ふるさと相馬への想いを育む伝統野菜とは? ~『そうまどだれ』を復活させたい~

9月15、16日と地元相馬市にて涼ヶ岡八幡神社の例大祭が行われました。

地元相馬市ではご年配の方なら皆知っている伝統ある行事で、諸説ありますが米文化の前は芋食の文化であり、その当時は神様に芋を供えていたとも言われております。

現在でも例大祭のこの日は、里芋のお吸物である『いもずいも』というお汁が出されております。

『いもずいも』という名は『芋のお吸物』がなまったものであり、この里芋というのが僕らにとって大事な部分であって、かつては相馬市の伝統野菜である相馬土垂(そうまどだれ)がいもずいもに使われていたそうなんですが、現在は栽培している農家さんがいないため、いつからかどこかの里芋に替わったそうです。

それを出来ればまた相馬土垂に戻したいと僕は願っているため、まずは恥ずかしながら地元民として知ってはいたものの、今年初めて伺ってみました。

神社に着きますと想像以上に賑わいが凄く、駐車場が無いほど地元の方々が神楽を見に来たり、いもずいもを食しに来ていました。

話によると、ここ例大祭の場所である八幡地区には八幡小学校があり、子供たちは学校の行事としてもいもずいもを食べに来たりするそうです。

そんな話を聞けたら、いつかこの『いもずいも』に使われている里芋が相馬土垂になって、出来ればその使われる相馬土垂は学校の授業の一環として子供たちに育ててほしいと思ってしまいます。

こうした神社での行事ごと、農作物と神様のこと、田舎で細々とやっているような伝統や文化と呼べるようなことや神事に、若者が自分たちは関係ないと感じて育っていき、やがて古里を離れていくことが僕は寂しい。

学校行事として子供たちを神社に連れてくるのは本当に大事なことだけど、出来ればもう一つ、そこで使われる物を子供たち自身に育てさせてほしい。

そうすることで、子供たちは連れて行かされるんじゃなく、自分たちが育てたんだからと、行くことの意味を持たせたい。

今はまだ意味なんてわからなくても、いつかきっと自分たちが古里の伝統や文化に関わる一人だったと感じてくれて、古里の昔からあった物や伝統や文化や自然が失われていくのを目の当たりにしたとき、守ろうと思ってくれるようなみんなになってほしい。

何十年も途切れた相馬市の伝統野菜の復活は、きっと古里への想いを育てる鍵になる。

僕らはそう信じてこれからも想いを伝えていきます。

(2017.9.17)

~お知らせ~
10月28,29日に、この記事に書かれている伝統野菜『相馬土垂(そうまどだれ)』が食べられるイベントが開催されます!
<イベント内容>
相馬土垂の収穫、卵を産む役割を終えた鶏を絞める体験ができます。
また、収穫した里芋と鶏肉を使い、東北の郷土食である芋煮を作ります!
他にも、伝統野菜はどうやって復活したのか?未来の子供たちへの思いや、いのちについて、菊地さんと語ってみたい方は是非、お越しください!!
イベントの詳細はこちら

Writer

福島県相馬市

菊地将兵

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