こんにちは✨😃❗️園主の菅野千秋です。
朝日新聞デジタルに当園の取組が掲載されております。お暇な時にみていただけたら幸いです。
以下、記事の一部掲載
広々とした空の下で、みんなで一緒に農作業をする。高齢化に伴って担い手が不足する農業と、障害者が生きがいを持って働ける場所を求める福祉。それぞれが課題を補い合うことを目的とした「農福連携」の取り組みが、東北でもじわりと広がっている。
大きいリンゴが日差しを浴びる。赤く色づいた一つを選ぶと、傷つかないようにそっともぎ取る。その隣では、リンゴが山盛りになったカゴを男子が笑顔で運んでいた。収穫しているのは岩手県立前沢明峰支援学校の生徒たちだ。
10月、同県奥州市の農園で行われた農福連携の説明会。特別支援学校の生徒に農作業を体験してもらい、卒業後の進路の幅を広げる目的で岩手県と同県社会福祉協議会が企画している。同校3年生の今野聖那さん(17)は「時間を忘れるくらい楽しかった」。
農業と福祉の各分野が課題を補完するのが農福連携だ。障害者が生きがいと安定的な就労の場を持つ。担い手の高齢化が進む農業にとっては、働き手の確保につながる。
この農福連携に積極的に取り組む人がいる。奥州市の菅野農園でリンゴや桃を育てている菅野千秋さん(48)だ。
週4回、市内の福祉事業所から知的障害がある利用者が通い、栽培や収穫を担う。
2015年、地域では高齢化が進み、荒れた農地が増えた。人手が足りず、繁忙期は目の回る慌ただしさ。そんなとき、福祉事業所で働く高校時代の同級生と意見交換し、連携を思いついた。
試しに利用者に農園に来てもらい、リンゴの蜜を調べる作業を頼んだ。センサーの上にリンゴを載せて、蜜の量で仕分ける。作業は順調で、任せることが増えていった。利用者たちの自立につながり、本人はもちろん親たちも安心できるようになると考えた。
B型と呼ばれる種類の就労支援施設の利用者には、最低賃金の取り決めがなく、低賃金で働く事例もある。菅野農園では岩手県の最低賃金に合わせ時給854円分を払っている。「永続的に、自立して生きていける環境をつくる。それが福祉だと俺は思う」
感情だけで取り組んでいるわけではない。業績も伸びた。センサーを使うことで、確実に蜜が入っているリンゴとして売れるため、単価が上がった。そうして生まれた利益は、工賃に充てられる。
当初奥州市内で取り組んでいたのは菅野さんだけだったが、今では10軒を超える。
東北各県でも広がる。
秋田県は19年に相談窓口を設置し、農家と福祉事業所のマッチングを進めている。県の担当者は「農家からの相談が増えている」と実感する。
キノコの生産が盛んな山形県では、ハウスを活用することで冬場に作業が少ない課題の解決につながっている。県によると、農福連携で農作業に従事した延べ人数は、統計を取り始めた18年度の1971人から、21年度は1万1966人に増加している。宮城県や福島県でも、同様に広がっているという。青森県でも県が今年7月、初めて全県的な推進会議を開いた。
障害者が地域に出て、高齢農家を支援。感謝の言葉が自信になり、農業も維持される。岩手県社協の阿部順一さん(63)はこう思う。「農福連携は地域で地域を支えることにつながっていくのです」(奈良美里)