【えっ?意外…】農産物の高騰 農家さんに聞いた真相

インターンの上口です!

今年の8月は冷夏と言われ、野菜の「高騰」についてメディアでも騒がれました。

しかし、騒がれるのは「高騰」ということだけ。農家さんの生の声や実情についてはあまり語られることはありません。

・冷夏で被害を受けているのはどこなのか?
・冷夏は生産物にどんな影響を与えるのか?
・そもそも生産物の値段は高騰するのか?
・農家さんは「高騰」の報道をどう受け止めているのか?

改めて考えると、わからないことだらけです。

そこで!

ポケットマルシェでは独自に、ポケマル農家さんにアンケートをとり、冷夏の実態を調査しました!

ー調査の概要ー
・期間:2017年9月2日〜8日
・対象者:ポケットマルシェに登録している農家
・有効回答数:39

それでは早速、アンケート結果をみていきましょう。


中部、関東、南東北で大きな影響

実際にどの範囲で影響があったのでしょうか?

日本地図で見てみましょう。


最も影響があったのは、やはり中部、関東、南東北です。東京では8月1日から21日まで連続で降雨となり、観測史上2位を記録しました。このこともあり、かなりの農家さんが影響ありと答えていました。

意外だったのは北海道と北東北。8月の気温が例年より特に低かったと気象庁も発表*していますが、影響を受けたと答えた農家さんは半分でした。

一方、西日本ではほとんど影響はありませんでした。(中部、中国地方の農家さんは募集中です!)


冷夏がもたらす生産量以外の4つの影響

さて、「冷夏=生産量の低下」とよく考えられていますが、それ以外に作物にどんな影響を与えるのでしょうか?農家さんが答えてくれのたのは主にこの4つです。


単に生産量が減少するのではなく、味や出荷時期にも影響があるんですね。特に見た目の悪化は、味はそのままなのに店頭に出すと売れないため、買い取ってもらえないといった話もよく耳にします。

ポケットマルシェではそういった作物も、訳あり商品として多数出品されています。ぜひ、この機会に「#訳あってお買い得」のタグで検索してみてください!


スーパーで「高騰」しても農家の出荷価格は上がらない!

では実際に、作物の価格は高騰するのでしょうか?農家さんの予想を聞いてみました。


結果はなんとこの通り!スーパーで高騰しても、ほとんど農家さんの出荷価格は上がらないことがわかりました。

供給量が減れば、出荷価格が上がるというのは、市場原理で考えれば当然のことです。それでも、「自分の出荷価格が上がる」と答えたのは2割未満でした。


メディアが騒ぐ「高騰」に、ポケマル農家さんが物申す!

しかし、なぜ不作の時でも「個人出荷価格は高騰しない」のでしょうか?その答えを、農家さんが教えてくれました。

定期的にお野菜を購入してもらってるお客様に対しては、うちは例年とほぼ変わらない値段で販売しています。それは市場の価格が安くても それなりの価格で買ってもらってる時期があり、長い目でみてプラスマイナスゼロだからです。

レストランへの出荷も 端境期(はざかいき**)や野菜高騰の時にのみ注文が入ってくるのはお断りする事が多いです。普段からの信頼関係を築ければ お互い安心なのかなと思います。」(30代・女性)

ということだそうです。つまり、生産者と消費者の信頼関係があれば、生産者さんの出荷価格は安定し、また消費者側の購入価格も安定するということですね。

この「信頼関係」は、ポケットマルシェのコミュニティ***でも築くことができます。ぜひ、コミュニティを活用して、生産者さんと仲良くなってくださいね。

他にも、メディアの「高騰」報道について多くの農家さんがコメントをくれました。

「そもそも生産物の価格は安すぎるし、不安定であたりまえ」(30代・男性、40代・男性、50代・男性)

「供給量ではなく、品質で価格が決まって欲しい」(30代・男性)

「メディアには現地まで来て生産者側の声を拾って欲しい」(20代・男性、30代・男性、40代・男性)

「報道がマイナスすぎる。消費者の方は踊らされないで欲しい」(30代・男性、40代・男性、50代・女性)


* * *


ポケマルは今後も、登録生産者の皆さまの「現場の声」を消費者の皆さまに伝えてまいります。


参考:

*気象庁ホームページ 平成29年報道発表資料 >  8月の天候
http://www.jma.go.jp/jma/press/1709/01a/tenko1708.html

**端境期とは…夏野菜の終わりから秋野菜の始まりまでの間などの、一時的に出荷量が減る時期のこと。

***コミュニティとは…生産者さんとコミュニケーションを楽しめる、ポケットマルシェならではの機能です。ポケットマルシェで実際に購入したお客様は、その生産者さんのコミュニティに書き込むことができるようになります。アプリのみの機能ですので、ご利用の際はアプリをダウンロードしてください。(ごちそうさま投稿のまとめはこちら


(文/上口巧)