\\\冬至とシリウスと新嘗祭と///
農業にとって暦はとっても大事。
種を蒔く時期や管理に注意する時期、はたまた、土地を耕すタイミングなどを計るのに欠かせません。
かつて、日本の暦を製作していたプロ集団といえば、安倍晴明で有名な陰陽寮です。彼らは、太陽や月の運行、星々の動きなどから、季節を読み取り、様々な作業に最適な日取りを読み取りました。それが所謂「旧暦」の「太陰太陽暦」です。
そんな暦に関して、農業を通して気づいた事をお話しします。
私は稲作を始めてから、11月23日の新嘗祭を大事にするようになりました。稲作をしていると、人間の力の無力さを感じたり、なにか不可思議な力の存在を感じる事がおおく、自然への敬意のような感覚が、ごく自然に湧いてきます。
ですので、新穀を神様にお供えし、ともに味わい、豊かな実りの感謝と喜びを分かち合うことの大切さが実感できるからです。
そんな新嘗祭ですが、実は新嘗祭こそが新年の始まりだったという事をご存知の方は少ないかもしれません。
以前は、新嘗祭の日から新しい年が始まりました。
なぜか?
この話を知った時に私は、ちょうどお米の収穫が終わり、新しいお米が食べれる時期だから、新米の切り替わりと同時に新年が来るんだなぁ。なんて漠然と思っていました。
ところが、ある時気づいたのです。
あれ?新暦で新嘗祭やってるのって最近じゃない?と。
本来は旧暦じゃないの?と。
そうして、旧暦の新嘗祭11月23日を調べるとあら不思議。
それは冬至だったのです。
とはいえ、毎年ぴったり11月23日に来るということではないので、断言は出来ないのですが、太陰太陽暦を決める時に、冬至は11月に来るように合わせるそうです。(ちなみに今年は旧暦11月16日が冬至)
日本は太陽神の天照大神を最上位に置いています。
冬至は最も日の短く、太陽の力が最も弱くなる日だと位置付けられています。太陽は農業にとっても大事な存在です。
様々な神話やそれに基づく祭祀をみると、太陽神や農業神の死と再生を描くものが多いことに気がつきます。
永遠に力強いものはなく、冬を弱く衰えた太陽神や農業神の表れだとし、もう一度強く若々しく復活させ、春を迎えたいと人々は願いました。
日本におけるその儀式が新嘗祭だったのではないでしょうか。
それは、新天皇即位後初の新嘗祭を大嘗祭と位置付け、即位に最も重要な儀式である事にもあらわれているのではないでしょうか?
冬至を境に、太陽は若く生まれ変わり、日はだんだんと長くなっていきます。
また、暖かな春がきます。
木々や草が萌え出で、生命の気配が色濃くなっていきます。
そんな思いで、今年の冬至を過ごしてみてはいかがでしょうか?
余りにも文章が長くなりすぎたので、シリウスに関しては、また明日!(๑˃̵ᴗ˂̵)