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荒井瑠伽

新潟県佐渡市

荒井瑠伽 | イケベジ

お米

【生物多様性の聖地『佐渡ヶ島』で、徹底した環境保全型農業】 1000m級の山脈と日本海が重なる新潟県佐渡ヶ島。 私たちイケベジは、山と海に挟まれた小高い丘の上で、川から1番に受け取れる場所で稲作をしています。 私たちの島では、環境保全と経済の両立が難しいとされていた2007年に『トキのために』行政、JA、農家等が一丸となって朱鷺の餌場なる田んぼの生き物を守る動きが始まりました。 JA出荷のコシヒカリは最低でも農薬化学肥料を5割減以上(佐渡地域慣行栽培基準比)やネオニコチノイド系農薬の使用禁止、生物を守るための住処の確保など当時の利益追求型農業に逆行した農業政策を実施しました。確実に成果をあげ、一時は日本では完全に絶滅してしまったトキも15年経ったいまでは、野生に600羽近くまで生息できるようになりました。 イケベジでも、生き物が生きやすい環境は、お米にとっても、人間にとっても良いという仮説のもと、栽培期間中、農薬も化学肥料も一切使用せず栽培に取り組んでいます。 【自然と共生する栽培方法】 私たちは、栽培期間中、農薬や化学肥料を一切使用せず栽培しています。 基本的には自然栽培の考え方のもと、肥料を用いずに栽培をしていますが、一部の圃場には自分たちで作った堆肥を用いることもあります。堆肥に使用する材料は竹林で生え過ぎてしまった竹や地域の業者から出る刈り草など、地域の営みの中で生まれるものや本来処分されてしまうものを活用しています。 また収穫後、冬から春までの間、田んぼから水が無くならないようにしています。これは佐渡市の取り組みの1つである「ふゆみずたんぼ」というものですが、水が張られていることで冬でもそこに水生生物の生育環境ができ、トキを始めとした鳥の餌場となります。また、光合成細菌の活動が活発になり、作物自体にも良い影響を与えます。 作物をいただくのは私たちヒトです。そして栽培活動を行う際には少なからず、自然環境の一部をお借りします。だからこそ、私たちの食と自然が共生し、出来るだけ偏りが生じないように日々栽培活動を行っております。 【歌うたいファーマー?笑】 生産活動は段取りが肝です。論理的に組み立てて準備することはしつつも、生産物(命)に向き合うときには栽培者自身が在るがままにその場を楽しむことを大切にしています。自らの状態や感情が作物には伝わると確信しているので、自分たちがまず健康で有意義な毎日を送ることを大切に、田んぼでは音楽をかけながら、大声で歌って作業をしたりしています。笑 理論では説明できないことが、自然界ではたくさんあります。お米からもそのご機嫌さが伝わると嬉しいです! 【生産販売にとどまらない食育での社会貢献】 イケベジでは、島の子供たちに向けた食育講座や島外の方々を受け入れる農業体験を積極的に行っています。 野菜やお米をただ商品として扱うのではなく、社会や地域にとって少しでも価値を見出して消費してもらえるように工夫して取り組んでいます。
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