田舎の畑の終活「田舎の不動産の実情とその可能性」

ラジオのニュースで流れてきて「おおぉこの問題が取り上げられた!!」と、帰って新聞開いたら、同じ内容が一面記事になってました。

この名義不明農地、僕らみたいな闇ルートで農村に入ってきた(望んでそうしてるわけですが)農家にとってはとても身近な問題です。
あえて条件不利地と呼ばれる田舎で農地を探してきました。やっと小松台に落ち着いたものの、未だにこの「名義不明地」は身近な問題です。むしろ条件不利地で多く発生してます。
地域に密着した仕事・生活なので「よそん家の問題」では済まされないと思うようになってきました。

 

まず、なぜ相続しなかったり放っておかれる土地ができるのか?
周囲の農家を含めた関係者がその土地に「価値がない」って判断してるからです。使いたいと思ってる人がいない、現れるわけないと思ってるということです。買い手もつかない、賃貸収入もない、ましてや自分で使う元気はない。
何も問題なければ、手続きくらいはするのでしょうが、ちょっと複雑な家庭の事情があればたいて放っておかれちゃいます。

持ち主にとっても地域にとっても利用価値がないうちは、そっとしておいて山にでも還れば、まぁ特に問題はないんでしょう。
ところが、最近、そんな条件不利地をあえて選んでやってくる変な若者が増えています。
だれも見向きもしなかった、というか放っておいて欲しかった農地を貸してくれ、なんて言ってくるわけです。
たいてい「かくがくしかじかの問題で売るわけにはいかんのだけど、使う分には構わないよ。荒らさないでくれればタダでいいよ」という風に話は進みます。両者ともに問題が発生しないのであれば、それで話はおしまい。(実は竹林畑が借りてる家はこのパターン)

たいていは問題ないですよ。そっとしておけばみんな幸せです。せいぜい激安の税金徴収問題が残るくらいです。
だけど、それでいいのか???

田舎の人は価値が無いと言い、目を輝かせて押し寄せる田舎希望者。一般的な需要と供給関係で起きるべきことと逆の現象が起きてるのんです。
異常な買い手市場。見ててとても勿体ない。

勿体ないだけなら、その家の問題だけで済むけど、きちんとした対価で農地が流動することは、地域の活性化にとって必要なことだと思います。
それだけの対価に合う価値を生み出そうとする人の流入、価値を認めてなかった人たちには思いつかないような活用方法が編み出されたり。これまでとはまったく違うアイデアがド田舎を変化させているという例はすでに各地で起きています。
せっかくの土地が「放っておけばいい」の連鎖のために実現できないのは勿体ないと思うんです!!田舎の人が思っている価値とは別次元の価値が認められるようになってきてるという現実を知ってもたいたい!

ご先祖様の名のもとに大事に大事に動かせない田舎の不動産。その一方、価値が認められてるのにまともにその価値でやりとりされない田舎の不動産。
年末・年始、みんなが集まるこの機会に田舎の畑の終活について話あっていただければと思います。

https://www.agrinews.co.jp/p39771.html

(2016.12.27)

Writer

大分県由布市

竹林諭一

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