今年の日本海はおかしい・・・厳密には、年々おかしくなり過ぎてきている。そう感じています。
いるべき時期に旬の魚が根に居つかず、いるはずのない季節外れの魚が漁場を占拠し、あまりの寒さや暑さに死んでしまう魚がいます。
今年の2月から異変はありました。日本海の海水温が異常に低い。例年に比べ5度以上海水温が低下する日々が5月まで続きました。魚の体感は人間の1度に対して30度といわれています。
要は、人間で言うと家の周りが150度高くなってしまったことになります。150度・・果たして人間は生きていけるでしょうか?漁師は過去の経験を基にして漁を行っています。私も祖父から続く秘伝の書や、自分の経験から漁場の選定をするのですが、ここ5年、まともに当たったことがありません。事実、この半年、思うような漁をした漁師は一人もいませんでした。
先日、西日本で豪雨による災害がありました。被災者の方には心からお見舞い申し上げます。しかしこれはいまや日本全国どこでも起こりうることだと思っています。
何も地球温暖化によるものだと、全てアメリカや中国が悪いと言いたい記事を書きたい訳ではありません。CO2削減をする云々の議論もしたくありません。
少なくとも今の日本の海が壊れかかっている、あるいはすでに壊れてしまっているという事実を知ってほしいのです。そして、その要因の全てが人間であることも言わずもがなです。CO2増加、護岸工事、水質汚染。言えば限がありませんが、その事実を皆さんに知ってほしい、考えてほしい、そして行動してほしいと心から思います。
私は小中学校の教員を経て、実家の家業である底引き網漁の船長になりました。今年10歳になる息子がいますが好きな道に進み、好きなように生きて欲しいと願っています。もしも願うならば、彼が人生の岐路で迷ってくれるくらいに格好いい漁師でいようと思っていますが・・壊れゆく海といつも接しているとその自信はなくなっていきます。
スタジオジブリの名作で「風の谷のナウシカ」という作品があります。今更皆さんに説明の必要はないと思います。しかし、その物語と同じことがこの国で起こっていることを知ってほしいのです。
人として、親父として、漁師としてこれからも偉大なる海と接して生きていきます。その海が今壊れていっていること。どうかその事実は皆さんに知っていて欲しい。そう願います。