【つながるポケ○(マル)日記】ポケマルがつむぐ生の関係性と、高齢者の孤立・孤独と(執筆:高橋博之)

※こちらではポケットマルシェ公式noteにて2022年12月に公開した記事を再掲載しています。




創業以来、支えてもらっている雨風太陽社の大株主のひとつ、ベンチャーキャピタル「インスパイア」の高槻社長のお母様は、大のポケマルファン。日ごろから、ポケマルをご愛用いただいています。

コロナ禍に突入した2020年9月には、ポケマルを通じて実際に生産者から食材を購入し、料理し、やりとりしてみて、これは高齢者の孤立防止、認知症予防にも効果があるんじゃないかと、ブログに書いてくれました。


人とのつながりーポケットマルシェを利用して感じたこと - 脳機能からみた認知症暑い夏でした。実はまだまだ暑い日が続いていますが、9月になったので一応過去形で。ほんとに暑かったですね。ステイホームですかblog.goo.ne.jp



そのブログから、一部抜粋して内容を紹介させていただきます。

タイトルは、「人とのつながりーポケットマルシェを利用して感じたこと」


暑い夏でした。実はまだまだ暑い日が続いていますが、9月になったので一応過去形で。ほんとに暑かったですね。ステイホームですから、毎日せっせとお料理に励むことになりました。料理をすることが好きなのだと、改めて感じました。私が住んでいる伊豆高原は自然豊かなところで、食材には恵まれていると思います。大きなサザエが到着。

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「単1電池と一緒に撮りました。 」


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「サザエのお刺身は、コツさえつかめば簡単、下向きに置いておいて、身が出ているところにナイフを差し込んで一回ししてとれるところを取ります。ラッキーなときはワタまで全部とれますし、あと少々残ってもその身は指で出せます。」 

ほかにも、お野菜た果物など、多くの食べものを取り寄せて楽しんで頂いている様子です。


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「岡山から白桃が届きました。初めて料理に使ってみました。モモのパスタ。」
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「新潟からは枝豆が。説明書通りに料理すると、確かに一味違うように思います!」

4月の記事ですが、ここに「ポケットマルシェ」のことを書きました。生産者と消費者をダイレクトにつなぐシステムなのです。長男の会社が投資したことから、3年前から時々利用しています。この夏はとてもお世話になりました。ごちそうシリーズです。

普段使いだけでなく、ハレノヒのごちそうとしてもポケットマルシェを活用いただいているそうです。美味しそうな料理の写真をもう少し紹介させてください。

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「南紀串本、吉田さんの養殖マグロの大トロと中トロ。」



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「福岡県嘉麻市、赤崎さんの赤牛。北海道寿都町、小清水さんのホタテ貝。 うわー日本の北と南でした!」



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「果物といえば沖縄宜野座、林さんのマンゴー。これは北海道の知人にもプレゼントしました。「初めて見ました」と、とっても喜んでもらえました。」


そして、ポケマルの価値をこのように感じて頂いています。


生産者を感じることは、私の場合は「さあ、これから体を作る食べ物を料理して、いただく」という姿勢につながるような気がします。スーパーマーケットで求めたものとは全く違う感覚がわいてくるのです。その意味でポケマルの試みは特筆されるべきものだと実感しています。ポケマルでは「ごちそうさま投稿」というのがあります。到着や感謝のコメントで構わないのですが、写真を付けることでこれから買おうとする人たちへの情報提供にもなりますね。だから大体写真を撮って投稿しています。それに対する生産者からのコメントもうれしく読みますが、お仕事の邪魔じゃないかと心配になったりしながら、そのつながりが心地よい…


そして、ポケマルは高齢者の孤立防止、認知症予防にも効果があるのでは、とも。


ポケマルは、コロナの影響の「巣ごもり消費拡大」で、ユーザーがこの1年で4万人から21万人へと5倍超になったそうです。長男の会社が追加出資するそうで、FBに挨拶文が掲載されていました。

「ポケットマルシェは、生産者と消費者をつなぐプラットフォームを運営する企業です。2016年9月のサービス開始以降、着実に事業を成長させてきました。一般的には『産直Eコマース』として認知されていますが、ポケットマルシェの本質的価値は人と人の関係性を進化させ、それを深化させ、時には変容させるプラットフォームである点と言えます。
(中略)
ポケットマルシェがビジョンとして掲げる『共助の社会を実現する』という言葉の意味は重く、社会的な責任も大きい。この価値観、問題意識、未来への意思を共有できた投資家からの調達は、資金調達の枠に留まらず、ポケットマルシェ自体の力を大きくステージアップさせることにつながると考えています」

 
なるほど。
高齢者にとっては、ボケずに生き抜こうとする時、人とのつながりは必須のものです。そういうと生の関係性をすぐに追求したくなりますね。でも身近に親族も友人もいない場合もあるでしょう。ところが、ポケマルを利用することで、ネットを通じてであっても確かに生産者とのつながりを実感できました。介在しているものが食べ物ということも大きく影響してると思いますが、予想外の感覚に驚いています。
話は飛躍するようですが、高齢者の認知症予防なくては、日本の将来は大変なことになるのです。
こういう形での、高齢者の孤立防止もあることの実感報告でした。


2018年1月、イギリスで世界で初めて「孤独担当大臣(Minister for Loneliness)」が設けられました。背景には、孤独に関わる年間の経済的損失は4.8兆円とされ、もはや孤独を個人の問題として放置することはできず、社会的課題として国家が捉えたことがあります。
無縁社会が広がる日本も決して他人事ではなく、2021年2月に世界で2番目に菅政権によって「孤独・孤立担当大臣」が新設されました。僕は、この孤独という大きな社会課題に対して、当社は食を通じた関係人口の創出によって貢献できると考えています。事実、ポケマルは今年、生産者と消費者のやりとりが500万回を超え、多くの関係性が日々、生まれ、育まれています。
 
食はすべての人の共通言語です。
誰もが毎日食事をするので、関係性を育みやすい。なぜなら関係性は回数を重ねるごとに育まれていくものだからです。気に入った生産者からリピートして仲良しになっていったり、毎年旬の季節が来たらこの生産者から買うといったこともあるでしょう。つながりは、生産者と消費者だけでなく、推し生産者を共有する消費者同士にもあります。

こうしたつながりが高齢者の認知予防に役立てるとしたら、あるいは高齢者のみならず、多くの人々の孤独の問題を解消することにつながるとしたら、なんて素晴らしいことでしょうか。


(執筆:高橋博之)

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