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筒井昭男

大阪府八尾市

筒井昭男 | カネ筒農園

紅たで

◆カネ筒農園の筒井昭男です 大阪府八尾市で生まれ、現在も在住しています。 元々中央市場に出している屋号が、筒にカギ括弧で登録してましたので、その読み方通りでカネ筒【カネツツ】農園としました。 ◆会社を辞め、子供の成長に関わるために農業へ 農家の長男として生まれ、大学卒業まで畑の横で育ち、家に帰れば両親が畑で働いている姿を見ていて、ときおり手伝わされていたので、農業の厳しさを誰よりもわかっていました。 絶対に農業は継ぎたくないと思い、大学は電気工学を専攻して、京都の電力機器メーカーにエンジニアとして就職しました。 大阪から京都なので、ころ合いの距離と思っていたのですが、配属が東京になり約7年間東京で過ごしました。 その間に結婚して長女が生まれ、次に長男が生まれました。 そのころから子供の成長に毎日関われるのは、自分が生まれ育った農業の環境だと思っていき、思い切って会社を辞め、実家の農業を継ぐ事にしました。 ◆特産の紅たでの辛味を活かして 刺身のツマとしておなじみの紅たでは大阪府八尾市の特産であり、平成4年位のバブル時代までは全国シェア8割を誇っていました。 取れたての紅たでは辛味があり殺菌作用が強いので、昔から生魚の食中毒防止のために刺身の横に添えられてきました。しかし一般流通の間で常温におかれてしまうと、辛味成分が抜けてしまう事がわかっています。そのため現在は飾り物として扱われる事が多くなってきています。 何とか辛味を残せないかと調べていき、生姜と相性がいい事がわかり、生姜と合わせる事で生姜の辛味を2から3倍に上がったように錯覚することがわかりました。そこで生姜シロップである紅たでシロップを開発しました。 そのほか、白醤油に刺身の妻(紅たで・わさび・大根)を混ぜてそのままかけて使ってもらう紅醤油や、鮎の塩焼きにつけて食べる蓼酢の赤いバージョンの紅甘酢や、紅たでシロップをソーダで割ったピンク色のジンジャーエールである紅たでジンジャーソーダを開発しました。 ◆紅たで産地を残すために 最盛期20軒の紅たで農家があった所、需要も減ってきた事もあって世代交代がうまくいかなくなり、現在は2軒まで減ってしまいました。何とか産地としての紅たでを残していくために、加工品を開発して奮闘しています。 ◆将来は加工場の屋上で紅たでを 紅たでは外からの栄養分を与えると、光合成を起こすのか、緑色になってしまいます。 従って、種の養分と水と太陽の光だけで育てますので、土は必要ありません。 だから、作り方によってはコンクリートの上でも作る事が出来ます。 現在加工品は業者に外注しているのですが、将来は加工品も自社で作れるようにして、その加工場の屋上で紅たでを作るようにしたいと思っています。 ◆紅たでは実は薬草です 中国では、漢方薬として解毒や虫除けとして利用され、ヨーロッパでは、利尿剤や下痢止めなどに用いられてきました。 ビタミンCが豊富なので、細胞の健康を維持して、肌を美しく整えるほか、イライラを抑えるなど、抗ストレス作用もあります。 タデオールという辛味成分が、食欲の増進と消化の促進に働きます。 タンニンが含まれており、止血や下痢止め、腸を整える効果があります。 システロールを含み、コレステロールが腸で吸収されるのを防いで、高血圧や心臓病の予防に期待できます。 アルカノイドを含み、痛みを和らげる鎮痛作用や抗菌作用があります。
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