片山和洋 | ハナウタカジツ
2026.9.1#8月31日は「野菜のタネを植える日」
8月31日は「野菜の日」でも、ちょっと立ち止まって考えてみたくなるんです。
夏のあいだのあの猛暑。人間ですらバテてしまうような暑さの中で、野菜をすくすく育てるのって、実はめちゃくちゃ難しい。
プロの農家でも頭を抱える季節ですし、家庭菜園を楽しんでいる方なら「この夏は焦げちゃったな…」なんて苦い思い出があるかもしれません。
だから、8月31日を「野菜(を食べる)日」というよりも、「野菜のタネを植える日」と呼びたいなと思うのです。
秋の実りを、今日そっと土に埋めるタネをまくということは、「今すぐ結果を手に入れる」のとは真逆の行為です。
指先で土を掘って、ちいさなタネをひとつ、そっと埋める。そこから芽が出るまでに数日。
葉が伸びて、秋の風が吹き始める頃に、ようやくちいさな実がつき始めます。
ハナウタカジツでは秋になると「ヘンテコハロウィン」と題して、ちょっと形が曲がっていたり、大きさが不揃いだったりする果物や野菜を“個性”として愛でる取り組みをしています。
今日、土に埋めるタネも同じです。まっすぐ美しく育つかもしれないし、ちょっと不格好でヘンテコな形になるかもしれない。
でも、「どんな顔をした野菜に出会えるのかな」と想像しながら水を与える時間そのものが、なんだかすごく愛おしいのです。
ボタンひとつで何でもすぐ届く時代だからこそ。すぐに食べられなくてもいい。
秋のハロウィンの頃に実る「ヘンテコで愛おしい何か」を気長に待つ時間を、今日から始めてみませんか。
#自分の心にも、小さな「ご自愛のタネ」を
そして、これは野菜を育てる人だけのお話ではありません。
猛暑の夏をどうにか走り抜けてきたあなたの心と体も、きっと想像以上に疲れが溜まっているはずです。
「野菜の日だから野菜を食べなきゃ」なんて、義務感で自分を追いつめないでほしいなと思います。
以前、勤労感謝の日に「ご自愛する日」というメッセージを届けたことがあります。頑張る自分に、休むための“いいわけ”を作ってあげる日です。
今日の「タネを植える日」も、心のご自愛とよく似ています。
タネは、植えた瞬間に大きな花を咲かせたりしません。
土の中でじっと静かに、自分が芽吹くべきタイミングを待っています。
だから、私たちの「ご自愛」も今すぐ完璧じゃなくていいんです。
「秋風が吹いたら、温かいスープを飲もう」
「涼しくなったら、あの公園をのんびり歩こう」
そんな小さな楽しみのタネを、今日、自分の心にひとつだけ植えておく。
すぐに変わらなくてもいい。
時間が経って、秋になる頃にふっと芽が出ればそれで十分です。
#待ち遠しい未来を、育てる
時間をかけて実るものを待つ時間は、脳を直接揺さぶるような激しい刺激(ドーパミン)とは違って、心をじんわり温めてくれる静かな豊かさがあります。
農家の人も、ベランダでプランターで育てる人も、そして今日をただ一生懸命生きて乗り越えた人も。
8月31日。
それぞれの場所で、未来の楽しみに繋がる「タネ」をひとつ、植えてみませんか。
秋にどんな実りが待っているか、みんなで気長に楽しみに待ちましょう。
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