持っている人が持ってない人を助ければいい-大野村農園から大切なご連絡

大野村農園から大切なご連絡です。
前回書いたことを読んでくださった方、まだお読みでない方も、今一度前回の記事をお読みください。

そして改めて、大野村農園からご連絡です。

前回書いたように、僕は幼少期を親元ではなく祖父母の家に預けられて育ちました。

中学になる頃からようやく母と暮らせるようになりましたが、母子家庭での暮らしはお世辞にも裕福と言えるものではありませんでした。

母と兄と僕の3人暮らしの狭いアパートでの生活で、具材の無い麺だけの焼きそばやラーメンが当たり前で、おかずや米は祖父母からの支援でなんとか助けられていました。

それでも当時を振り返っても、あの時を貧しいと思ったとしても不幸だと思ったことは一度もなかったのです。

それがなぜだろうかと考えたとき、とにかく『食べることができた』からだと思えるのです。

母だけの収入では育ち盛りの中学生の男二人を満足に食べさせることも厳しいと思います。

祖父母がお米や野菜を常にうちに提供してくれてたから、僕らは不幸だと感じることもなかったのかなと思うのです。

三食きっちり食べられることがどれくらい有り難い事なのか、過去をしっかり振り返れる今になってようやくわかったのです。

だから二十年ちかく経ち、今同じような状況下におかれている母子家庭のお母さんから『助けてほしい』と言われたとき、なんとしてでも助けたいと思いました。

それでも結果として、目の前の家族を手助けしてあげることができませんでした。

残念だったとか、仕方がないとか、他人だからとか、もうそんな言い訳で自分を落ち着かせることはしたくないんです。

その日から妻と今後のこと、助けてほしいと言ってくる家族が増えていることもふまえて真剣に話し合った結果、大野村農園はその道に進もうと決めました。

10月1日から、大野村農園の『相馬ミルキーエッグ』を誠に勝手ではございますが、値段を770円から830円に変更させていただきます。

その中で1パックにつき30円を、国内の母子家庭、父子家庭、施設などの子供たちが中心の所へなるべく現金ではなく食品として換えて寄付させて頂きます。

どこにどのような形でといったものはまだ決めかねていますが、その日の食事を当たり前に食べることが出来るように力になりたい。

そして富裕層だけがオーガニックを食べることができ、貧困層は食べることが難しいという食の格差の現実も壊したい。

たった30円かと思われるかもしれませんが、一年でおよそですが10万円から20万円になります。

値上げということに不満を持ち離れていってしまうお客様もいると思います。

色々言われてしまうことも覚悟しました。

けれどもほんの少しだけ、皆で支え合う気持ちを持てば多くの家族が救われるのにと思うのです。

値上げしても僕ら自身がその分裕福になるということはありません。

元々、ミルキーエッグを買ったときに入っている大野村農園通信などは、インターネットなどをできない人のために気持ちを伝えたくて後から付け足した自腹のチラシです。

値段も上がればお店などの手数料で引かれる金額も少し上がります。
本当にこの設定がギリギリなのです。

震災後、交通機関が落ち着いてきた5月に祖父母の家にようやく行けたとき、僕は祖父母に食事をどうしてたのかと訊ねました。

すると、祖父母の近辺の農家は家にあった野菜や食料を、持ってない近所の家族にあげて回っていたと言いました。

持っている人が持ってない人を助ければいい。

そんな当たり前の事を、普段から当たり前に出来るようにしたい。

それを相馬から始めたい。

『相馬ミルキーエッグ』は、どこよりも想いのこもった卵です。

産まれてきてくれてありがとう。

生まれてきてくれてありがとう。

卵を産んでくれたお母さん鳥もシングルマザーです。

みんなで繋がれば絶対大丈夫。

どうかこれからも、大切な人へのプレゼントに、手土産に、家族のために、今までとかわらず相馬ミルキーエッグをお使いください。

これからもどうぞ宜しくお願い致します。

(2017.9.26)

(編集部より)菊地さんご自身がこの投稿に以下のようにコメントで追記されています。
「なお値段の件ですが、定期購入されている個人の方や飲食店さんは値段を現状のまま据え置きさせて頂きます。もしそのなかでも個人の皆さんや飲食店さんで、『うちも30円分値上げしてとっていい。』という方はご連絡ください。
宜しくお願い致します。」

Writer

福島県相馬市

菊地将兵

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