今年も献上決定! 献上桃の郷:桑折町の桃農家さんに「皇室献上」の舞台裏を聞いてみました。

桃の一大産地として知られる福島県。その中でも、特に「品質が高い」と有名なのが桑折町(こおりまち)の桃です。人口12,000人ほどのこの小さな町に今年も、嬉しいニュースが届きました!

桑折町のモモが25年連続で献上桃に選定された。決定通知書交付式が5日、町役場で行われた。25年連続で献上桃 桑折町に決定通知書交付|福島民友ニュース 2018年6月6日


なにやら偉業のようですが、「献上桃」って聞き慣れない言葉ですよね……。


ポケマル編集部では2017年7月に、桑折町で70年以上も桃を育てている亀岡果樹園亀岡隆宏さんに、「献上桃」の謎をインタビューしました。

今回は、その記事を再掲載します。

Producer

亀岡隆宏(亀岡果樹園)|福島県桑折町

福島県伊達郡桑折町伊達崎にある桃を中心とした果樹園です。当果樹園は70年以上にわたり桃を栽培し、現在では30品種程育てています。畑がある伊達崎地域の阿武隈川沿い一帯は、もも畑が広がっており”桑折町ピーチロード”と呼ばれています。


実はあまり知られていない「献上」の実態とは 

献上桃とはズバリ、皇族・宮家に献上されている桃のこと。もちろん、誰でも簡単に「献上◯◯」と名乗ることができるわけではありません。高い品質が評価され、選ばれたものだけがその称号を手にすることができるんです。

他には、山形県のさくらんぼ「佐藤錦」や、福井県あわら市のトマト「越のルビー」などがあるみたいですよ。

桑折町は、2017年も町の農家が生産した県の主力品種「あかつき」が献上桃として選ばれ、24年連続の快挙を成し遂げました。

 

ーー桑折町の献上桃って、けっこう知られてるんですか?

いえ、まだまだ知らない人がたくさんいると思います。県内でもそれほど認知されていないのでは?最近、町が特産品としてPRに力を入れるようなったので、少しずつ認知が広がっているようです。

 

ーーどういう経緯で、桑折町が「献上桃の地」として選ばれたんですか?

もともとは、福島市飯坂町の農家が献上していたらしいです。その人が高齢で続けられなくなったときに、桑折町が後継に選ばれました。

光センサー選果機を国内でいち早く導入するなど、地域全体で桃の品質が高いというのが理由と聞いてます。

 

ーー「農家」ではなく「町」が選ばれたと?

以前のように特定の農家ではなく、町全体が対象になっています。ここで育って収穫された桃の中から、選抜された桃だけが献上されています。

 

ーー桑折町のポテンシャル、すごいですね……!

20年以上も献上され続けているので、農家の間でも「よりいいものをつくろう」という意識が広がっています。

それと、農家同士で「この新しい品種は良かった」などと情報交換したりする互助の関係も根付いていて、地域が一体となって総合的に品質を高める努力をしてます。

 

糖度、色、形。「1%」の最高品質 

そんな桑折町が誇る「高品質の桃」の中から、さらに「選ばれし桃」だけが献上されるわけですね……。

 

ーー実際に献上される桃は、どうやって選ぶんでしょうか?

機械による品質評価と、県の担当者や地元農協の人たちの審査で決めます。これは選果・箱詰式と呼ばれ、その日の朝に収穫した桃を農協に集めて、審査するんです。毎年地元のテレビ局や新聞社が取材に来るんですよ。

 

ーー審査が厳しそうですね。

まずは機械チェックがあって、「糖度13℃以上」などの条件をクリアしなければなりません。そのあとは県や町の専門家が、機械では判別できない色や形などを総合的に評価して決めます。

 

ーー選ばれるのは、ごくわずかなんですか?

どうやら20,000個が審査の対象になり、そのうち献上桃に選ばれるのは180個だそうです。1%以下とかなり低い確率ですね。それを真っ白い化粧箱に入れて、県の担当者が車で皇室に運ぶそうですよ。

 

ーー亀岡果樹園の桃がすでに「献上されている」可能性も十分あるというわけですね!

はい、自信はあります!


ーー私たち一般人も「献上桃」を食べられるんですか?

「献上桃」と認定されたもの自体を食べられるわけではありませんが、それと同等の品質の桃は、私たちも売っているわけですし、食べられますよ!

 

なんと!それは……ぜひ食べてみたいですね!


珍しい桃、あります

さて、ここからは亀岡さんが手がける桃の魅力に、さらに迫っていきます!


ーー亀岡果樹園の「ここがすごい!」ポイントを教えてください。

私は2016年に実家に戻って就農したのですが、うちで育てている品種を改めて調べてみると、今まで20種ほどだと思ってたんですが、約35種類もあることがわかったんです。これは他の桃農家と比べても多いと思います。


ーーそれぞれ収穫時期や味などが微妙に違うわけですか?

いろんな味の桃を楽しめますよ。特に「桃好き」の人は必見です。そういう珍しくて、収穫量が少ないものは、農協がなかなか引き取ってくれないし、一般的なネットショップでも在庫保証など条件が厳しいので卸せません。
ポケマルだったら、その時期にオススメの品種をお送りできますよね。


日川白鳳、暁星、あかつき、まどか、紅錦香、幸茜、だて白桃、さくら……などなど。旬を迎えた品種を次々とお届けします!




「献上されているかもしれない」一級品の桃や、亀岡さんが選んでくれる「そのときおいしい」旬の桃は、ポケマルでしか手に入らない希少品です。

また、桃は贈答用にも最適です! 日頃お世話になっている会社の上司や先輩に送ったり、家族でシェアしたりと、この夏にぜひお試しください!


※この記事は2017年7月5日に公開した記事を加筆修正したものです。


Writer

近藤快

化粧品専門誌の記者として8年勤務。東日本大震災後、業界紙・東北復興新聞にプロボノで参加、その後専属に。他に、企業のCSR・CSV、一次産業、地方創生などのテーマで取材〜執筆している。

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