゃぶなどで。カニみそや卵を加えるとより美味しさが増すそうだ。水口さんの好物はメヒカリ(とろぼっち)。柔らかい白身ながら脂がたっぷり乗っており、焼けばしたたり落ちるほどという。漁協の人たちも「近隣の食堂では唐揚げなどが売っていますし、ぜひ食べてみてください。酒にもよく合います」と胸を張る。その他にも高級食材として重用されるアカザエビや、甘く煮付けて楽しみたい赤エビなど、戸田港には本物ばかりが揃う。

鮮度抜群の漁獲物が並ぶ
戸田漁協直売所

漁獲物の一部はへだのすけ市場の店頭に並ぶ。鮮魚はもちろんのこと旨味が凝縮された干物なども豊富に取り扱われており、目移りしてしまうこと請け合いだ。一番の売れ筋は本エビ。日帰り船にて氷で〆られたものを早くて2時間、遅くとも10時間以内には漁協冷凍庫に入れて急速冷凍することから、冷凍状態で販売されていても鮮度は一級品という。ちなみに、お土産物に加えて日用品も揃える同市場は地域のマーケットとしても機能している。そうでなくとも旬の魚や珍味が折々に紹介されるため、つい立ち寄りたくなってしまうだろう。
販売場所はへだのすけ市場だけではない。毎週日曜日の朝には直売所付近において「戸田港ふれあい朝市」を開催のうえ、通常よりもお得な価格で鮮魚や干物を販売している。また、韮山と修善寺の2か所では出張販売を実施。「駿河湾産は味が違う」「山間部でも新鮮な深海魚が手に入るのは有り難い」と好評を得ており、出張販売をきっかけに戸田を訪れる人も多く見受けられるという。

深海魚の美味しさをより広く届ける

水口さんに今後の展望について伺うと、「昔のように漁獲物が増えて、若い世代の漁師たちと盛り上がりながら漁へ出られたらいいなという思いはありますね」との答えが返ってきた。古くから良港として知られる戸田港だが、近年は水温の上昇によって漁獲量が激減。同時に漁師の数も少なくなり、現在は40代後半の水口さんが一番の若手だ。そうした状況にあっても、自身の裁量で漁に出ることには面白みややりがいを感じているそう。長年のデータを蓄積した漁師の生命線ともいえるプロッターを駆使しつつ、今日も海へ向かう。
漁業を取り巻く環境が厳しさを増すなか、戸田漁協としては深海の恵みをより広く発信することにも注力している。戸田漁業協同組合直売所販売ページを通じて、さまざまな海の幸を取り寄せられるように整備した。やはり本エビの人気が高いが、その他の商品も「上等に美味い」とのこと。海の状況が変わって新たに水揚げされるようになった魚種も含め、認知度が低い深海魚の魅力ももっと多くの人たちに伝えたいと考えている。
なお、底引き網漁の漁期は9月中旬から5月中旬となっており、それぞれの魚にも旬がある。販売形態によらず人気の商品はあっという間に売り切れてしまうケースも多いため、目当てのものがあれば早めに手に取ってほしい。

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戸田漁協直売所「へだのすけ市場」

住所/〒410-3402 
   静岡県沼津市戸田523-9地図を見る
TEL/0558-94-2082
営業時間/9:00~17:30
店休日/水曜日

http://hedagyokyo.net/

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