就労支援の取り組みから就農へ。経験者に聞いた農業の魅力とは

Sponsored By 泉佐野アグリカレッジ

3つの団体で構成されている「泉佐野アグリカレッジ」は、それぞれが持つ特性と泉佐野の地域性を活かした新たな取り組みとして「農業体験の受け入れ事業」を確立するために設立されました。


今回は、3つの団体の1つである「株式会社 泉州アグリ」代表取締役の加藤さんにお話をお聞きしました。

JR日根野駅から徒歩5分。たくさんの畑がある中に、泉州アグリはある。

\この記事は2本立てです/

  1. 人と農、都市と地方をつなぐきっかけを生みだす場、泉佐野アグリカレッジ
  2.  就労支援の取り組みから就農へ。経験者に聞いた農業の魅力とは (この記事です)


土に触れることや作物の成長を見届けることは、若者たちの心を動かす……!?

泉州アグリは、2000年より任意団体として、大阪市内でニートや引きこもりの若者の自立を支援してきました。『おおさか若者就労支援機構』がその前身にあたります。その後、2002年にNPO法人化、2005年より国の事業である宿泊型支援事業の『若者自立塾』に採択され、宿泊形式による農業体験をはじめとした生活訓練などを実施してきました。


加藤さんはこの活動を通して、自然のなかで土に触れることや作物の成長を見届けることは、コミュニケーションの苦手な若者たちの心を動かすきっかけになるのでは?と思えてきたのだそう。


今ある制度と彼らを無理に引き合わせるのではなく、当事者に合った働き方の受け皿として『農業』が役立つという確信を得て、取り組みの中で関わったメンバーをビジネス的自立を促しながら株式会社化を進めていったというのです。


実際、泉州アグリの元社長は『若者自立塾』の第1期生。まさに当事者がつくった株式会社ともいえます。そんな泉州アグリという会社は、就労支援の取り組みの中で関わったメンバーをビジネス的に引き込むフィールドにもなっているのです。


「社員から問われたことには一つひとつ打ち返せるように気を配っています。作業内容は反復させながら、しっかりと身につくように覚えてもらうということを意識していますね」と加藤さん。


泉州アグリで働くみなさんは社会経験の少ない方も多いので、まずは安心感を持ってもらうことが重要だと言います。「責任は会社が持つから安心して働いてな!」と日頃から伝え、どんどんチャレンジしてもらいたいそう。加藤さんの口ぶりからスタッフへの強い期待が感じられました。

就労体験時にはプロの農家さんが手取り足取り教えてくれる


就労支援の取り組みから泉州アグリに就農。経験者に聞く、農業の魅力。

そんな泉州アグリで活躍する社員のひとり、祭貴さんが泉佐野アグリカレッジにて就労体験を行ったのは、2015年のこと。


以前までは他県の工場などで派遣労働者として働いていたそうですが、残業が多く、長く働くことができませんでした。契約期間が過ぎた後、どこで何をしようか決めかねていた祭貴さんはインターネットでカウンセラーの方と出会い、「NPO法人おおさか若者就労支援機構」の紹介で泉佐野アグリカレッジの就労体験に訪れます。


農業はまったくはじめての経験。これまでは工場などの室内で働くことが多かったので、外で働く開放感や新鮮さに心をくすぐられ、農業を生業にすることを魅力的に感じるようになったそう。その翌年、2016年には泉州アグリに就職することが決まりました。


現在、祭貴さんは主に生産担当として業務を行っています。朝は収穫、その後は出荷作業と続きます。秋から冬にかけてのこの時期は、ホウレンソウや白菜、ブロッコリー、小松菜などさまざまな野菜が採れる繁忙期でもあります。


泉州アグリは他の農業生産を行う企業と比べて、長年農業をしてきているスタッフが少ない分、みんなで試行錯誤しながら生産を行えるところが良いところだと感じられているそう。堆肥づくりから加工・販売まで一貫して携わることができることもメリットのひとつ。大きなやりがいを感じられているようです。


メンバー間のコミュニケーションもうまく仕組み化され、工夫があると感じるのだとか。ランチ後には必ずミーティングがあり、メンバー全員のLINEグループも活発に生産現場の状況を報告しあう。最近はカレンダー共有アプリの「TimeTree(タイムツリー)」を利用するなど、最新のツールをうまく取り入れているのも若者にとっては刺激があり、魅力的な環境といえそうです。


天候問わず、仕事はいつでもたくさんある……。人数の少ない時期は大変なこともあったけど、その苦労も含めて楽しめているように聞こえました。

「そんな私たちが生産した野菜をぜひ味わってみてください!」祭貴さんの言葉はとても力強いものでした。

生産だけでなく様々な現場に関われることも魅力の一つだという

泉州野菜の本当の魅力とは?

泉州アグリではこれまで年間130品目も生産した年があったそうですが、現在は年間60品目に絞って生産を行っています。こだわりは土。自社オリジナルの堆肥も開発中、とのこと。

特におすすめなのは、水なす、玉ねぎ、キャベツ。


生でも食べられる水なすはフルーツのようなほの甘さが特長。玉ねぎは、おもに『七宝甘70』・『ターザン』という品種を栽培しているそうで、これも獲れたては生で食せるくらいの甘味なのだとか!


キャベツは『松波』という品種の寒玉キャベツを栽培中。断面がみずみずしいのが特徴で、噛むほどに甘さが広がる自慢の品種だそうですよ。


泉州アグリのスタッフが今後に期待している商品は「落花生」だといいます。泉州ブランドとして育てていきたい、という意気込みが感じられました。

収穫されたばかりの玉ねぎ。甘味が強いのが特徴だという。

生産過程のお話を伺うと、しっかり仕組み化が完成しているように見受けられますが、泉州アグリは、まだまだ進化の最中にあるようです。

加工品としての売り出しも鋭意強化中。ヒーロー商品の「水なすの漬物」に続くべく、「大根の柚子漬け」など、今後の商品化を狙っている商品がまだまだあるそう。

6次産業化の動きも積極的な泉州アグリのこれからが本当に楽しみです!

→「泉州アグリ」はこちらから

文=伏見香代子、写真提供=泉佐野アグリカレッジ


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