攻めて守る伝統。僕なりの故郷への恩返し

『またバカなことをやりだした。』

田舎では新しいことに挑む人には否定が先にくる。

今日、子豚を2頭仕入れてきた僕はひどく否定的な言葉で罵られた。

皆と同じように生きること、目立ちすぎず、出過ぎないことなどが田舎に入ってきた若者に課せられる縛りであると、引っ越して来て8年になろうとしてもまだ色々な場面で感じることがある。

もしかしたら新しいことを取り入れない、または否定することで農村地帯は伝統や文化を守ってきたのかもしれない。

でも本当はそんなのも言葉だけで、ただ変わっていくことが怖いだけなのかもしれない。

いずれにしても『田舎』というものはみんなと違うことをやる人を嫌う傾向にある。

でも僕は常に新しいことに挑んでいきたい。

『庭先養豚(にわさきようとん)』

というものが、60年くらい前まではたしかに日本にあった。

昔は庭先で飼うニワトリと同じく、山羊も家庭にいたし、豚も家庭で飼育していたのは珍しい光景ではなかったそうだ。

まだ市販の餌などないような時代、農家は自分の家庭からでる生ゴミや野菜くずなどで豚を育てていたという。

そのときの豚肉は、きっとその家庭の味になっていたんだろうなと思うと、僕は胸が高鳴る。

相馬からでる魚を食べさせて育ててみたい。

相馬で採れた米、相馬の野菜を交えて、相馬の気候で育ててみたい。

それらを取り入れて生み出される相馬の豚肉を喰ってみたい。

くしくも『またバカなことをやりだした』と言う人達が昔にやっていたことで、僕は僕なりに故郷に恩を返してみせる。

守っていくことで時代の変化についていけず廃れさせてきた伝統文化を、僕は攻めることで守っていきたい。

だから相馬は凄いんだと言わせてみせます。

今年の11月に販売予定です。

これが相馬の肉だと言いきるからには安く売るつもりはありません。

まずは限定20名くらいの販売になりますが、相馬の豚をぜひご期待ください!

(2018.5.16)

Writer

福島県相馬市

菊地将兵

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