石濱興寿 | 農民イシハマ
2019.03.15【「耕す」について考える】
こんにちは!農民イシハマです。
2月の半ばにはいった頃、堆肥を撒き終えた田んぼの田起こしをしました。今回は、農民の象徴的な作業である「耕す」についてのお話。👨🌾
実は「耕す」という単純そうに見える作業にも、それをこなすために考えなければならないことは沢山あります。
僕が初めてトラクターを自力で運転することになったとき、取説をメーカーのwebから取り寄せて基本的な操作方法を覚えました。しかし実際に田んぼを耕そうとすると、どこから耕し始めて、どのギアを選んで、どれくらいの深さで耕すべきなのか、ほとんどが手探りでした。一年間のうちいつ頃耕すのがベストなのかも分からない。🤷♂️
当時はいろんな農業の本を読んで、自分なりに「耕す」のスタイルを組み上げていきました。今でも自分のやり方が正解なのかどうかわかりません。むしろなにが正解なのか、自分で決めなければならない。💯
畑や田んぼを「耕す」ことの目的はいろいろあります。イネの切株や雑草を土の中にすき込んで除去する。土と肥料をかき混ぜる。土の中に空気の通り道を作って柔らかくするなど。ロータリー(耕す機械)のメーカーの方の話では「この機械で耕す目的は、田んぼ一面の土をプランターみたいにすることです」とのこと。
しかし、僕が参考にした農家さんの本では「人間が耕さなくても土の中のいきものたちが代わりに耕してくれる」といったり、「深く耕しすぎると微生物のそれぞれの居場所がかき混ぜられて本来の能力を引き出せなくなる」といった考え方も載っていました。うーむ。どうしたものか。🧐
そこで僕は「稲刈り直後の田んぼはいきもの任せにして、春になったら雑草がなくなる程度に耕そう」と考え、今までは浅く控えめに耕していました。ところが、「稲刈り後の稲株を残しておくと、病気を媒介する虫の卵が株の中で越冬してしまう」という新たな情報が。確かに、昨年はイネの下の歯が枯れる「縞葉枯れ病」という病気がちらほら出ていたような気が…😨
農薬は使わないようにしているので、対策としてできるのは稲刈りのすぐ後に「秋起こし」をして虫の卵を冬の寒さに晒すこと。よし、今度はちゃんと耕そう。🚜
しかし、なんやかんやありまして実際には冬になってからの作業になってしまいました。さらに今年は暖冬で、寒い日が少ない…。なんかおもってたんとちがう。(あっ)🤭
それでも2月ごろ何度か寒い日はあったので、いきなり春起こしするよりかは多少違うかもしれません。効果があったかどうかは、植えてからのお楽しみ。
というわけで、今年も米作りが始まります。🌾
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