草生栽培で過去最高のかぼちゃができるかも?

もうすぐ、かぼちゃの収穫です。あと1週間くらい。

今年の春かぼちゃは、本格的に「草生栽培」に取り組んでみました。

「草生栽培」というのは、読んで字の如く、「草を生やしながら栽培する」というものです。

冒頭写真は、3月頃に撮ったものですが、畝間(うねま)は草がボウボウになっています。もちろんこれは雑草ではなくて、わざわざ植えたエン麦です。グラノーラとかオートミールの原料である、あのエン麦。これは食用の品種じゃないんで、グラノーラはできませんけどね。

どうして草を生やすのかというと、第1に敷き草にするためです。かぼちゃは、地面に敷きワラがたくさんないとうまく育ちません。でもそのワラをどこからか持ってくるのは結構大変なんです。でもこのようにエン麦がびっしり生えていれば、ただそれを切り倒すだけですから簡単です。

第2に、センチュウ対策です。センチュウというのは、とっても小さなミミズみたいな虫なんですけど、これがかぼちゃの根に侵入して生育が阻害されます。特に連作するとこの症状が多く出てくるので、普通は土壌消毒するんですが、私は土壌消毒は環境にも作物にもよくないと思っているのでやりたくありません。このエン麦は「ニューオーツ」という品種で、このセンチュウ予防に効果があるとされています(でもその効果は土壌消毒ほどではないです)。

第3に、風対策です。かぼちゃは、実は風にとても弱い植物です。強い風が吹くとすぐに傷んでしまいます。特に春先は、「春一番」が吹きますからね! でもこうしてびっしりと丈の高い草が生えていれば、風の被害を軽減することができます。

第4に、トラクターで耕耘する回数を減らせます。草を生やすのと耕耘と何の関係があるのかと思われるでしょうが、耕耘の目的の半分は雑草の防止なので、草生栽培することにより耕耘の回数が減るんです。この圃場の場合、エン麦を植えたのは昨年の10月ですから、それからかぼちゃを収穫する7月までの8ヶ月間、畝間は1度も耕耘しないということになります。一方、草生栽培をしていなければ、植え付け前に1回、追肥時に1回で最低2回は耕耘しますからね。

いいことづくめの草生栽培ですが、デメリットを敢えて言えば、3月に植えるかぼちゃのために前年の秋からエン麦を育てないといけない、という準備期間の長さですかね。まあどっちみちその間畑は遊んでいるので私にとってはたいしたデメリットではないんですが…。

実は、昨年も圃場の一部で草生栽培の試験をやっていて、これはよさそうだとなったので今年は全面で草生栽培してみました。

結果は…、生育はかなりいいです! 葉っぱも立派なものが出そろいました。

それが草生栽培のおかげなのかどうかはわからないんですが、追肥の肥料も2割近く削減できました。

天候にも恵まれましたし、おそらく過去最高の収量になると予想されます。かぼちゃの大きさも揃っていて、品質的にも期待できます。春かぼちゃを栽培するのも6年目ですが、ようやく思った通りに育てられた感じがします(まだ収穫はしていないので、あくまでも予想)。

そんなかぼちゃですが、今季はインターネットでは予約販売のみで売ることにしました。というのは、夏に収穫したかぼちゃは1ヶ月くらいしか保存できないので、できるだけ早く召し上がっていただきたいという思いです。

予約は、6月24日くらいまで受け付ける予定です。その後の販売はありませんのでご理解ください。よろしくご愛顧いただけますようお願いいたします!

(2017.06.16)

Writer

鹿児島県南さつま市

窪壮一朗

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