沼津の海の幸を知る
沼津の海の人を知る
深海の王、戸田にあり。
Japanese Spider Crab

長い脚を広げると、なんと3メートル近く。その大きさと迫力から「世界最大のカニ」として知られるタカアシガニは、駿河湾の深海に生息し、沼津市戸田(へだ)地区が代表的な水揚げ地です。水揚げされるのは、深さ200~500メートルの海底。静かな湾と急深な海底という駿河湾の特性を生かし、春から秋にかけて底曳き網で漁が行われています。
その見た目から「硬くて大味なのでは?」と思われがちなタカアシガニですが、食べてみると、意外なほどに繊細で甘みのある身質。茹でる・蒸すなどのシンプルな調理でも旨みが引き立ちます。とくに戸田港周辺では、さまざまな調理法が工夫されており、味噌汁や甲羅焼きなど、地元ならではの一皿に出会えるのも魅力です。
タカアシガニはその希少性から、贈答品や特別な日のごちそうとしても人気です。食卓に出せば、一気に非日常感が高まる存在感と、満足感のある食べ応え。ボイル済みのものや、扱いやすい脚の部分だけを詰めた加工品も販売されており、家庭でも気軽に楽しめるよう工夫されています。