3歳の養鶏家〜小さな手と大きな背中〜

良い意味で、この子は本当に末恐ろしい。

今日はニワトリ小屋の堆肥出しを皆でやったのですが、息子もいつものようについてきてやりたいと言ってきました。

堆肥出しは動物を飼う農家にとって、牛でも豚でもニワトリでも一番作業として大変と言われるほど疲れる作業です。

ましてやうちでは機械が無いので、堆肥は一輪車で外の軽トラックまで運び出して荷台に積みこみ、積みこみ終わった軽トラックは畑の中まで入れて堆肥を掻き下ろし、また戻って軽トラックに一輪車で積み込むことを何回も繰り返します。

今まで来た研修生たちもこの作業をやらせると皆が皆、疲れましたと必ず言うほど身体にこたえる作業です。

当然今回も海外から来た三人に手伝ってもらったわけですが、ベリーハードだよと下手くそな和製英語で念を押して伝えるほど、言わないでやらせたら不満感を募らせかねないほど大変なのです。

その作業に三歳児を連れていく気など当然無かったのですが、手違いから息子が妻ではなく僕についてくるはめに。

少しだけやらせれば諦めるかと思いましたが、なんと息子は最初から最後まで堆肥出しをやりきってしまいました。

これには隣で作業する海外から来た三人も苦笑いで驚いていました。

僕自身も正直、これをやりきれるかと驚きましたが、息子ならやりそうだとも納得もし、末恐ろしいなと我が子ながらに思いました。

ついこないだの二歳まではほとんど後ろをついてくるだけのようなものだったのに、三歳になるとこんなにも仕事をこなすのかと、成長の早さに僕がついていけていなかったのです。

これからも色々なことをやる前から出来ないだろうと決めつけず、やらせてあげようと思います。

今日は息子が一人の助っ人として立派に仕事をこなしてくれたので、夜ご飯は二人だけで息子が食べたいと言ったものを外に食べに行きました。

我が子の成長する姿を見れることが、僕は何よりも嬉しい。

(2016. 10. 27)

Writer

福島県相馬市

菊地将兵

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